「推しは目覚めないダンナ様です」(著:そら)感想 | 子宮を取る権利

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子宮内膜異型増殖症になり、子宮全摘した人の体験談。

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こんにちは。

生理用品専門店「ガーネットムーン」のmiyaです。

当店では生理ナプキン補助製品である「シンクロフィット」や、吸水サニタリーショーツの「ガールズリープ」「ムーンパンツ」を取り扱っています。

ぜひともよろしくお願いします。

 

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2022年9月18日追記。

続編の感想はこちらになります。

 

 

 

今回はフェムテックとか全く関係ない話です。

7月下旬に出た「推しは目覚めないダンナ様です」のことを書こうと思います。

 

 

 

https://www.instagram.com/soraeureca/?hl=ja

 

本のことを話す前に、著者の「そら」さんのことを。

そらさんは数年前よりツイッターで某ファンフィクションのイラストを描いており、わたしも元ネタのファンだということと、そらさんのイラストがとても可愛らしいこともあり、フォローして定期的にチェックしていました。

 

最初のうちはそらさんの更新頻度も高かったのですが、数年前から急に更新頻度が落ち、半年〜1年弱くらいなかなかアップしないことも。

元がファンフィクションからだったので、元ネタさんのことに飽きちゃったのかなあとか、ツイッターでアップすることが辛くなっちゃったのかなあと心配してました。

 

去年の7月。

そらさんが久しぶりにツイッターをアップしました。

 

「ここしばらく(3年前くらいから)私がツイッターを低浮上状態になっている理由のマンガをインスタにポツポツとあげていくので良かったら見に来てください」

 

その内容が、この本の前身となる「低酸素脳症のぼくちんとの病院生活」というノンフィクションエッセイ漫画でした。

 

そらさんの夫「ぼくちん」さんが深夜に突然心肺停止し、救急車を呼んで一命は取り留めましたが、蘇生後脳症といういわゆる植物状態になったというところから始まりました。

 

本はインスタグラムの内容を再編集して書き下ろしたものなので、大まかには同内容です。

ただ、スマホで読むと絵や文字が小さすぎて読みにくいかな〜と思うんで、本の方がおすすめではあります。

 

ぼくちんさんは倒れた時で34歳、基礎疾患も特になく普通に仕事して生活してました。

とある日の真夜中、ぼくちんさんの寝返りで目が覚めたそらさん。振り返ってみると、ぼくちんさんは泡を吹いて呼吸をしてない状態でした。

 

その時そらさんがぼくちんさんの寝返りに気づかなかったら。

数日前までそらさんが友達と旅行に行っていたため、その旅行中にぼくちんさん一人で倒れていたら。

そう思うと怖くてたまりません。

 

ぼくちんさんは植物状態、寝たきりになり、食事も自力では取れず、目も見えず、自分の意思すら外部に伝えられない状態です。

 

それでもそらさんは毎日病院へ通い、ぼくちんさんの歯磨きをし、シャンプーし、爪や耳垢や眉毛の手入れをし、できる限りの介助をします。

 

それは義務感じゃなくて、そらさんは純粋にぼくちんさんのそばにいたいから。

どんな姿になっても、どんな状態になっても、愛する夫には変わりはないことだと。

 

最初はぼくちんさんの症状の重さに、泣いたり落ち込んだりすることが多かったそらさんですが、ぼくちんさんの耳が聞こえていること、触覚や嗅覚、味覚が残っていることから、「話しかけよう」「触覚があるなら強い刺激はしないでびっくりさせないようにしよう」「好きだった映画の音声を聴かせよう」とぼくちんさんに奇跡が起きることを信じて、お世話します。

 

ある日、そらさんは持ってきたコーヒーの匂いをぼくちんさんに嗅がせます。

そうするとぼくちんさんは無意識に口を動かす仕草をしました。

その後、綿棒に乗せたコーヒーをぼくちんさんの口に入れると飲み込む仕草を。

もしかしたら、飲み物を「飲み物」として認識しているのかもしれない。

 

その後、言語聴覚士(ST)さんの指導のもと、味のついたものを口に入れるリハビリを始めました。

最初は味のついた氷を舌の上に乗せることから、それから細かくしたゼリーやプリンなどのお菓子を口に入れる。

噛んだり舌で押し潰したりはできないけれど、柔らかくしたものならご飯や麺や煮物、とろみのついた液体(スープなど)を飲み込めるようになりました。

お腹がいっぱいの時や美味しくないものの時は吐き出したりも。

 

植物状態といっても、感覚や感情がなくなった訳じゃない。

 

現在、そらさんはコロナ禍のため、ぼくちんさんに1年以上会えていません。定期的に洗濯物を交換しに行き、その時にデジカメでぼくちんさんの様子を撮ってもらったメモリーカードを取り替えるそうです。

そして、ぼくちんさんに会っていた時間が余ったため、今までどんな様子で病院生活をしていたかインスタグラムに連載するようになりました。

 

そんな中、そらさんへ出版社からお声がかかります。

インスタグラムの連載を出版してみないかと。

低酸素脳症の医療的な本はあれど、家族向けの本はほとんど見つからず、家族はどうすればいいのか、病院側は家族にどうして欲しいのかという橋渡しになるのかもしれないと。

 

ブックデザインはそらさんの親友でもある、本文にも登場する「Sちゃん」ことsayuさんです。

(「book design… sayu」って書いてあるから名前出しちゃいます)

sayuさんもそらさんと同じファンフィクションでツイッターにイラストを載せていた方で、そらさんが精神的に辛かった時に支えていた方です。

そらさんとsayuさんの繋がりを感じたのも素敵だと感じました。

 

それ以外にも、病院関係はもちろん、そらさんが美容師だと言うことで、医療や介護に関わるお客様からたくさん情報を聞けたことで、そらさん(とぼくちんさん)は人望のある人だと思いました。

 

数年前から追いかけてたそらさんの本を手にできて嬉しいです。

今まではツイッターのファンフィクションのイラストを見るだけでしたから、本を買うことで少しでもそらさんとぼくちんさんの支えになれるかもしれません。

 

 

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