水曜日に和歌に関するお話を致しました。
今週はもうひとつ和歌のお話をしましょう。


「何で?」と言われると特に意味はございませんのですが…。笑

なんか並べたいなとね?笑



さて和歌といえば百人一首。
その中に崇徳院(すとくいん)という方の和歌があります。


百人一首に出てくる和歌ですので、ひょっとしたら聞き覚えのある方もおられるかもしれませんね♫

本日は純愛な展開のお話。

奥ゆかしい恋模様。
当時の方はきっと今の恋愛ドラマを見るような気持ちでこういった話も楽しんでたのかもしれません。


〜ストーリー〜


恋わずらいで寝込んでしまった商家の若旦那。

その商家へ長年出入りするくまさんこと熊五郎🐻


大旦那に若旦那の話を聞いてやってくれと頼まれました。



くまさんが若旦那に話を聞くと、たまたま茶屋で見かけたどこか良い家柄と見える若い娘さんに一目惚れしたが、名前も住んでるところもわからない。



「う〜ん、何もわからん?

それじゃ探しようがありませんからねぇ。

何か手がかりの1つでも無いんでっか?」😓



若旦那が娘に見惚れていると、その娘が立ち去る際に落とし物をします。

それに気付いた若旦那が娘を追いかけ、その落とし物を渡しました。





「まぁ…これはご丁寧にありがとうございます。」



そう言って思わず目と目が合う2人。


その時ポッと頬を紅くしたこの娘さん。

サラサラっと短冊に和歌の一文を書いて若旦那にわたします。



「瀬をはやみ・岩にせかるる・滝川の」



と書かれています。

これをもらった若旦那はこの和歌を知っていました。



「割れても末に・あわんとぞ思ふ」だ!💡」



勢いを増し、岩に当たって二手に分かれる川の流れ。

これがやがてまた合流するように、今は別れ別れになるあなたともまたお逢いしたいと思っています


…という意味です。


そのまま娘さんは行ってしまいましたが、もう若旦那はこの娘さんのことが頭から離れない。



大旦那の元へと戻ったくまさん。



「もし3日のうちに探し当てたら一生食うに困らん褒美をやる❗️

頼むぞ、くまはん!」



というわけで、その和歌を頼りにその娘さんを探すことになりました。


くまさんは街中を探して歩き回ります。




「はぁ〜…ただいま…。

はぁ、疲れた」


「あら、おかえり♫

お目当ての娘さんは見つかったん?」


「いや〜…そんなもんなかなか見つかるもんやないで。

今日もあかんかったわ」


「『あかんかったわ』やないやないの!

見つけたらこれから食うに困らん褒美が待ってるんやで❗️

あんたどうやって探してんの?」


「どうやってって…。

あっち歩いたり、こっち歩いたり…街中を歩き回るしかないやろ」


「黙って2日間歩き回ってただけ⁉️

アホ❗️

歩いてるだけで見つかるかい‼️ムキー

なんか手掛かりとか無いんかいな?」


「それやったらなんや『瀬をはやみ〜』とかいう和歌を送られたんやそうやで」


「ほんならそれ大声で張り上げながら街中聞いて回ってこんかいな❗️

ちゃんと人の出入りが多い、床屋とか風呂屋とかそんなとこ回っといで‼️」


「わ、わかったわかった。

明日はそうするって」


「ホンマにわかってんのかいな…。

あんたこんな出世できる機会なんか一生に一回あるかどうかやねんから、これ逃したら私故郷の親元のとこへ暇もらうで‼️」ムキー



呆れた奥さんに叱られるくまさん。



さぁ最後の日。

町の床屋に入って



「瀬をはやみ〜っ‼️」


「うわっ❗️な、なんやなんや⁉️

今、ハサミ使ってるんやから危ないで❗️」ガーン


「すんまへん…」滝汗



また別の床屋へ行っては



「…瀬をー‼️」


「わーっ‼️ガーン

何や急に!

ビックリするやないかい‼️

喉もとカミソリで切ってまうで⁉️」ムキー


「すんません…」チーン



次々と床屋へ行っては

「瀬をはやみー」を叫んで驚かせていくくまさん💇🏻‍♂️


また別のところへ入ってヒゲを剃ってもらっては



「瀬をはやみー‼️」えーん


「瀬をはやみー❗️」


「瀬を〜…!」



何十軒まわるうちに頭は丸坊主。

ヒゲもすっかり無くなったくまさん👨🏼‍🦲✨


そしてある一軒の床屋。



「す、すんまへん…頼んます〜」


「へーい、いらっしゃ…うわっ!

アンタさっきも来た人やな。

頼むって…頭もつるつるやし髭も無いやないか」滝汗


「へ、へぇ…そうなんでやす。

何やったら植えてもらいたいくらいで…」チーン


「無茶なこと言いなはんな」😓



すっかりヘロヘロになって床屋の主人と話すところへ1人。

職人風の男が入ってきました。



「おやっさん、ちょっと急ぎで頼む!」



と入ってきた1人の職人。



「おお、随分急いでるんやな。

なんぞあったんか?」


「実は出入りの店の娘が恋わずらいで寝込んでしもてな。

なんだか『瀬をはやみ〜』とかいう和歌の一文を渡した若旦那に惚れたらしい。

その店の旦那が相手の若旦那を探してこい!って店の男が日本中探して回るハメになったんや」



それを聞いたくまさん…‼️



「…ポーン


…ふ、ふふふ…チーン

…へへ、へっへぇっへへ…ニヒヒ


見"ぅげぇだぁあ"ーーっ‼️」ゲッソリ💢



職人に掴みかかるくまさん。



う"わーっ❗️

なっ、なんやお前は⁉️」ガーン


「その娘に用事があるから、うちに来い‼️」ムキー



驚く職人も話を聞いて



「何っ⁉️あんたのとこの⁉️

それならあんたのとこが先に来い‼️」


「やかましい!ムキー

この恨みはらさでおくべきか…‼️』


「人を仇みたいに言いやがって…‼️」ムキー



2人が揉み合ううちに床屋の鏡が落ちて割れてしまいます。



「あっ❗️商売道具割りやがって!

どうしてくれるんや⁉️」ムキー



怒る店主にくまさん



「心配するな。

割れても末に 買わんとぞ思ふ


〜終〜

さて、いかがでしたか?(^^)


目が合うだけで惚れてしまうというのは今あるのでしょうかね???笑

その時代時代の恋愛のやり方があるというのも面白いです♫



さてお話のタイトルであります『崇徳院』という方は、平安時代末期の人物で権力争いに敗れて非業の死を遂げた崇徳天皇のことです。

なんと日本三大怨霊の1人という恐ろしい意味で歴史に残っておられる方ですが、生前にはこんな純愛の和歌を残すロマンチストな方だったんだなぁと感心するのと同時に人間どこでどうなるかわからんもんだなぁと思います。



このお話の主人公もひょんなことからこうしたドタバタに巻き込まれたわけですが、実際に恋愛してる2人とは全く動かないという…!



和歌が紡いだ純愛の物語✨


…に巻き込まれるくまさんのお話。笑

「崇徳院」でした♫


ではまた(^^)