どんなものにでも「縁」というものがあります✨
出雲にいる神様がその縁を結んでるそうです。
ところが神様の中にもたまにはちょっとズボラな神様もいるらしく…
お供物の御神酒なんてちょっと飲み過ぎたり…🍶
それで結んだのに解けてしまって離縁になったり、1つ余ったのがあればパッと「これで結んじゃえばいいか〜」なんて3つ一緒に結んでしまい、それが三角関係になるんだなんてことを噺家さんが話してました△笑
まぁとかく何にでも縁というものはありますが、1番深い縁というのに夫婦の縁です。
しかしその夫婦も千差万別❗️
お互いに相思相愛なところもあれば、表向きは仲はいいけど…な夫婦、逆にずーっとケンカしてる割には四六時中一緒にいるなんという不思議な夫婦もいます🤔
今日はそんな変わった夫婦の中から、ちょっと人騒がせな夫婦のお話を紹介します(^^)
〜ストーリー〜
「兄さん!ちょっと助けてくださいよ!」
そう言って妹が駆け込んできました。
「なんだ、またケンカか?
ホンットにオマエのとこはいつもケンカだなぁ」
「いや、違うんですよ。
実は大変なことになっちゃって!
今日こそは本当に血を見るかも…!」
さて、この妹の主人というのは本当の兄弟ではなく、兄弟分の付き合いです。
それでこの女性が「兄さん!」なんて呼んでるわけですが、この弟分が凄まじいヤキモチ焼き🔥
家主に軽く挨拶と世間話をしただけで「おめぇ大家と怪しいな」と言い出すほどの性格。
なので些細なことでもケンカが絶えません。
その度にこの妹さんが兄さんに相談しに来るのでした。
「なんだぁ?
血を見るとは穏やかじゃねぇなぁ」
聞くと、そんな主人が「今日は遅くなるから先に寝てなよ」と言って用事に出た。
そのすぐ後、若い衆の1人シンさんが主人を訪ねてきたが不在なのでそのまま軽く世間話をしていたらポツポツと雨が降ってきました☔️
とりあえず雨宿りにとシンさんを家の中に入れ、雨が入らないように戸を閉めた。
そんなところへそのヤキモチ焼きの主人が酔っ払って帰ってきたからさぁ大変‼️😱
雨のために戸を閉めたのにこれでは浮気現場です😰
見つかったら若い衆のシンさんがどんな目に遭うかわかりません。
とりあえず妹さんはシンさんを押し入れに。
…するとこれまた悪いことにその押し入れの前に主人が座って酒を飲み出して全然寝ようとしない!🍶
「お酒を買ってくるから」と言ってここへ来た…という事情。
「しょうがねぇなぁ、全く…。
そういうことはもうちょいと先のことを考えてからやれよ!
考えずにやるから他に何かあった時に困るんじゃねぇか。
そういうのを女心のアカサカ(浅はか)ってんだ」😤
「そんなこと言ったって急だったんだから…」
わかったわかったと妹を先に帰らせる兄さん。
自分のところもケンカするほどなんとやら〜な夫婦。
「おーい、ちょっとその押し入れから風呂敷出したくれ。」
「風呂敷なんて何するのさ?」
「いいから出してくれっての。
これから出てくるんだから!」
「こんな時間に?
どこ行くの?…ねぇ。どこ行くのって?
ねぇ、聞いてるんじゃないのさ。
ちょっと。
…どこ行くのーっ⁉️」
「わーっ!😵
船でも見送ってんのか、てめぇは⁉️
いいから、早く風呂敷!」
「うるさいねぇ、もう。
ちょっと待ちなよ…なんだぃ、全く。
そんなに大事なもんならあんなに奥にしまうんじゃないよ!
ほら!」
「わぷっ!😫
なんでここにいるのに頭に放り投げるんだよ!
