「差別」の原因は、相手が自分たちのリスクになるかもしれないという「不安」が原因だと言う人がいる。

スウェーデンの放送局のスタッフが、イギリスの公園である実験をしたことがある。

公園の街灯の支柱に、チェーンで鍵をしている自転車を置いた。

(1) 30歳位の白人男性のイギリス人で、清潔な普段着で、キーを使わずにそのチェーンを外そうとしてると、通りかかった全ての白人はその行為を不審とは思わず、なかにはキーをなくして困っていると思い、チェーン・カッターを貸す人もいた。

(2) 上記と同じ30歳位の黒人男性のイギリス人で、上記の男性と同じ体型で同じ服装で、キーを使わずにそのチェーンを外そうとしてると、通りかかった全ての白人はその行為を不審と思い、なかには自転車泥棒だと思い、警察署に連絡して警察官に来てもらった人もいた。

人種以外は全く同じような人なのに、白人と黒人では、同じ行為なのに、白人の態度が変わるという実験結果だった。

おそらくだが、イギリスでは白人より黒人の方が犯罪を犯しやすいと思っている人が多いのだろう。

その人種差別的な先入観で相手を見たから、黒人の男性を不審者とみなしたと思う。


そして、あなたがコンビニの店員だったとしよう。

(1) 出勤時間帯に、部長か課長と思われる身なりが清潔なスーツ姿の男性が、弁当を買おうとしている。

(2) 上記と同じ時間帯に、いかにもフォームレスとわかる身なりが汚い男性が、弁当を買おうとしている。
それも、上記の男性がフォームレスの格好をして。

あなたは、どちらが万引きする可能性が高いと思うだろうか?


最後に、「差別」はときには有意にはたらくが、しかし、ときには無意どころか悪意になることもあるだろう。