背景:急性胆嚢炎の患者において腹腔鏡下胆嚢摘出術がゴールドスタンダードであるが、重篤な基礎疾患を持ち手術リスクの高い患者では、PT-GBDは非侵襲的な選択肢である。しかしながら、PT-GBDの長期的使用は、チューブの機能不全、疼痛、胆汁漏れ、再入院、再治療、を含む副作用4-51%が問題になる。これらの問題は長期的には患者のQOLだけ

でなく、医療コスト増にもつながる。

EUS-GBDは胆摘のリスクが高い患者においてもう一つの選択肢となりつつある。筆者らはEUS―GBDとPT-GBDの2つの手技の有効性と安全性をメタ解析にて評価した。

 

方法:2017年10月までの文献を調べ、3つのプライマリーアウトカムを含む文献を解析の対象とし、臨床的成功(臨床症状の消失または改善)、手技的成功(ドレナージチューブまたはステントの留置によって胆嚢にアクセスしすぐに胆汁がドレナージされる)、処置後の偶発症、入院期間、計画外の再入院、再治療の必要性、胆嚢炎の再発、胆嚢炎または処置に関連した死亡率を調べた。

 

結果:5つの文献(EUS-GBD 206人、PT-GBD 289人)が採択され解析された。技術的成功および臨床的成功において両群間で有意差を認めなかった。Figure 2, Figure 3


 

 

EUS-GBD群の方がPT-GBD群よりも有意に偶発症が少なかった。Figure 4

 

さらにEUS-GBD群の方がPT-GBD群よりも有意に入院期間が短く、再治療が少なく、計画外の再入院が少なかった。Figure 5

結論:このメタ解析により外科手術適応外の急性胆嚢炎患者においてEUS-GBDの方がPT-GBDよりも偶発症が少なく、入院期間が短く、再治療の必要性が低く、再入院が少なかった。

 

 

背景:膵癌術前のERCPは術後の感染症と関連性があるとされていた。

ERCPは黄疸症状を改善するのと同様に術前化学療法が行えるようにビリルビン値を正常化する目的で施行される。

 

方法:2000年から2011年までの65歳以上の膵頭部癌患者を対象としてSEERのデータを使用した。筆者らは傾向スコアを用いてERCPが膵癌の外科治療を受ける患者の生存に与える影響を評価した。

 

結果:膵頭部癌患者2890人が外科手術を受け、そのうち1864人が術前ERCPを施行され、のこりの1026人が術前ERCPを施行されなかった。 Table 2

 

 

術前ERCPは死亡率を上昇させなかった(HR1.02 95%CI 0.96-1.08)。 Table 3

 

結論;膵頭部癌患者において術前ERCPは死亡率を上昇させないが、どのような患者が術前ERCPから恩恵を得るかさらなる研究が必要である。

 

背景:トファシチニブはJAK(ヤヌスキナーゼ)阻害薬と呼ばれる経口薬であり、中等症から重症の活動性の関節リウマチの治療で承認され、9年以上の使用実績で安全性が報告されている。トファシチニブは中等症から重症の潰瘍性大腸炎(UC)の治療としていくつかの国で承認されている。その有効性と安全性は、8週間の寛解導入のphase 2 試験、phase 3 試験、52週間の寛解維持のphase 3 試験などで報告されている。

筆者らは、偶発症、すなわち、重篤な感染症、帯状疱疹、日和見感染症、悪性疾患(非メラノーマ皮膚癌を除く)、非メラノーマ皮膚癌、心血管イベント、消化管穿孔に焦点を当てた。

 

*JAK阻害薬は、炎症性サイトカインによる細胞内のシグナル伝達に関与するヤヌスキナーゼ(JAK)という酵素を阻害することで、関節リウマチなどの炎症を抑える薬剤。

 