全く…」
女房からやいやい言われながらも風呂敷を持って妹の家へ向かいました💨
「おうっ、いるかい?」
「おっ?なんだい、兄弟じゃねぇか。
いや〜今日は○△×の□※ら?」
「何言ってっかわかんねぇな…。
なんだ、えらく酔ってるんだな」
「聞いてくれよ兄貴ぃ。
今日思ったより早く仕事が終わって帰ってきたらさぁ〜。
ウチのカカァが『アンタもう帰ったのかい⁉️』なんて目を見開いて言ってさぁ。
亭主が家に帰っちゃいけねぇのか⁉️って言ってたら『そんなことはないけどもさぁ。それじゃあんまり早いからもう寝なさい』なんて訳のわからねぇことを言うんだよ。
そんな若い夫婦じゃあるまいしさぁ。
早くに帰っても寝れないってんだよ。
そしたら「いいじゃないか…。私が寝ようって言ってんだから、もう寝ようよぉ」なんて言われたってさぁ…。
若い頃なら『はいはいはいはい!』って布団に飛び込んだよ?
でも今あんな日焼けた顔の油ぎったテカテカの髪で言われてもさぁ…なぜそう亭主を脅かすんだって言ってたんだよ」
「オマエが脅かされてんのか」
「そうなんだよ、全く…。
で、兄貴は何しに来たの?」
「おお、まぁ近くに来たからちょっと寄っただけなんだけどよ。
この辺の知り合いのうちで揉め事があったから、オレが収めてきた帰りだ」
「揉め事ってなんだ?」
「いや実は友達の女にやきもち焼きの亭主がいてよぉ。
そこのかみさんがその亭主が送り出した後に若い衆が訪ねてきて、世間話してるうちに雨が降ってきたから家の中へ入れて、雨が入らないように戸を閉めたんだと。
そしたらそこへその亭主が帰ってきた!」
「まずいとこへ帰ってきたじゃねぇか」
「で、慌ててその若い衆を押し入れに隠したらしいんだが、その押し入れの前で亭主があぐらかいて寝ないんだと」
「どこのヤツだか知らねぇが、面倒なやろうだねぇ」
「そうなんだよ。
で、それをうまく収めてきたってわけだ」
「そ、そういうのはどうやって収めてきたんだ?」
「しょうがねぇな。じゃ教えてやるよ。
おっ、ちょうどこの家と同じような間取りだ。
オマエがその亭主だとするだろ?
いや、例えばだよ。
この風呂敷をこうやって頭からまず被せたんだよ。
え?いや、こういうのは実際にやった方がわかりやすいんだって❗️
こう被せてから端っこねじって外見えなくして…
え?痛い?
おお、そいつもそう言ってたよ
外見えるか?見えない?
本っ当に見えないな???
で、見えないようにしといて、ガラッと押し入れを開けたんだよ❗️
そしたらさぁ…」
(´・Д・)! Σ(゚д゚lll)
「…いるんだよ、そいつがガタガタ震えながらさぁ!😁
でね、オレが『…早く出ろよ』って言ってやったんだよ!
『忘れものすんなよー!』とか『履き物間違えんなー!』って言ってやってね、ハハハ!
お、おう、忘れ物は無いらしいんだ。
それから…あ〜…『そんなとこでいつまでも頭下げてんじゃねぇ‼️💢』とか何とか言ってだな!
で、その野郎が出ていってから、ゆっくりこの風呂敷を取ってやったってわけだ❗️」✨
「なるほど〜っ!うまく逃したなぁ❗️」
〜終〜
さていかがでしたか?(^^)
改めてこの話を考えてみると、この主人公がおかみさんに風呂敷をバサッと被せられるのがキッカケで思いついたのか、それともその前から思いついていたのかどうなんでしょう?
江戸っ子が出る話はやっぱり古今亭志ん朝師匠が面白いです。
亡くなってもう随分経ちますが、あの人くらい江戸弁が上手く話せる人はなかなか現れませんねぇ。
あ、もし皆さんのご友人が押し入れに閉じ込められた時はぜひお試しあれ✨笑
こういう機転の利く、回転の早い頭が欲しいですねぇ💡
芸能人の方なんかもこういうお知り合いがいたら不倫もバレなかっ…ゴホンゴホン!
「風呂敷」というお話でした。
ではまた(^^)