オランダ領東インドの1Cent青銅貨です。
こちらのコイン屋さんの1万ルピア(約75円)均一コーナーとかでも売られている、非常に安価で容易に入手できるコインです。気が向いた時に状態が良いのを見つくろって買っています。
今回はこのコインの1945年銘についてのお話です。
1945年銘はアメリカで製造されました。オランダ本国は1945年5月にナチスドイツの支配から解放されますが、1945年のオランダは戦中戦後の混乱期でコイン製造能力が無かったのでしょうね。
製造枚数が多かったこともあり、アメリカの3箇所の造幣局に製造を依頼します。そのあたりをミントマーク別に見ていきたいと思います。
(年号下のローマ字がミントマークです)
①ミントマーク S(サンフランシスコ)
発行枚数 1億256万8千枚
②ミントマーク P(フィラデルフィア)
発行枚数 3億3千5百万枚
Pの位置で、high Pとlow Pの2種の手替わりがあります。high Pの方が普通で、low Pがレアです。しかし、カタログなどを見てもその違いがよくわかりません。 numistaには、以下のような記述がありますが、皆さま、この違いがわかりますか?
うーん、やっぱりよくわかりません。
③ミントマーク D(デンバー)
発行枚数 1億3千380万枚
いづれの造幣局でも大量に製造されていますが、ミントマーク別に見ていくと、D(デンバー)ミント
には、穴の位置がズレている、いわゆる穴ズレエラーっぽいものがちらほら見つかります。上のコインも若干ズレていますが、
このくらいズレているとエラーコインと呼んでも良さそうです。ちなみにこれもDミントです。
購入したところとは別のコイン商にこのコインを見せたら、日本円で2000円ほどで買い取るよと言われました。もっと状態が良ければ、5000円くらいの値がつくのにとも言われました。確かにグレーディングに出せば「BN」確定レベルなのが残念です。
こっちのオークションで、このコインのMS65RB評価の穴ズレエラー貨が2万円ほどで落札されたことがありましたが、それもDミントでした。
1万ルピア(75円)均一コーナーで入手したコインですが、ささやかながらお宝コインに変身する可能性を秘めています。
コロナの感染拡大で、1万ルピア均一コーナーがあるコイン屋さんは店を閉じたままです(このまま閉店してしまうことを危惧していますが...)。コロナが収束し、お店が再開したら、状態が良い穴ズレ貨を探してみるのも面白そうです。