
息子の人生に登場してくれて
ありがとう・・・と
心から感謝する「カークン」は
病院の同じ部屋に
お母さんと
大きなぬいぐるみと一緒にいて・・・
ヨシより三つ歳上の男の子でした。
コンニチワ・・・と出会って
しばらくは気恥しさで、
少ししか話さなかったヨシも
いつの間にか打ち解けて、
まるで兄弟みたいに。
◇
「このぬいぐるみを
僕だと思ってくれたまえw」
週末は
抗がん剤を投与中でも、
自宅で過ごす事が出来ましたが、
血液検査の数値が悪く
外出禁止になったヨシに
カークンがそういってくれた事が
ありました。
「ひとりっきりの病院の大部屋は
ほんっとに寂しいからねー」
聞けば、
一人残されることになった子供が
寂しくないよう・・・
特大のぬいぐるみを
準備しているのだとか。
カークンは、
何度も入退院を繰り返していたから
色んな事を知っていた。
座るとお尻に激痛が走るから
いつも足踏みしながら
立って勉強していたカークン。
(医師になるのが夢だと・・・)
ヨシが亡くなったと聞いて、
夜中に一人で
泣いていたらしいカークン。
・・・そして、
ヨシが亡くなった日から
二ヶ月後に空に帰ったカークン。
◇
8月の終わりの日は
そんなカークンの命日でした
・・・あのぬいぐるみは、
カークンの分身として
家族になっているそうです。
料理が得意なカークンの影響で、
フライパンでタマゴ焼きたい!
といって僕に作ってくれた
ヨシの卵焼きを思い出しました。