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朝起きて、通い慣れた坂道
坂道をお弁当片手に
坂の中腹に住む家から
毎朝登り、その頂上で
朝日に向かって伸びを一つ
それが、おじいさんの日課だ
そのおじいさんと
朝の出勤加減で
坂の道中ですれ違う
すれ違いざま僕はスピードを落とす
おじいさんはこちらに振り返り
一つお辞儀をする
僕も会釈を一つ返す
それは4年の間、続いた
僕の日課だった
会話は一度も交わしたことはない
ただ、
毎朝、会釈を交わす。
坂の頂上付近
毎年、綺麗な桜が咲くんだよな
桜のアーチをくぐる中
右手には眩い朝日が映える
きっとこの景色を
おじいさんは楽しみにしてただろうな
でも、今年のこの景色は
おじいさんは
見ることが出来なかった
今年の桜
白味が強くプリプリだったよ
おじいさん(⌒▽⌒)
帰りの道中に
白と黒の縦縞の横にて筆書きで
初めておじいさんの名を知った
でもね、ほんと
真摯に感じる
あと何度この景色を僕も
見れるんだろうなって
人生 妥当だとしても
折り返しの時
そして同時に感じる
幸せだなぁって
『幸せってなに?』
って言ってる人がいる
僕はこう答える
『幸せとは意志だよ』
だから幸せになるには
コツがいるんだ(⌒▽⌒)
僕は、この桜を見る目を持ち
春の香を感じる鼻を持ち
皆の声、自然の音、素敵な音色
耳だったり美味しいものを
美味しくいただける舌や
あなたへ
喜怒哀楽を伝える事の出来る
口であり脳(思考)
何よりも五体満足
それもタダでだよ?
この上幸せないこと間違いないよな
よくさ、タダより高いものは
ないって聞くけどさぁ
空気や太陽や夜道を照らす月
その恩恵も
あなたと手を繋ぐ手も
会いに行ける足も
なんぼ積まれても譲れねぇよな
それが全部タダなんて
ありがてぇし幸せだわ。
いつ死ぬかなんてわかんねぇけど
いつかは訪れる日
例外なくみんなとお別れだね
でもやっぱ今日はあってさ
ありがとう。
順当で残り後半
今年も綺麗な桜でした
幸せになるには1秒あれば十分だ
( ̄▽ ̄)v