表紙に描かれた素朴な青年の絵。
耳の形が亡き息子ヨシに
似ているな…と思い、伊坂幸太郎さんの
「チルドレン」という本を
読み始めました。

その話の中で、
カポーティの小説からとされた引用

⋯あらゆるものごとのなかで
一番悲しいのは、
個人のことなどおかまいなしに

世界が動いていることだ⋯


ヨシが亡くなった後、
どこかで聞いたこの言葉が
頭の中を流れ続けていたけれど、
そうか、トルーマン・カポーティの
小説だったんだな…と。



時空を超えていったヨシに、
せめて僕が若かった頃の時間を
代わってあげたい⋯そして
もしかしたら、その願いは
叶っていたかもしれない説を
何度か投稿しています。

今回、気付いたのは、
いまの僕が読む本は
九割が日本人の作家だけど

ヨシと入れ替わっていた
と思われる頃は
九割が海外の本だったな…とか。

カポーティは特にお気に入りで
「クリスマスの思い出」という
絵本のような短編小説を
何度も読み返していました。

ヨシが何度も「ラチとライオン」
というマレーク・ベロニカの
絵本を読み返していたように。



銀行に立てこもった強盗に
人質にとられながらも、
平気でビートルズの曲を
熱唱するぶっ飛んだ
小説チルドレンの主人公。

悲しみなんか通り越した
あの葬式のど真ん中で⋯

青年になった透明なヨシが

Hey Judeを唄う姿を想像したら、

不思議と救われるような

気がします。


Hey Jude, don't make it bad

Take a sad song and make it better…

(ビートルズ ヘイ・ジュード抜粋)