方法:phase 2 試験、phase 3 試験そして非盲検長期投与試験において、プラセボ・トファシチニブ5㎎・トファシチニブ10㎎で治療されたUC患者のデータを集計し、偶発症の発生率(IRs: incident rates:100観察人年あたりの発生件数)を評価した。

Figure 1, Table 1

 

 

結果:寛解導入のコホート(プラセボ282人、トファシチニブ10㎎/2x 938人)、寛解維持のコホート(プラセボ198人、トファシチニブ5㎎/2x 198人、トファシチニブ10㎎/2x 196人)、全体コホート(寛解導入+寛解維持+非盲検長期投与試験 のトファシチニブ 1157人)において患者背景はほぼ同じであった。

Table 2


 

重篤な感染症(Serious infections)について;寛解導入コホートでは、トファシチニブ投与群0.9%に対してプラセボ群0%と前者で発生率が高かった。 Table 3

寛解導入コホートおよび全体コホートでは発生率は同程度であった。 Table 4

 

 

帯状疱疹(Herpes Zoster)について;寛解維持コホートでは、トファシチニブ5㎎/2xでIR2.1(95%CI 0.4-6.0)、トファシチニブ10㎎/2xでIR6.6(95%CI 3.2-12.2)と用量反応関係を認めた。

 

結論:トファシチニブで治療された中等症から重症の潰瘍性大腸炎患者において、帯状疱疹とトファシチニブの用量反応関係を認めた。

 

 

背景:ベドリズマブ(Vedolizumab:VDZ)はクリニカルトライアルでクローン病と潰瘍性大腸炎に有効であることが示されたが、実臨床での安全性の確固とした解析は不足している。さらにどのような患者が治療関連の副作用のリスクが高いかが明らかでない。

 

方法:多施設のデータ(2014年から2017年に生物学的製剤で治療されたIBD患者)を後ろ向きに解析した。

プライマリーアウトカムは抗菌薬が必要な感染症またはVDZの中止・入院・死亡をもたらす感染症の割合である。

セカンダリーアウトカムは重篤な副作用(VDZの中止・入院・死亡をもたらす感染性または非感染性の副作用と定義)の割合である。

 

結果:1087人(CD 650人、UC437人)の患者が対象となった。 Table 1

 

 

感染症は68人の患者に認め、そのうち消化管の感染症が31人と最多で、呼吸器の感染症は14人と2番目に多かった。

関節痛は31人で非感染性の副作用で最多であった。

多変量解析では、喫煙(OR 3.39 95%CI 1.71-6.70)と免疫抑制剤併用(ステロイドまたは免疫調整剤 OR 1.72 95%CI 1.20-2.46)が感染症の独立した危険因子であった。 Table 3

 

VDZ単剤群またはVDZ+免疫調整剤群では感染症および重篤な偶発症の割合は同程度であるが、ステロイドが加わると、すなわちVDZ+ステロイド群、VDZ+免疫調節剤+ステロイド群では、感染症および重篤な偶発症の割合が著明に増加する。 Figure 1

 

 

結論:後ろ向きの解析で、VDZは全体的に好ましい安全性を示した。

VDZと免疫抑制剤の併用、特にVDZ+ステロイド+免疫調節剤は副作用の点から十分に気を付ける必要がある。

 

 

 

 

背景: SONIC試験(The Study of Biologic and Immunomodulator Naive Patients in Crohn's Disease :SONIC) は、免疫調整剤および生物学的製剤を過去に一度も使用されたことがない中等症から重症のクローン病患者を対象として、インフリキシマブ(IFX: infliximab)とアザチオプリン(AZA: azathioprine)、インフリキシマブ+アザチオプリン併用療法を比較したものである。

SONIC試験ではIFX+AZA併用療法の方がIFX単剤療法よりも、治療26週目におけるステロイドフリーの寛解率(CSFR 26: corticosteroid-free remission at week 26)が高いことが示された。

IFX+AZA併用療法の患者ではIFX単剤の患者よりも血清IFX濃度が高く、IFX+AZA併用療法による高い有効性は、AZAとIFXの相乗効果または、IFXの薬物動態にAZAが影響を与えることが推測された。

