今回は個人的に感じた野球用品界の危機について書きたいと思います。
最近聞いた話ですが大手メーカーが小売店に頼らない自社販売に力を入れようとしている傾向にあると聞きました。
その傾向として耳にしたのはSNS等でメーカーを批判するような内容を小売店が発信した場合「契約解除」しますという事をメーカーが発信しているようです。
契約解除という事は販路を断つとの事なので断ってもやっていけるよという事なのだと僕は解釈しています。
僕が高校生だった頃(22年前)はトップブランドも値引きして小売店が販売してくれていたため、ある程度購入しやすい価格だったのですが、近年はトップブランドは値引き禁止で小売店で購入しても直営で購入しても金額的には差がない状態です。
しかも今野球用品は無茶苦茶高いとグラブを製造している僕ですら感じます。全体的に物価が高いから多少の値上げは仕方ないとは思いますが、野球界の事を考えたら金銭的理由で野球人口が減っても仕方ないのかな?って思います。
上のグラフは軟式グラブの平均価格ですが1万円近く上がってます。
軟式グラブの値段はピンきりなので安価な物だと人工皮革を使ったグラブなどは4000円前後で、高価なものだと既製品の上位ランクで40000円前後オーダーで50000円以上の物もあるので平均したらこれくらいかな?って思います
硬式だと安価なグラブは2万円台、高価なグラブは既製品は7万円、オーダーでこだわると10万円超えてきます。
ちなみに僕が高校の時に購入したファーストミットは上位ランクの物でしたが定価42000円で値引きしてもらって40000円でした。
今同じランクのファーストミットを買うと値引き禁止なので70000円くらいします。
今回僕が問題視しているのは「野球界」ではなく「野球用品界」なので販売側からの目線の話をします。
値上げも問題ですが、小売店が利益が出ないのが一番の問題だと考えてます。
小売店がユーザーに7万の商品を売って得る利益と、メーカーがユーザーに7万の商品を売って得る利益は当たり前ですがメーカーの方が利益が出ます。
しかもメーカー直売なので在庫を確保している分すぐに手に入るのでユーザーからすればメリットは大きいのではないでしょうか?
そうすると小売店は付加価値(無料の修理や無料の型付けなど)を付けないと売れないので負担は大きくなります。
同業他社に対抗するための企業努力は必要ですが、対メーカーの為に努力するのはどうなのか?と疑問に思います。
近年廃業するスポーツ店が多くありますが、単に野球人口減少だけが問題ではなく、上記も少なからず影響していると考えています。
僕は小売店を通さずに直接販売している理由は何点かあります。
・一人で製造しているためキャパが少ない
・ユーザーの意見を聞きながら制作して納得のいく物を使って欲しい
・出来るだけ安く購入してもらいたいので中間業者を使いたくない
以上の点から直接販売のみにしています。
僕はスポーツ店に行くのが大好きなので毎回ワクワクしながら商品を見ていますし、購入もしています。
スポーツ店が無くなってネット販売でしか野球用品を買えないというような事態だけはならないで欲しいのです。
