ちょっと不思議な話をしようと思う。
リョウタには「またその話?」と言われるけどね。
俺はこの話がすごく好きなんだ。
リョウタは4人姉兄妹。
長女と長男と。
次男のリョウタがいて下は次女。
(長女は度々この合掌でも出てくるショウコだ)
ショウコとリョウタはちょうど一回り12歳年が離れている。
その間に長男がいるのだが。
その長男は7歳の時に不幸な事故で亡くなっている。
今年は長男の23回忌。
長男が生きていたら今は29歳だ。
長男が亡くなって10年後にリョウタは生まれた。
だからリョウタは自分の兄を写真でしか知らない。
リョウタが俺に懐いているのも。
もしかしたら自分の兄と俺を重ねているのかもしれない。
リョウタに聞いたことはないので。
これはあくまでも俺の想像だけどね。
子供の頃は夏休みになると。
祖父母の家に親戚がみんな集まって。
海水浴に行ったりBBQをしたりして。
俺もショウコと長男と一緒に遊んだ日のことを思い出す。
南無妙法蓮華経
リョウタが生まれたとき。
お見舞いに行った俺の母親も。
親戚のおばさん達もみんな。
長男の生まれ変わりだと言ったらしいけど。
ショウコはそんなおばさん達に。
「リョウタはリョウタだよ。
何で生まれ変わりなんて言うの?
みんなバっカみたい!」
って言ったと俺は母親から聞いたことがある。
うんまぁショウコならそういうこと言うだろうな。
長男もリョウタもそれぞれ別の個人としてこの世に生を受けたんだと。
俺もすごく納得したんだけどね(笑)
これいい話でしょ?
で。
ここからが不思議な話なんだけどさ。
リョウタが7歳の夏休み。
子供会のイベントで海水浴に出かけたその海で。
リョウタは溺れて気絶して。
浮かんでいるところを海水浴客が発見して助けられた。
溺れて気絶したが。
仰向けで浮かんでいたのが幸いして命は無事助かった。
仰向けで浮かぶのはレアケースなんだそうで。
こうしてリョウタは九死に一生を得たワケだけど。
後日リョウタが語った話に家族・親戚一同全員号泣した。
「浮き輪で浮かんでいたとき波がきて、
そのまま海に沈んじゃったけど、
お兄ちゃんが僕の顔をずっと持ち上げてくれてたから大丈夫だったよ。」
リョウタの兄・長男は7歳の時に水難事故で亡くなっている。
俺は幽霊なんてコワイし信じないけど。
でもこういうこともあるんだろうなとは思う。
23回忌にこの話を思い出したのも。
見えないチカラが働いたのかもしれない。
合掌