 

 

方法:SONIC試験の免疫調整剤および生物学的製剤を過去に一度も使用されたことがない中等症から重症のクローン病患者で、治療30週目に血液サンプルがある206人が対象となった(IFX単剤97人、IFX+AZA109人)。

治療26週目におけるステロイドフリーの寛解率(CSFR 26: corticosteroid-free remission at week 26)と粘膜治癒率をIFXの血中濃度のそれぞれの四分位数で計算し、薬物動態反応関係が比較された。

 

*「四分位数(しぶんいすう)」とはデータを小さい順に並び替えたときに、データの数で4等分した時の区切り値。4等分すると3つの区切りの値が得られ、小さいほうから「25パーセンタイル(第一四分位数)」、「50パーセンタイル(中央値)」、「75パーセンタイル(第三四分位数)」と呼ぶ。

 

結果:血清IFXのトラフ値(定常状態最低血中濃度)の中間値についてはIFX+AZA併用群の方がIFX単剤群よりも有意に高かった(3.54μg/ml vs 1.55μg/ml P<0.001)。

IFX血中濃度の第二四分位数以下(Q1, Q2)の患者の構成割合はIFX単剤群がIFX+AZA併用療法群よりも有意に多かった(60.2% vs 39.8%)。 Figure 1

 

 

治療26週目におけるステロイドフリーの寛解率(CSFR 26: corticosteroid-free remission at week 26)については、IFX血中濃度で区分したQ1,Q2,Q3,Q4においてIFX単剤群とIFX+AZA併用療法群で有意差を認めなかった。

さらに、統計学的に有意ではないが、IFX血中濃度の第一四分位数(Q1)以下の患者ではIFX単剤群がIFX+AZA併用療法群の約2倍CSFR26 を達成していた(61.5% vs 33.3% P=0.107) Figure 2

 

 

治療26週目における粘膜治癒率については、IFX単剤群よりもIFX+AZA併用療法群の方が高いが統計学的には有意ではなかった。

Figure 4

 

結論:クローン病患者でIFX血中濃度が同程度であれば、AZA併用療法は必要でない可能性がある。

 

背景:急性大腸憩室炎はよく遭遇する疾患であり、エキスパートは憩室炎患者に大腸内視鏡検査を施行することを推奨しているが、多くの研究で、特に膿瘍・穿孔などの合併症を伴わない憩室炎(uncomplicated)においてそれが疑問視されている。

筆者らは急性大腸憩室炎後の患者における大腸癌の有病率(prevalence)をシステマティックレビューとメタ解析にて評価した。

 

方法:2017年11月までの、憩室炎患者における大腸癌の有病率に関する論文が対象となった。

 

結果:31本の論文の50445人の憩室患者が対象となり、大腸癌の有病率は1.9%(95%CI 1.5-2.3%)であった。合併症を伴う憩室炎(complicated)患者では大腸癌の有病率が7.9%(95%CI 3.9-15.3%)、合併症を伴わない憩室炎(uncomplicated)患者では1.3%(95%CI 0.1-2.0%)であり、合併症を伴う憩室炎(complicated)患者の方が有意に高かった。

Figure 3

 

 

結論;無症状の患者に対するスクリーニングの大腸検査では大腸癌の有病率は0.78% と報告されていることを考慮すると、憩室炎患者における大腸癌の有病率は1.9%と高く、大腸憩室炎のエピソード後には大腸内視鏡検査が検討されるべきである。

 

背景:総胆管結石治療における内視鏡的乳頭括約筋切開術(Endoscopic sphincterotomy: EST)と内視鏡的乳頭バルーン拡張術(Endoscopic papillary balloon dilation: EPBD)のこれまでのいくつかのレビューでは、EPBDは出血のリスクは少ないものの、結石除去率においてESTに劣るとされる。またERCP後膵炎についてはEPBDとESTでは有意な差はないことが示されている。

