タイ・ハネムーン珍道記
~バンコク郊外編(2日目)~
その3・飛行機の墓場
野生のミズオオトカゲが多数生息しているルンピニ公園を後にした取材子夫婦は、バンコク中心部から郊外へと車を走らせた。
目指すは荒地に飛行機の機体の輪切りが雑然と捨てられた「飛行機の墓場」と呼ばれる場所である。
飛行機の墓場は観光地化されていない為、現地の方や詳しいガイドを雇って訪れることをお勧めする。
その場所自体はネットで検索をすれば特定することが出来るのだがガイドを雇う理由は他にある。
なんと飛行機の墓場がある荒地には現地の人が無許可で住みついてしまっているのだ。
穏やかな人達なら問題は無いのだが割と粗目の口調の人達のようなので身を守る上でもガイドを雇う方が安心だろう。
また、外国人観光客に対しては他の観光地よりも割高な見学料を求めてくるのであまりにも高い金額を請求された場合にはタイ語が話せる者が居た方が交渉に応じ易いだろう。
取材子は割高でも見学させてもらえるのであれば気にせず払ってしまうのだが・・・。
それから撮影時にも注意しなければならないことがある。
飛行機の残骸の外観や内観を撮影する分には全く問題は無いのだが、決して住人にレンズを向けてはならない。
彼らは自らの住居(これまた飛行機の機体)や生活している様子を撮られることを必要以上に警戒しているのである。
どうしても撮影したい場合にはバレないようにこっそりと・・・。
さて、飛行機の墓場だが見学料さえ払ってしまえば基本的に何をやっても自由である。
機体に登ろうが、中に入ろうが自由である。
もちろん撮影もフリー。
取材子は全ての機体をカメラに収めたのだが、なかでも印象深かったのは一番大きな機体の操縦席部分である。
普段立ち入ることが出来ない分、細かいところまでじっくりと観察してしまった。
また、同じくらい印象に残っているのは緊急時に使用する酸素マスクが吊り下げられた状態で機内に残っているという奇妙な光景である。
ここに捨てられた機体のほとんどが墜落した機体だったこともあり、これを見た瞬間に鳥肌が立ったことを今でも鮮明に覚えている。
取材子はなんだかんだ1時間近く飛行機の墓場に滞在していた。
とにかく外も中も蒸し風呂のようなので水分補給だけは忘れないようにしよう。