
父と息子ヨシの命日が近いので
三回忌と七回忌の法事を併せて
行ないました。
思いだすと
父は頑固で贅沢が嫌いな人柄。
ずいぶん昔、
父の日のプレゼントに
シャツを買ってあげたのですが、
わざわざ金を出してまで買うな!
と逆に叱られたこともあります。
無駄使いせず
金は大事に子供に残してやれ
というのが父の遺言。
◇
ガスも水道もトイレもない
小さな家に大家族で住んでいた父は
「一口だけくれ」というのが
たぶん口癖だったのでしょう。
・・・僕が中学生の頃に
昼食に買ってきた(ほか弁の)かき揚げ丼を見て
一口くれ!とパクリと食べるなり
なんとうまい!と止まらなくなり
結局全部食べられてしまいました。
その時は、
すまん、もっかい買ってこい
とお金をくれた父。
食べられた悔しさよりも
何故か嬉しかったような
思い出なのですが、
それ以来ずっと
かき揚げ丼は父の大好物でした。
僕が結婚する時、嫁さんと一緒に
父が行きつけの小料理屋に
連れていってくれて、
父も外食するんだなと
びっくりしていたら
またかき揚げ丼がでてきて
笑ってしまった。
◇
長生きはしたくない
長生きするとろくなことない
という父の口癖は
息子ヨシが亡くなった日から
聞かなくなった。
なんとなくずっと
虫の知らせのようなものが
あったのかもしれない。
父がずっと着ていた服を
棺にいれてあげたらよかった
と母が持ってきた蒼いシャツは
30年前に僕がプレゼントした
ものでした。