アダムとイブ

男女の愛とは何か?

この疑問への一つの答えは、進化心理学の分野から出されています。
その答えは、「子孫を繁栄させるため」。

大昔の狩猟採集生活は過酷で、妊娠した女性や、乳幼児を抱えた女性が、一人で生きていくことは非常に難しかったと考えられます。
男性にとっても、自分の遺伝子を受け継いでいる子供が死んでしまうことは避けたい。
そのために、男女が協力し、子供を育てる必要がありました。

しかし、人間の子供は生まれるまでに10ヶ月以上の月日を要するため、その間に男女が離ればなれになれば、生まれてくる子供の命は危険にさらされる可能性が高くなります。
つまり、子孫を絶やさないためには、男女が、長期にわたって心理的に結びついていることが必要不可欠。

このように男女を長期的に結びつけておくために人に備わった感情……、それが「愛」だというのです。
すなわち、進化の過程で愛という感情を身につけた人間は、そうではない人間よりも生き残りやすく、繁栄しやすい。
そのために、今の私たちにも愛という感情があるというのです。