医者というのはいろんな分野があります。
内科・外科はもちろん胃腸科やら循環器科、整形外科に神経科に泌尿器科に肛門科と身体のあらゆる分野に専門医がいます👨🏻⚕️
どのお医者さんも勉学に優れた方で、医師になるだけでも大したものだなぁと思いますが、江戸時代まではなかなかそう偉い人ばかりとも限りません。
当時は「明日からオレは医者になる‼️」と言ったらなれてしまう時代です。
実際の腕と信頼度は別として😱
現代では一般の人にも多少の知識なら調べやすい時代ですが、今回は恐らくそうじゃない時代の人のある意味自由すぎる発想で考えられたのかなというお話💡笑
〜ストーリー〜
ある田舎の方から大阪に出てきた医者・山井羊仙（やまいようせん）
とにかく甘いものが大好物で、大阪に出たのを機に名前を甘井羊羹（あまいようかん）と改めました。
大阪でしばらく過ごした頃、知り合った町内の医者が訪ねてきて話をしていました。
「そうかそうか。
大阪へ出てきたばかりやといろいろと困ることもあるやろ。
その時は遠慮なしにな。」
「ありがとうございます。
せっかくなので今日は家族も紹介しときましょうか。
これが妻のさと（砂糖）、これが倅の甘蔵、あとうちを出ましたが娘におみつがおります。」
「みんな甘そうな名前なんやなぁ。
娘さんはどこ行ったんや？」
「今は尼崎の尼寺におりましてな。」
「ほう。尼さんに？
まだ修行中かいな？」
「いえ、庵持ち（あん餅）でございます。」
「お蜜さんがアマ（尼崎）のアマ寺であんもちか。
甘いもんづくしで茶が飲みたなるな🍵
ハッハッハ。」
そんな話をしているとガラッと開けて入ってきたのは顔面蒼白な男。
同じ町内の喜六（キロク）です。
「せ、先生…ちょっと診てもらえまへんか…？」
「何や何や？
随分と顔色が悪う見えますが…」
「む、胸がムカついて仕方あらへんのや。
腹も痛くなってきて、こらもう我慢できんと思って…」
「まぁまぁ、とにかくそこへ横になりなさい。」
仰向けになった喜六を診察し始めた羊羹先生。
お腹をさすってみたり、押してみたり、つまんでみたり。
「ふ〜む…こりゃいかん。
五臓六腑がめちゃくちゃやで。
何でこんなになるまで放っておいたんや？」
「うぅ…何とかしてくれ先生…。
わしはまだ死にたくない…」
「わかったわかった。
泣かんでええ。
しかしさすがにこのままでは治すことができん。
いっぺんハラワタを全部取り出して、ゆっくりと治さんとあかんな。」
「ぜ、全部取り出してって…どうやって？」
「この薬を飲め」
羊羹先生が出した薬を飲むと喜六が内臓を吐き出します🤮
「うぇ〜…全部出てしもたけど、わて体の中何にも無くなって大丈夫なんでっか？」
「大丈夫や。
とりあえず綿を詰めとくからな。」
「わた？？？ホンマかいな…。
あ、これがホンマのハラワタ？」
「しょうもないことは言わんでええ。
…ほら、詰め終わったで。」
「ん？…おっ、ホンマや。
お腹の中が軽なって、痛みも止まりましたわ！」
「せやろ？
この汚くなったハラワタは全部キレイに治しとくから、また明日来なさい。」
「先生、これ…今わたいの腹の中には綿詰まってますけど、メシを食うたり酒飲んだりしてもよろしいんでっか？」
「ああ、別にかまへんで。
メシは綿の上に溜まるだけやし、酒なんか綿へ染み込むだけやからな。
どうせ明日また全部出してまうよってな。」
「あ、さいですか。
いや〜ホンマに助かりましたわ！
ほな明日よろしく頼んどきます。
おおきに、ありがとさんで！」
大喜びの喜六。
長屋へ帰って友達のセイハチを誘って飲みに行きました。
すっかり調子の良くなった喜六は食うわ飲むわ。
酒もどんどん進んですっかり満足しました。
「いや〜よく食うたわ。
こんなに美味い酒を飲んだのは久しぶりやったなぁ✨
甘井先生様様や。
ふ〜、腹ごなしにタバコでも吸うかな」
タバコに火を付けてスゥ〜っと吸います。
ハァ〜と煙を吐き出そうとすると、なんとボォーッと火を吐き出しました🔥
ビックリしたのは向かいに座っていたセイハチさん。
「うわーっ‼️🔥
🔥かっ、火事っ❗️火事やーっ‼️」
店の中にいた他の客連中もビックリして
「火事⁉️火事はどこや⁉️」
「胸（むね＝棟）が焼けた」
〜終〜
さて、いかがでしたか？
小噺っぽいお話ですねぇ。
紹介しておいて何なのですが、なんかいろいろ不思議な話です。笑
最初の甘いのくだりは果たして必要なのかという…！
オチにも全く関係ないし。笑
恐らく『胸やけ』という１点のみから膨らませて膨らませて考えたのかなぁというのは僕の勝手な想像です💡
今週末からはゴールデンウィークになりますが、皆様食べ過ぎ、飲み過ぎにはお気をつけて♫
ではまた(^^)