地上でもっとも寒い人類の定住地は、サハ共和国のオイミャコンです。
オイミャコンというのは「凍らない水」という意味で、これがあるために人が住むことができるのでしょう。
昔、サハ共和国はヤクート・ソビエト社会主義自治共和国と言いました。
このヤクートというのは、隣のブリヤート・モンゴルの言葉で「最果てのさらに果て」という意味なのだそうです。

かつては、おそらくもっと南の方に住んでいたのが、攻撃的な民族に追われ北へ北へとのがれ、地上でもっとも寒く誰も他の民族は住もうとしない場所に安息の地を見出した…。
それが、サハの人たちだともいわれているようです。
おもしろいことに、この人たちの使うヤクート語には、人を「ののしる言葉」が一切ないのだといいます。
だから、争いを避けて誰も住もうとしないシベリアのど真ん中に、自分たちの国をつくったのでしょうか…。

ロシア連邦で産出されるダイヤモンドの99%が、このサハ共和国から産出するといいます。
でも、その利益は、「ののしる言葉」を持たないこの人たちのものになるのでしょうか?
そして、彼らはなんとケンカをするときには自分たちの言葉ではできないので、ロシア語でやるのだそうです。
様々なことを考えさせられます。