しかしながら、これまでのメタ解析では、結石の径やバルーン径、バルーンの拡張時間に基づいてEPBDとESTの安全性・有効性を評価していないため、筆者らはそのメタ解析を施行した。

 

方法:2017年までの研究で総胆管結石除去におけるEPBDとESTの安全性・有効性を比較したRCTが対象となった。

 

結果:25本の研究が対象となった。

2004年までの解析ではESTがEPBDよりも有効である傾向があったが、初回の結石除去ではEPBDとESTの有効性は同等であった。2002年以降ESTはEPBDよりも結石除去率で優れていたが、径10㎜以上の大きいバルーンを使用した研究では差を認めなかった。 Table 2

 

ERCP後膵炎の出現についてはEPBDとESTで有意な差を認めなかった。

径10㎜以下のバルーンを使用したEPBDにおいてESTよりも膵炎が多く認められたが、大きなバルーンを使用したEPBDではESTと差を認めなかった。  Figure 9

 

 

出血に関してはEPBDがESTよりも少なかった。

 

結論:結石除去の点ではEPBDはESTに劣ることが示されたが、径10㎜以上のバルーンを用いたEPBDでは膵炎のリスクを増加させることなく、結石除去および機械的砕石器(mechanical lithotripsy)の必要性において同等に有効である。

 

 

背景:約12%の女性で妊娠中に胆石が出現し、妊婦における急性膵炎の約70%で胆石が原因とされる。プロゲステロンの上昇が胆嚢の平滑筋の弛緩をもたらしそれが胆嚢排泄を減少させるという報告や、エストロゲンの上昇が過剰なコレステロールの分泌を介して胆石形成を増加させると報告がある。

妊娠中の急性胆石性膵炎(ABP:acute biliary pancreatitis)は胎児死亡の増加と同様に罹病率・死亡率の増加に関連性があるとされる。

筆者らは、急性胆石性膵炎の妊婦における重症膵炎の発症や早期の再入院について全国データを用いて評価した。

 

方法:2011年から2014年におけるNational Readmission Database(NRD:全米の約50%の人口をカバーしている) からデータが抽出され、ABPで最初に入院した18歳以上の女性が対象となった。

プライマリーアウトカムは、入院中の死亡率、重症膵炎(急性呼吸不全または急性腎不全を伴う、または静脈昇圧剤を要するABPと定義)の出現、30日以内の早期再入院である。

セカンダリーアウトカムは、母子の妊娠に関する回帰である。

多変量解析とプロペンシティーマッチングを用いて妊娠が早期再入院や重症膵炎の臨床的回帰に与える影響を評価した。

 

結果:ABPによる110,199人の女性入院患者のうち7787人(7.6%)が妊婦、102,412人が非妊婦であった。

妊婦の方がABPによる最初の入院から30日以内の再入院率が非妊婦と比較して有意に高かった(16.26% vs 10.69% p<0.001)。

 

30日以内の再入院の原因の大半は膵炎の偶発症(外科的処置、再発性急性膵炎、仮性膵嚢胞)であり、妊婦では57%、非妊婦では52.7%であり、妊娠に関係する症状による再入院は5.3% であった。 Table 2

 

 

妊婦の方が非妊婦と比較してERCP(21.05% vs 25.1% P<0.001)や胆嚢摘出術(52.84% vs 55.19% P=0.022)を施行されるのが有意に少なかった。
プロペンシティースコアマッチング解析では、妊娠が30日以内の再入院のリスク因子(OR 1.96 95%CI:1.67-2.30)であることが示されたが、妊婦と非妊婦では重症膵炎のリスクに差を認めなかった。 Table 3

 


妊婦における多変量解析では、週末入院や入院期間が1週間以上であることが30日以内の再入院のリスク因子であることが示されたが、ERCP(OR 0.40  95%CI:0.27-0.57)や胆嚢摘出術(OR 0.13:0.10-0.18)は再入院のリスクを有意に減少させることが示された。Table 4


