padre(父)へ | ぎんNECOスペインバカ

padre(父)へ



        9月の始め。
        灼熱のはずのグラナダも すっかり秋めいてきた
        昨日は Padre(父さん)の誕生日

        もう、何年この日を 西の国で迎えているのだろうかアタシ


 
        そういえば新月。 闇に新しい月が生まれる夜ね
        東の国を想って・・




            『月の裏で会いましょう♪』

            


        
        きっかけは どうであれ
        こうして西の国にて過ごすようになって早くも6年と半分が過ぎる
         そんな
        スペインの暑い夏の日を向こう~に追いやって
        ちょっと肌寒さを覚える9月。


        
        あ!父さんの誕生日や

           わかっては  いるのです


        普段、かかる電話に出ないアタシが
        「電話。したら きっとすごく喜ぶよなぁ・・」

           わかっては いるのです




        時差もあり、
        多分 今頃は 母さんとどっかで呑んでるんやろなぁ・・
        なんて思っていたら 電話するタイミングを逃す

 
        バカなアタシ。




        そんなこんなで
        日本時間では 当日を逃し・・
        やっとこさ 眠る前06時(コラ!)電話を鳴らす(日本は午後だねぇ)

        「Hola~ 父さん誕生日おめっとー。 うんうん
         昨日だったよね。わかってるんだけど 呑んでるの邪魔しちゃいかんし
         改めまして、誕生日おめでとー。って電話したよん!
           あたしの死に水とるほど長生きしてねえ」


        「 あ! そかそか
          昨日電話ないから ちょっと・・むむむって 思ってたとこやった。

          はぁ?? お前の死に水?
          そりゃぁ オレのはどうするんや こら!

          まあ、元気にしてるんなら それでヨカ!たまには声聞かせろや」




        昔から
        人の世話ばっかりやいてた父さんの人生 
          (ふふ。 それだけは アタシ キッチリと受け継いでますわよ)

        この数年は
         娘の居所さえ知らされず それでも信じ、決して見捨てず
         そうやって生きてきた 父さん。



        母さんと よくぞ出逢い
        その愛を貫き
          駆け落ち同然の生活をやってのけた 父さん
         それがあったから 今、アタシがここにいます。



         大好きだぞー!
              (面と向かって言うことは・・ないけどネ)



        「父さんも年取ってあちこち動かなくなって、
         杖がないと歩けないし
          そろそろ疲れちゃったけどな。
         お前が帰って来ないから 父さんはどうにも死にきれん」



        はい!

          だから あたしに会える迄
          ずっと 母さんと仲良く長生きしちゃってください
          いっそ、アタシの死に水とってね




        って

          父さんへの電話を切った後
          呟いた アタシ。



        9月の始めは いつも

        すこ~し淋しい


          
ぎんNECOスペインバカ


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      ホントはね。

      父さんも母さんも 一度こっちに連れて来たいの
     
      そう思ってたんだけどさ。

      杖が必要なくらいになっちゃった父さん
      それを支える もともと病弱な母さん
       無理はさせれないから・・

      まあ、色々考えてはおりまする。




      父さん。


      あなたの娘は あのイヤな事から逃れ
        
        こんなところで暮らしています


        結構、ステキがいっぱいな町ですよ