カレンダーをめくるのは、
ヨシの役目で

まるで
この星の暦を切り替えて
いるかのように

誇らしげな笑顔で
新しい月になったことを
告げてきた。

そして毎年、
新しいカレンダーがくると
皆がそうするように

一月から十二月までの
挿絵を楽しそうに
眺めていた。


子供向けのカレンダーは
昔から相変わらず
平和でのどかな風景。

妖怪であれ、モンスターであれ、
その絵柄の表情は優しく

みんな仲良く
この国の季節と行事を
楽しんでいた。

春のチューリップ、夏の浮き輪、
秋の玉入れ、冬の雪だるま。


・・・毎月あたりまえのように
カレンダーをめくることが
どんなにかけがえのないことか。

たやすく手に入る
ペラペラのカレンダーが
どれほど尊いものか。


壁にかかっている
途中で止まったままの
カレンダー・・・

僕にとって
世界の暦をめくっていたのは

やっぱり君だったのかもしれない。