誰かのためにやってたことじゃない

  すべて自分のためにやっていたこと

  それを誰かに何か言われることはおかしくて

  それを誰かに強制されることはおかしくて

  だから私はいやなものがたくさんあった

  でも自分が好きなことだったから

  でも自分が選んできたものだから

  だから頑張ってきた

  だからここまでこれた

  

  でもここまできたら逆にもっと言われるようになって

  でもここまできたものが私の足元を支えてくれてて

  嫌だった

  本当はすべてを投げ出したかった

  でも皆の期待、応援、ねたみ、諦めが私の鎖となって

  逃げ出せなかった

  

  それでも良かった

  ぐらぐらだったけど足元が支えてくれた

  バランスを保ってた

  大好きなものが大好きだと思えてた

  周りは嫌でも中心の大好きなものが光っていた

  

  なのに私は今投げ出そうとしている

  足元が崩れた

  言葉という武器が私の大好きなものを砕いてしまった

  言葉が胸を貫く

  体から力が抜ける

  今まで縛っていた鎖が年月とともに砕けていく

  体が無意識に逃げる

  足元なんて見えなかった

  目が見えない

  暗闇を走る

  

  すべて自分のせいだと分かる

  私は甘いから

  私はぬるいから

  私はきっと

  武器を使った子を許すだろう

  いや、もう許している

  彼女は悪くないと分かっている

  でも武器が胸に刺さっているから

  

  その子を許しているのに

  しょうがないと許しているのに

  私は許しているというのに

  

  胸に刺さった武器は抜けなくて

  使ったことを許しているはずなのに

  何故だろう

 

  その武器を使った子を責めてしまう


  なぜならきっとそれは

  私は

  私の

  私を

  私が大好きだった

  あの中心で光っていたあれを

  

  嫌いになってしまったから


  彼女のせいで嫌いになったと

  彼女が武器を使わなければと

  

  思ってしまうからなんだろう


  一度崩れたものはもう

  一度壊したものはもう

  一度嫌いになったあの


  中心で光り輝いていたあれは


  二度と私の瞳には光り輝いて映ってはくれないのだろう


  と思ってしまうから