バスに乗った瞬間、私は
広い二人分の優先席に
ゆったりと座る母娘に釘付けになりました。
幼稚園の制服を着た女の子は
ゴキゲンで楽しそうにお母さんと話したりしていました。
その 目の前には、
おそらく80才前後と思しき
小柄で か細い、高齢の女性が
立っていらっしゃいました。
私はその母娘に声をかけるべきか、
それとも
他にお婆さまが座れる席はないかと見回しましたが、
あいにく満席でした。
少しして母娘が降りると、
すぐにお婆さまはその席に座られたので
私は安堵しました。
大人一人分の広い優先席に
小さな子どもを座らせて
更に
母親自身もその隣に座り、
目の前に高齢者が立っているのに気が付かないのか、
気付いていても 譲る気がないのか…?
しきりに
「足を閉じて座る!」
「手袋は外に出てから」などのマナーを教えていた、
自分の世界しか…周りが見えていない母親…
“お行儀よく” 育てようと
一生懸命な気持ちは伝わってきましたが、、
肝心なトコロが… 抜けていませんか?
肝心なトコロが… 抜けていませんか?
何か、ズレていることに 気が付きませんか?
と心で思いつつ、
よほど声をかけようかとも思いましたが、
よほど声をかけようかとも思いましたが、
先日のある一件が思い返されたこともあり、
結局、
傍観するだけに留まってしまいました。
その一件とは、
夕方の東海道線の電車内の出来事。
大きな荷物を持った旅行者や
通勤通学客でギュウギュウの車内で、
「優先席に子どもを座らせるんじゃないよ!
抱っこして座るか立たせなさい!
子どもは半額しか払ってないんだから」
という
初老?の女性の荒い声がきこえてきました。
若い母親らしい声が
「ナニ自分が座りたいからって!」
と言うと
「当たり前でしょう高齢者なんだから!
優先席のマナーを知らないの!?」
などと押し問答の末、
席を譲られて女性は座ったようでしたが、
それからも
「まったく!マナーも何もわからないんだから! 知らないから教えてあげてるの」
などと小言を続ける女性に、
私の前に立っていた若い男性が
「座れたんだから黙れやババア!」と言うと
「ウルサイよ! マナーが悪いのを
誰かが叱らないとわからないでしょう!」
と…、 女性はおさまらないようでした。
このことを考えると、
見ず知らずの人に声をかけることで
思いがけないトラブルに発展するかも知れない…
というような懸念が生まれました。
…かと思えば。
おなじ電車でのエピソードで
だいぶ前のことですが、
電車内で私がスマホで映画を視聴していた時、
イヤホンジャックにキチンと刺さっていなかったようで音漏れ…というより
音がそのまま周りに聞こえていたことに
全く気付かずにいて、
全く気付かずにいて、
それを同年代くらいの男性が教えて下さって
とても恥ずかしい思いをしつつも
おかげさまで直すことができたことがありました。
降り際にその男性に再度お礼を言ったところ
「えっ、、ああ…」と
あまり気にしていない様子でしたので、
その方にとってはごく普通の、
日頃から当たり前にしていることだったのかも…知れませんが、
私にとっては、
見ず知らずの方が
きっと本当は、
とても言いにくいし
見てみぬふりも出来たところ
見てみぬふりも出来たところ
わざわざ 教えてくださったことが、
とても有り難く 嬉しかったですし、
“イイ人だったな〜” と
今でも 印象に残っています。
大勢の、
それぞれが 違う環境で育って
さまざまな生活をしている人たちの
それぞれの さまざまな価値観が
入り組んでいる世の中で、
どうするのが正解か?? とは、
本当に とてもむずかしくて
何とも、言えないところがありますが…、
夫婦間でも家族間でも、
対人関係全般に通じるのは
相手の立場に立ってみる “思い遣り”
押しつけではない自然な “優しさ” が、
不可欠なものと、
私はあらためて感じました。
金子みすゞさんの
“ みんな違って みんな良い ”
相田みつをさんの
“ セトモノとセトモノと
ぶつかりっこすると すぐこわれちゃう
どっちか やわらかければ大丈夫
やわらかいこころを持ちましょう ”
この2つの言葉がおもい浮かびました。
この2つの言葉がおもい浮かびました。