8月15日は終戦記念日です。

1945年に第二次世界大戦、日本の歴史で言えば太平洋戦争が終わって78年が経ちました。


1945年の3月10日東京大空襲。

日本が本土を攻撃されたわけですが、まだ本土での白兵戦のような戦闘は始まっていません。

しかし日本政府はいよいよ本土決戦も視野に入れて、日本国民総玉砕も辞さない構えも見せ始めます。

ただ、政府はこの本土決戦は極力避けようとはしていたようです。
当然といえば当然ですが…。


その本土決戦まで少しでも時間を稼ぎたい。


その舞台に選ばれたのが沖縄でした。


いろんな見方があるかとは思いますが、ハッキリ言って捨て駒にされたということです。

同年3月に沖縄上陸。そして開戦。
島唄の歌詞にもある通り、デイゴの花が咲く頃に嵐のような激しい攻撃が始まりました。


デイゴの花




3月に開戦した沖縄戦はデイゴの花の散る6月まで続きます。

アメリカ兵の戦死者は約12,500人
本土からの日本兵戦死者は約66,000人。
沖縄出身の軍人の死者は28,000人。
そして沖縄の民間人の犠牲者は94,000人。


その2ヶ月後には広島・長崎に原爆の投下。
そして日本は敗戦。

沖縄はその後27年間、1972年に沖縄返還されるまでアメリカに統治されます。


そのさらに20年後。
1992年に発表された島唄は翌年にシングルリリースされました。


THE BOOMのボーカル・宮沢和史
(⚠️ちなみにTHE BOOMのメンバーはドラムの方以外は山梨県出身です🍇

沖縄で出会ったお婆さんに戦争の話を聞き、感銘を受けてこの曲を書いたんだそうです。

当時沖縄ブームもあって、CDは150万枚を売り上げる大ヒット✨

しかし沖縄では


どうしてヤマト(本土)の人間が沖縄の歌を歌うんだ?

沖縄の音楽を真似しやがって


という、時には誹謗中傷を含めた痛烈な批判が起こります。
(正直ここには書けないような内容もある)

全く受け入れられませんでした💦

しかし沖縄出身のバンドBEGINのメンバーに激励され、この曲を歌い続けます。


魂までコピーすれば真似じゃない


そう思いながらも歌い続けますが、やはり批判は簡単に治まりません。

しかし大きな氷塊が少しずつ解けるように、長年歌い続けることで少しずつこの楽曲は沖縄でも受け入れられるようになり、とうとう沖縄の出版社が発行した沖縄の歌を集めた本にも掲載されるまでになります。
(これは本当に凄いことだと思う✨)

発売当時、バブル景気に浮かれた日本では反戦の歌をそのまま歌ってもあまり聞いてもらえないだろうということから、幼馴染との恋物語のような構成にしたんだそうです☝️



曲中の「ウージの森で…」の部分ではあえて琉球音階も使わず、三線も弾かれていません。
(琉球音階=レとラが無い)

ウージの森はサトウキビ畑のことです。
そして『ウージの下』というのは防空壕を表しています。

『千代にさよなら』

これは自決を迫られた人々のこと。

戦争によってその2人が永遠の別れを、それも日本政府から命じられる形で自決を迫られたという現実に対して宮沢和史さん自身が思うところがあったと。

宮沢さん自身はこの島唄に込めた思いについてはあまり多くは語ってきませんでした。
(インタビューなどで部分的には話していますが)

去年出版された本でその内容を話しておられます。


もともとはそのたった1人のお婆さんのために作った楽曲。

しかしただの『沖縄の歌』ではない。
そこには宮沢和史さんのみならず、数多くの人々の歴史が映されています。

この『島唄』という楽曲自体の歴史を知ると、正しい行いに対して信念を持ってやり続けることの大切さを教えられます。

『このまま永遠に夕凪を』という歌詞には平和に対する全ての願いや気持ちが入っていると個人的には感じます。

美しいメロディに込められた想いを感じながら、ぜひ聴いてみてください♫








島唄


歌:THE BOOM

作詞:宮沢和史

作曲:宮沢和史


でいごの花が咲き風を呼び嵐が来た

でいごが咲き乱れ風を呼び嵐が来た
くり返す悲しみは島渡る波のよう


ウージの森であなたと出会い
ウージの下で千代にさよなら

島唄よ風に乗り 鳥とともに海を渡れ
島唄よ風に乗り 届けておくれ私の涙

でいごの花も散りさざ波がゆれるだけ
ささやかな幸せはうたかたの波の花


ウージの森で歌った友よ
ウージの下で八千代の別れ

島唄よ風に乗り 鳥とともに海を渡れ
島唄よ風に乗り 届けておくれ私の愛を

海よ宇宙よ神よ命よ

このまま永遠に夕凪を


島唄よ風に乗り 鳥とともに海を渡れ
島唄よ風に乗り 届けておくれ私の涙

島唄よ風に乗り 鳥とともに海を渡れ
島唄よ風に乗り 届けておくれ私の愛を



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