結論:胆石性膵炎の妊婦においてERCPや胆嚢摘出術は施行されることがより少ないが、ERCPや胆嚢摘出術は早期の再入院を減少させる。今後の研究で妊婦におけるERCPや胆嚢摘出術のバリアーを調べることが望まれる。
 

コメント:discussion の考察には以下のことが書かれており、なるほどと思った。

妊娠自体が胆石のリスクであり、この論文では急性胆石性膵炎の女性患者の約8%が妊婦であった。妊娠自体が30日以内の再入院を増加させ、非妊婦と比較して再入院のリスクは2倍であった。再入院の原因の大半が仮性膵嚢胞やドレナージ、再発性急性膵炎など膵炎に関係する偶発症が原因であり、妊婦においてERCPや胆摘は施行されるのが少ない傾向にあるが、ERCPや胆摘は再入院のリスクをそれぞれ60%、85% ずつ減少させることが示された。他の研究では、妊婦における保存的加療は胆摘やERCPを施行された妊婦と比較して、救急外来の受診や入院回数の増加につながることが報告されている。

妊婦におけるERCPによる胎児の放射線被爆に関しては、胎児の偶発症や早産、妊婦の死亡率の点で全国平均値と差がないことが最近報告されている。また、妊娠がERCP後膵炎のリスクであることが報告されているが、多くの研究で妊婦のERCP後膵炎は5-16%、一般人のそれは3-10%と報告されており、米国消化器内視鏡学会(ASGEの)のガイドラインでは妊婦のERCPはエキスパートのいる施設で熟練した内視鏡医によって施行されることが推奨されている。

また、最近の文献では母子の予後を悪化させることなく妊娠期間のいかなる時でも腹腔鏡下胆嚢摘出術が安全に施行できることが示されており、米国内視鏡外科学会(AGES)のガイドラインでは適応があれば胆摘は遅らせるべきでないことが推奨されている。

ざっくりいうと、妊婦に対しては胆石膵炎の場合は保存的加療ではなく、ERCPや胆摘を施行した方が母子の予後はいいということか。

 

 

 

 

背景:異時性胃癌(MGC:metachronous gastric cancer) はピロリ菌除菌成功後でも、胃腫瘍の内視鏡切除後の患者において年率0.91%から2.99% で発生すると報告されている。

筆者らは、2つの集団(①腫瘍が発見される少なくとも1年以上前にHP除菌成功した

集団と②最初の治癒的内視鏡切除(ESD)が施行された後にHP除菌成功した集団)における異時性胃癌の発生の違いと最初の治癒的ESD後の腫瘍の性状を調べるために長期間の観察研究を施行した。

 

方法:治癒的ESDの1年前にHP除菌成功した除菌群180人と治癒的ESD後にHP除菌成功したコントロール群602人のデータを前向きに解析した。

プライマリーエンドポイントは、2群における治癒的ESD後の異時性胃癌の発生であり、

異時性胃癌は最初のESDから1年以上経過して別の部位に発生し組織学的に確認された新規病変と定義した。

 

交絡因子を調整するためにプロペンシティースコアマッチングと傾向スコアの逆数を重み付けとした重み付け(IPTW:Inverse-probability score-based weighted methods )を使用した。 

 

結果:胃腫瘍に対して治癒的ESDを受けた3410人のうち、782人が研究の基準を満たし

プロペンシティースコアマッチングで174人の除菌群と174人のコントロール群が対象となった。 Figure 1

 

 

異時性胃癌の累積発生率は、2つの群で同程度であった(除菌群33.9/1000 person-years

コントロール群40.8/1000 person-years, p=0.454)。Figure 2A

また、IPTWを用いて最初のESDの5年未満以前にHP除菌成功した患者を除外しても2群での異時性胃癌の累積発生率は同程度であった。 Figure 2B

 

