ヨシが、入院している病院の小児医療センターはとても素敵なところです。
先生方も看護師さんも本当に親身になって……時には涙を浮かべたり、よかったよかったと笑顔いっぱいで喜んだりしながら、一緒に病気と闘ってくださいます。

なにより、ここには同じような病気の子供が通う院内学級があり、どの子供もその小さな学校に行くのを楽しみにしているようです。

手術後、ヨシは個室にいますが、
その前は同じ歳頃の小学生達四人のベッドがある共同部屋でした。
そして夜になると始まる任天堂スイッチ「スプラトゥーン2」のゲーム大会。部屋の仲間でチームを組んだ子供達の楽しそうなこと。

この時ばかりは、繋がれた点滴のコードから……身体の痛みや、辛さから解き放たれて、
ネットで繋がった外界の人達を相手に、
堂々とゲームで戦って勝ってみせます。
……色とりどりのペンキを撒き散らしながら、飛んだり跳ねたり、泳いだり。

今日、その共同部屋の前を通りすぎる時、
その部屋のパパさんから、声をかけられました。
「ヨシくん、どうですか?」
あまりよくないです……と答えると
早く良くなって、またゲームに誘ってやって下さいね……という言葉に思わず泣きそうに。

そういえば、そのパパの息子さんは
何度も脳の手術をして、普通にゲームをするのも困難なので、少し年上のヨシがよく気にかけてあげて、説明したり一緒にゲームしてあげたり……あの時のヨシはまだ元気だったもんなぁ。

部屋の中を覗くと、いつものメンバー達がゲームをしながらニコニコ顔。

神様……どうかこの小さな子供達の小さな幸せを……もう少しこのままそっとしてあげていてください。