
昔、家の階段で
落ちてくる1歳半ぐらいの息子
を受け止めた事がありました。
2階で母親に叱られたヨシが
泣きながら廊下を走る音がしたので
1階にいた僕は慌てて
階段まで走っていき……
すると、小さな身体が
僕が広げた両手の中に
飛び込んできたのでした。
あまりのナイスキャッチに
自分自身驚いたのですが、
ヨシが亡くなってから数日……
階段をあがろうとしたら、
上からぬいぐるみが
落ちてきて、
僕の両手の中に
飛び込んできました。
それが遠い昔の
出来事とまったく同じ
……角度や場所や手の位置
のように思えて……
思わずまた「ヨシか!?」と
声に出してしまいました。
ヨシ……今度はパパ……
助けられなかったな……
ゴメンな……ヨシ……
2階から飛んできた
ぬいぐるみは、
ヨシがいつも寝る時に
抱きしめていたもの。
偶然が重なって、
片側のキャスターが外れ、
斜めになったラックの天板を
滑り落ちてきたのでしょう。
けれど、そんなはずはないのに
泣きながら抱きしめたら
まるで小さな頃のヨシを
抱いているようで……
ヨシが亡くなってから
今日でちょうど49日目。
不思議な事が起こる度に、
「パパ、ほらほら」
と、ヨシが笑いながらイタズラして
僕を励ましてくれていると感じています。