★★★南洋見聞録★★★

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インドネシアの首都ジャカルタで、旧宗主国オランダやオランダ領東インドの銀貨を中心にコインを収集しています。コインの話を中心に、見聞したことを気ままに綴っていきたいと思います。

オランダ領東インド  BONK 1 STUIVER 1809




    フランス革命やその後のナポレオン戦争の影響で、オランダはフランスの支配下に置かれます。そのためオランダ本国からの物資の供給が滞ってしまったオランダ領東インドのジャワ島では、深刻な貨幣不足に陥ります。そこで当時の総督府は長崎の出島から輸出されていた棹銅に目をつけます。


(別子銅山で精製された棹銅)


    迅速に効率良く貨幣を大量生産するために、日本から輸入した棹銅をナタか何かで叩き切り、表と裏に額面と年号だけを刻印した簡素な貨幣を製造しました。それがこのBONK銅貨です。いわゆる『緊急貨幣』です。ちなみにBONKとはオランダ語で「大きな塊」を意味します。


表面 : 年号(1809)



裏面 : 額面(1:S)



    一つ一つ手作りで作られたこともあり、一つとして同じ形状のものが無いのがBONK銅貨の魅力です。摩耗が進んでいなく、年号と額面がしっかり打たれていて、しかも真ん中にきちんと刻印されている個体が人気があります。


    以前breezeさんが紹介されていた時から気になっていたコインです。ただ、このBONK銅貨はこちらでは偽物が多く出回っているとの話をよく聞くので、今まで手を出せずにいました。今回、PCGS AU50とそれほど良い状態ではありませんが、スラブ入りということもあり入手してみました。


スラブケースは通常の2倍の厚さ。



    南半球に位置するオランダ領東インドで貨幣として使用するために、鎖国下にあった日本からわざわざ銅が運ばれていったところに歴史的なロマンを感じます。別子銅山産出の銅なのか、足尾銅山の銅なのか、そんなことに思いを馳せながら、このコインを眺めています。