石川県輪島漆芸美術館で開催中の、
没後1周年追悼展
文化功労者
三谷吾一の世界
~ 時代を画す沈金加飾の探求者 ~
の中で 先週、
『三谷吾一先生を偲んで』
と題して
特別講演会が行われ、
東京藝術大学名誉教授
三田村 有純 氏による講演と、
三谷吾一先生の長男で彫刻家の
三谷 愼 氏 との対談 に、
たまたま
報道関係のお仕事で携わらせていただきました。
たいへん、お恥ずかしながら
この度まで三谷先生を存じ上げていなかったため、
何の予備知識もなく講演会を拝聴したのですが、、
事前に 作品を一見すると、
繊細なタッチで 色あいも優しくて美しく、
また 華やかで 可愛らしい‥
漆芸、沈金加飾という技法で、
時間も手間も、とてもかかっている‥
ナルホド 、
素敵な 芸術作品 。。
と、感じていましたが、
本質は、。
そこでは、 ナイ、!! 、 と 。
講演会を聴くにつれて
ガラリと、見方が、感じ方が
変わりました。
三谷吾一氏は、
10代の若い頃からその才能を見出され、
作品を高く評価、賞賛されても、
どこまでも、
そこで 満足することは なく 、、
人から褒められたことを、
片っ端から 否定して、
頭から、すべて 壊してしまう。。
「 ここでヨシ、 完成! 」
などと
区切りをつけず、
常に 革新する !!
評価 や 賞賛に 甘んじることは 、
一切 。 なく、、
三田村氏が しきりに、
「そんなこと、普通は なかなか、できないですよね!?」 と。
そうですよね 。、。。 本当に 。
そうやって
今まで見たことのない、
誰も考えなかった世界 を 次々につくり上げていった‥
吾一先生の作品を通して、
これから先も 若い人が育っていく 道標 となる‥ 。。
後ろを、振り返ることなく 。
ひたすら
前へ、前へと向かい、
〝 自分をどれだけ否定できるか 、
いかに、新しい 美の価値観 を世の中に与えられるか 、。 〟
それを 。
昨年7月に
98歳で亡くなられる、その 直前 まで、
入院中の病室に在りながらも、
「 頭の中は常に、仕事のことばかり。
作品や展覧会の進捗状況などを気にかけて、いろいろと指示もされました 」
と 長男の愼氏が 仰っておられました。
〈 次記事に続く 〉