藤田医科大学岡崎医療センターがダイヤモンド・プリンセス号から乗客を引き受け経過観察を行った報告の続き。
国内における新型コロナのPCR検査の感度が確かめられたのはよかったが、ひとつ気になったのが一度陰性の判定後再度陽性になるケースが90名中18名なのに、結果が表で明示された11名中7名にこのケースがある事だ。
http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_casereport_200313.pdf
もしかするとこの11名は感度が悪い方に偏った例ではないか。それでは安易に88%なんて言えなくなる。そこでこの報告の内容から残り79名のPCR検査の結果を再現できないかと考えた。
グラフと表以外の条件を整理してみる。
①無症状病原体保有者96名
②濃厚接触者32名のうち8名は入所後の検査で陽性
③施設入所後に 18 名(うち PCR 陽性者 14 名)が 近隣医療機関その他公的施設に搬送
④陰性確認までに 15 日以上を要した11名のうち2名は経過観察中
⑤検査の間隔は約48時間
⑥陰性判定の場合12時間後以降に検査
⑦連続して2回陰性の1回目の採取日を陰性確認日と定義
⑧入所後1回目のPCR検体はクルーズ船での陽性検体の採取日の平均6日(標準偏差0.73日) 後に採取
⑨一度陰性後に再度陽性になるケースが90名中18名
まず「2回連続でPCR陰性が確認されるまでにかかった日数の分布」のグラフから陰性のフラグを2個ずつ埋め込む。とりあえず48時間間隔にした。
次に1回目採取日の平均が6日になるように陽性(+)を埋め込む。しかし、あれ? Fig.2の棒グラフに表されているのは87名、一番のTable.1にある陰性確認ができてない2名を足しても89名。1名足りない。なんで?
とりあえず89名で作業を進める。次に1回目採取日の標準偏差を合わせる。鍵になるのは入所後に初めて陽性となった8名。彼らはクルーズ船では陽性となっていない。これをどこに配置するかで標準偏差が変わる。結果平均6.00、標準偏差0.74まで合わせる事ができた。
偽陰性はどこにでも置けるからとりあえず陽性が多い所に置く。残りは分かりやすいよう下に置く。
ここまでで標準偏差は0.74。これ以上は合わせられない。正解の0.73との僅かなズレは不明の1名からくるに違いない。だが1名足りない理由が分からない。
作業を始めて10日を過ぎた頃、その1名が存在できる条件にやっと気がついた。初回陽性から15日未満、かつ陰性確認がされていない事。これだ!ともかくこの条件でフラグを配置して計算をすると標準偏差も0.73とピタリ。引っかけ問題か(笑)
しかも施設への受け入れ期間(2月18日~26日)、濃厚接触者の陽性判定の時期(入所後96 時間以内)、検査の期間(3月8日まで)の条件からするとこの1名の検査の期間は7日間~14日日となるから、検査の回数は最小3回、最大7回まで絞れる。ラッキー!パズルの正解はひとつではないが計算結果の範囲は限られる。
これから導かれる79名のPCR検査の感度は89%~90%。明示されている11名の88%より少し良くなるが大きな差はない。国内に於ける新型コロナPCR検査の感度は少なくとも88%程度と自信を持って言える。添付の写真は明示されていない79名の感度が、A:最小のケース(89%)、B:最大のケース(90%)の2つの計算結果。
そうそう、偽陰性は一人一回としました。検査回数の多い11名でも一回ずつしかなく、また仮に複数回あったとすれば文書表現はこうはならないはず。そういう事でおしまい。疲れた~。
A:最小のケース(89%)
B:最大のケース(90%)




