オランダ領東インド1/10Gulden銀貨1945年銘P(フィラデルフィア・USA)ミントについての話題です。
このコイン、ミントマークのPの位置の違いで4種類の手替りが存在します。
ミントマークの「P」のタテ棒と年号の数字「5」の位置に注目して下の2枚を比較してみて下さい。
★タイプA
★タイプB
どうですか? 明らかに「P」の位置が違うのが分かっていただけると思います。
次にNGCのプライスガイドをご覧下さい。
Leg of mint mark P to the middle of 5がノーマルタイプだとあります。上の写真だとタイプAがこれに該当するものと思われます。するとタイプBは「three variationrs」に該当します。こちらは発行枚数も不明で、当然価格も高く設定されています。
次にNGCのポップをご覧下さい。
プライスガイドとは、表記の仕方が異なるんですよね。
P points to top of 5とP points to center of 5という記載になっています。
常識的に考えると、ノーマルタイプであるタイプAがP points to center of 5に当たり、タイプBがP points to top of 5に該当するはずです。
ポップを見ると、ノーマルタイプであるタイプA、つまりP points to center of 5の方がスラブに入ったものが少ないことになります。もともと安価なコインなので、ノーマルタイプの方はわざわざグレーディング費用を払ってまでスラブに入れようと思う人が少ないのかなと思っていました。
こちらが私が鑑定に出した1枚です。
P points to top of 5と記載されました。ということはノーマルタイプではなく、「three variations」の方に該当するはずですが.....。
でも、ミントマーク部分の拡大写真をご覧下さい。
うーん、どう見てもP points to top of 5ではなく、P points to center of 5ですよね。
私が鑑定に出したコインは、上の写真のタイプAと同じですね。ということはノーマルタイプに当たるはずです。それならスラブ表記はP points to top of 5ではなく、P points to center of 5の方が妥当だと思うのですが....。これをP points to top of 5と記載した理由がよく分かりません。もしかして記載ミス?
とりあえず、プライスガイドに記載されている
Leg of mint mark P to the middle of 5が、スラブ表記のP points to center of 5に該当するのか、P points to top of 5の方に当たるのか、それが知りたいですね。そうじゃないとコインの適正価格もつかめません。
ちなみにPCGSでは、この手替りの区別をスラブ表記ではしてくれていません。それはそれで困りものです。