 

多変量コックス回帰分析を用いると、年齢、分化型、多病変が異時性胃癌の予測因子であった。 Table 3

 

結論:HP除菌が最初のESD前あるいはESD後にかかわらず、最初の治癒的ESDの後も定期的なfollow が必要である。

 

コメント:HP除菌により胃癌の発生が33-47%減少することが報告されているが、今回の研究では一度胃腫瘍ができるとHP除菌をしても累積異時性胃癌の発生は減少しないことが示された。

 

 

 

 

背景:超音波内視鏡ガイド下胆道ドレナージ(EUS-BD:Endoscopic ultrasound-guided biliary drainage)はEUSを用いて経消化管的に胆管を穿刺しドレナージを行う手技である。EUS-BDは悪性胆道閉塞やERCPによる古典的内視鏡的ドレナージができない場合に経皮的胆道ドレナージ(PTBD:Percutaneous biliary drainage)の代替治療である。

PTBDは30%以上のケースで偶発症が起こり、外瘻になることによる苦痛やQOLの低下をもたらす。

胆管十二指腸吻合術(EUS-CDS:EUS-guided choledochoduodenostomy),超音波内視鏡下胆管胃吻合術(EUS-HGS:EUS-guided hepaticogastrostomy)は悪性胆道閉塞のケースで施行される肝外からのアプローチである。EUS-CDSとEUS-HGSの違いはこれまで示されていないが、EUS-CDSの方がより技術的に容易で安全と考えているエキスパートもいる。

最近、内視鏡的吻合術を可能にした新しい通電機能を有するlumen-apposing metal stent(ECE-LAMS) が膵周囲の液体貯留に対するドレナージや胃空調吻合のために使用可能となった。エキスパートの施設による研究では、このECE-LAMS使用によるEUS-CDSでは偶発症の可能性が低く技術的・臨床的な成功率が高いと報告されている。

 

方法:2016年から2017年までフランスの施設において、デリバリーシステムに通電機能がついたECE-LAMS(electrocauteryenhanced lumen-apposing metal stent) であるHot AXIOSステント(ボストンサイエンティフィック社)を用いたEUS-CDSの後ろ向きに解析した。

プライマリーエンドポイントは技術的成功と臨床的成功である。

技術的成功は総胆管と十二指腸球部の間にHot Axios ステントを正しく留置し胆汁の流れを認めることができた場合と定義し、臨床的成功は第7日目に少なくとも50%以上ビリルビンが減少した場合と定義した。

セカンダリーエンドポイントは、短期的合併症(処置から退院まで)と長期的合併症(退院後)、技術的不成功のリスク因子解析、エキスパートと非エキスパート(EUS-CBD 症例20例がカットオフ)の比較、EUS-CDS後の生存率の評価である。

 

結果:52人の患者が対象となり、総胆管径の中央値は17.2mm処置の平均所要時間は10.2分 であった。Table 3

 

 

 

プライマリーエンドポイントついては、技術的成功率は88.5%(52人中46人)、臨床的成功は100%であった。Table 4

 

セカンダリーポイントについては、短期的には2人の患者(3.8%)でEUS-CDS後に中等度の偶発症を認めた。

1人は5日後に胃石によるECE-LAMSの閉塞が原因で胆管炎を生じ、もう1人は2日後にプレカットによる乳頭切開の痕からの出血が生じた。

長期的には7人(13.5%)の患者において退院後に長期の偶発症を認めた。6人には、胆管炎を伴う黄疸の再発であった。残り1人の患者では6週間後にステントの逸脱を認めた。

単変量解析では、胆管径が15㎜以上、6㎜のステント使用、推奨された技術(FNA針やガイドワイヤーを使用しないこと)が技術的成功の予測因子であった。 Table 5

 

 

結論:ECE-LAMSを用いたEUS-CDSは遠位悪性胆道閉塞において有効で安全であり、ERCP不成功例では第一選択肢となり得る。