黒い女①から1年後の夏ごろ。

その時僕はドイツで仕事をしていて、旧市街のクラシック調の社宅に住んでいた。

その日も仕事は休みで例に漏れず部屋の掃除をしていた。

ドイツの夏は日本と比べて湿気も気温も低く日本の春の様な感じだった。

 

掃除を終え特にやることもなくベッドに寝転がっていると急な眠気に襲われそのまま深い眠りへと落ちていった。

そして見覚えのあるあの夢を見た。

またしても定点カメラの様な映像を見せられる。

 

「この夢前にどこかで?」と思ったが自分の意思ではどうすることも出来ず自分が寝ている映像をただひたすら見せられていた。

そして気づくとまたあの女が立っていた。

ここからは一年前と同様にゆっくりと僕に近づき、急に映像から僕の目線へと切り替わった。

そしてまた自分の意思とは無関係に目線がゆっくりと女の方へ向かっていく。

 

「これはマジでヤバイ」

そう思ったとき女がすごいスピードでしゃがみ込み僕の耳元に顔を近づけて唇を動かした。

男とも女とも取れないくぐもった声でものすごい速さで何かを囁いた。

何とも言い難い体が裏返るようなそんな得も言われない気持ち悪さだった。

 

その時はっと目が覚めたような気がして無意識に右手を振り上げた。

「ふぅ、夢か…」

そう呟いた瞬間、耳元で

「#$)&".djpas:]dhka\al@sd」

とあの気持ち悪い囁きが聞こえた。

 

「うわあぁぁ!」

余りの出来事にパニックになりベッドから転げ落ちた。

そこではっきりと目が覚めたのだ。

全身は汗でびっしょり、鳥肌がしばらく止まらなかった。

 

おぼつかない足取りで椅子に座り張り裂けそうな心臓の鼓動をなんとか鎮めようと必死だった。

「あの夢だ」

僕は1年前の夢をはっきりと思い出し、僕に囁いた女があの「黒い女」であると確信した。

 

それにあの囁き、1回目は夢の中だった。ただ2回目は未だにどっちだったのか分からない。

ただ僕としてはあれは現実世界で囁かれたと思っている。あの耳の残り方は夢では到底あり得ないと考えるからだ。

あの囁きは何か呪詛めいたものを感じる。意味が分からないだけ幸運なのかもしれない。

意味を知ってしまったら正気でいられないと思うから。

 

これを書いて思ったのだがネットで有名な怪談「猿夢」に似ているなと思った。

あの話も二回目までは逃げ切れた。でもその次は…

あれから約8年経つがあの女は見ていない。

 

いかがでしたでしょうか?上記にも書いた通りこの夢は「猿夢」に似ているなと思いました。

ただ夢とはいえこれは僕が実際に体験した話です。

これが一体何のかいまでも僕はわかりません。

何かわかる人がいればコメントに書いていただけるとありがたいです。

 

今回はこれにて。