おやじ達の「あの頃」２

戦後８０年まで近し、の今あの戦争は？日本は連合国に仕掛けられて開戦とか日本は悪くないとか、ある意味真実探求もし、状況に言い訳もし、かつての参戦国体の名誉挽回するような論理も、自由に述べられている。概ねに於いては、否定もしないし、実際、敗戦の結果、アジア開放と言う成果偉業も果たせて、大戦回避の時代へ推移させ、世界に平和意識を蒔いた。ただ日本が恐れていた、共産勢力だけは削ぐ事は果たせなかった。それもこれも、７０年も過ぎて、考えられる事、見直しされる事、和号にして、昭和、平成を超えて令和で、初めて深堀の雰囲気が出来た感じなのだが、それはそれで、令和の冷静な眼で読み解かれて行く事は、古来日本から未来日本の貫きから良き事。例え日本の落ち度が炙り出されても、シッカリ受けて未来に活かすのが、日本の神々の啓示でも有る。私は私で、古来伝統歴史から許し難きの一点を持っている。それはこの文の最初、おやじ達の「あの頃」を作ってしまった、を。日本の汚点とす。自分にとっては戦争や敗戦が汚点ではなくて、「あの頃」が汚点で残っているのだ。
さて、あの頃は、いつ始まったのか？まだ自分の中で、確定はしていないが、日露戦争の勝利後、賠償金を得られなかった事からの大きな政府不信。大不景気世情から、日帝軍の国民感情の代弁で扇動、つまり明治末期からだ。そのベースの成った経済状況、生活状況の窮地、はズバリ、抜け出せない蟻地獄不景気と貧困窮。だがこれは、アメリカを除いた世界不況で、日本に限った事ではなく主原因は、第一次大戦不況、ただ不幸にも日本では、日本事情が絡む日露の勝戦が空手形に終わった事、後の関東大震災で益々の窮地。ここに蜂起させてしまったのが、軍国ファシズム。政治での憤りを帝国軍力で打開しようと、ある意味必然で頭角を出した。
ファシズムと言う言葉は、その後の言葉と思うが、元の元を言えば、結束して困難に立ち向かう結束主義で素性の悪さは無いものだ。思う所、ファシズムの定義も定だからずで解晰には成らない、が、ここへの陥りは、共産主義にも有るし、帝国主義にも、ナショナリズムでも、保守でも、改革にも、現代に於いての、差別主義にも、苛めにも、逆の博愛主義や平和主義にも、困窮、貧困、窮地、と言う流水を背にして陥るのがファシズムとなる。つまりはファシズムの心は一人一人の人間が心の片隅に持っている妖怪変化の心なのだ。第二大戦のドイツを一つ擁護すれば、「ヨーロッパ各国の不況のツケ」をドイツ一国に背負わせた事。この苦しさに統治拡大に走った。日本も、同じく拡大で、打開の答えを得ようとした。でも歴史上、拡大路線はいつも崩壊して、現在の国々が有る事を忘れて走る。その一方では植民地拡大も、必ずしも利を齎せてくれない事を解らせ知らしめた時代でもあった。そうこうしている内に、アメリカ発の大不況で、増々の軍事の打開を走らせる。

経緯を並べれば、苦境、貧困は人々のファシズムを目覚めさせる、その結果、、。ともなれば、戦争に誰、彼が悪いと一概には言えぬ、になるのだが、ただ大歴史国、日本に於いては、ファシズムと言う脱線にも起動戻しに働かなかった事を残念に思うし、国家大事名目で国民に矢を向け、負担を強い、破綻を齎し、果てに天皇傀儡の目論み、昭和天皇に恫喝の雰囲気を与えた事は、日本国大事と言うに反する矛盾な愛国であって歴史反逆だ。同時に国民には恐怖政治を強いた、統制、大本営命令、改ざん、捏造情報の発信は、罪重しに思っている。

戦後に於いて、戦争原因もタブーで民主主義日本で新生して、令和になって実は開戦は日本のせいではない。そんな歴史検証も否定しない、だから反戦も否定しない、でも「大御宝」日本の根底を破壊するようなファシズムの者達を置いておいて、先に進む、は進むにあらず。ここをキチンと検証しなければならない。何故、と言って、それは明治の軍人は、勝ちながらも戦死者を多く出した事に、涙を流して自責していたけれど、この敗戦の２５０万以上の戦死結果には、自責の涙が見られないではないか？お国の為に、命を投げ出せ、は　日本の歴史には無い事だし、天皇の心の中にも無い事。もちろん皇国を守るため、日本一家を守るために、民は危機には蜂起するだろう。しかし、実際戦地では、国を守るために命を投げ出した。大きな間違い、と言えるのは、非国民だの国民に国民を監視させる恐怖政治は日本歴史上無い汚点である事。そして国民が、おやじ達が「あの頃」と嫌悪する時代を作った事を黙殺する事だけはしたくない。