「フェムテック 女性の健康課題を解決するテクノロジー」読了。 | 子宮を取る権利

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告知です。

9月21日(木)は私用につきブログ休ませていただきます。

告知しとかんと「書けなかった」と自暴自棄になってしまうもので。

 

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今回は、書籍

「フェムテック 女性の健康課題を解決するテクノロジー」(著:吉岡範人)

について書かせていただきます。

 

 

この本の帯に

「なぜ日本でフェムテックは浸透しないのか」

という、個人的にぐさっと刺さったコピーが書いてあります。

 

ここ数年、細々とながらもフェムテックがどうたら言い続けている身としては、「フェムテックが浸透していない」と言われると努力が足りなかったのかと思ってしまいました。

2020年が日本の「フェムテック元年」とされており、2021年には「フェムテック」が流行語大賞にノミネートされていながら、現在2023年でも「フェムテック?何それ?」と言われてしまうのは、やはり浸透していないのかと感じます。

 

その反面、日本の吸水ショーツブランドが大幅に増え、国産の月経カップが発売され、さらに今年は国産の使い捨て月経ディスクも発売されました。

人類の半分は女性で、女性特有の健康問題もいまだに解消されていないことがたくさんあるため、フェムテックの言葉を知らずともニーズは絶対あるはずです。

 

今までフェムテック関連の本は色々読みましたが、この本は情報としては目新しくないけれど、視点が他のフェムテック本とは違って医療とニーズの掛け合わせが目新しいです。

 

著者の吉岡範人さんは産婦人科医で、現在横浜で婦人科を開いています。

 

https://www.yoshiokanorihito-official.jp

 

https://www.tsuzuki-ladys.com

 

 

 

 

その婦人科の患者さんのニーズや社会におけるフェムテックのニーズから「こうした方がいいんじゃないか」「こんなサービスがあったらいいんじゃないか」というのをこの本には記されています。

 

今までの医師監修のフェムテック本だと目新しい生理用品や月経関連サービスなどの紹介やそれらの使い方、過去のデータからフェムテックにはこういう層にニーズがあるといったものが大半でしたが、この本はちょっとだけ違ってました。

 

本文の中でクリニックにまつわる話だと、例えばVIO脱毛の話。

従来のVIO脱毛は平たいベッドに寝かされて部位によって患者側が姿勢を変えたりするのですが、吉岡医師の婦人科での脱毛は産婦人科用の椅子を使い、婦人科の診察と同じ姿勢で脱毛するそうです。

それによって脱毛される側の負担も減り、施術者も脱毛部位に届きやすくなり、痛みも軽減されるそうです。

 

また別の例でいうと、月経カップに慣れない人が取り出せずに、産婦人科に飛び込んで取り出してほしいというパターンがあります。

他の医師でこのパターンの診察をした後に月経カップそのものを否定する方もいたようですが、吉岡医師は自身のクリニックの待合室に月経カップの見本を置いており、どういうものを選べばいいか相談できるような環境になっているそうです。

 

医師側がフェムテックと呼ばれるものの情報をアップデートして、今のニーズを掬い上げる必要を感じているのでしょう。

「『既存値』×『既存値』=ダイバーシティ」という経済学の言葉を引用して、「その既存値が遠いほど新しいものを生み出せる」としています。

既存値そのものは何も珍しいものではありませんが、組み合わせの成功例が出てくることは凄いです。

 

 

また「フェムテック」と「フェムケア」の違いも述べられていました。

しかしその違いはあくまで吉岡医師の見解によるもので、他のフェムテック販売店やフェムテック開発者と必ずしも一致するものでもなく、わたしの解釈とも若干違う感じもしました。

 

ただ、どちらが優れているとかいうのはなく、フェムテックで溢れ落ちたところにフェムケアのニーズが存在しており、フェムケアがフェムテックになるパターンもあると示しています。

 

月経用品以外のフェムテックの可能性も示しており、婦人科の遠隔治療サービスも今後発展が見込まれています。

本の中だと「陣痛監視装置システム」などのお腹にデバイスを貼って胎児の様子を医師に送ることができるようなものは、産婦人科不足や少子化(この場合病院が少ないから妊娠を避けようとする社会環境)に対応できる貴重なテクノロジーだと思います。

 

閉経・更年期のサービスも、この年代になると月経周期が不安定な上に経血量が不自然に多くなることもあったりするので、更年期世代のデータをうまく活かして治療に繋げてほしいとも思います。

 

フェムテックは語源から「女性のためのテクノロジー」ですが、医療的に考えても「男性のためのテクノロジー」があってもおかしくありません。

吉岡医師は独自に「エムテック」という言葉を使ってますが、他のフェムテック関連の講演会などを見ても「メンテック」「メイルテック」といったように統一した言葉や見解がありません。

男性がなりやすい病気や症状は今までもたくさん存在しており、未だ解決していない問題もあるでしょう。

フェムテック経由の「男性のためのテクノロジー」が今後出て来るかもしれません。

 

本文より

 

「フェムテックは、女性を優遇することが目的ではありません。不平等だったものをフラットに戻すための行動です。フェムテックによって男女が同じ立場になったところで、新・フェムテック、エムテックが共存しながら性別を超えて、互いの健康を気遣いながら社会活動を行っていくのが正しい姿だと考えます。」

 

読めば読むほど考えることが増える本でした。

図書館で見つからなかったので買いましたが、買って正解。

 

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