こんにちは。
生理用品専門店「ガーネットムーン」のmiyaです。
当店では生理ナプキン補助製品である「シンクロフィット」や、吸水サニタリーショーツの「ガールズリープ」「ムーンパンツ」を取り扱っています。
ぜひともよろしくお願いします。
以前、吸水サニタリーショーツって何で出来ているんだろう?というブログを書きました。
繊維初心者
https://ameblo.jp/garnetmoonkm/entry-12660194119.html
繊維初心者 その2
https://ameblo.jp/garnetmoonkm/entry-12661500600.html
今回は「月経カップって何から出来ているんだろう?」です。
月経カップといえば、妖子さん。
妖子さんのサイトには日本国内で買える月経カップの一覧があります。
https://cupswithyou.com/menstrualcup_japanesechart/
このサイトに載ってないけれど日本で買えるカップはあと、ラブピースクラブさんで発売されているキーパーです。
https://www.lovepiececlub.com/shop/products/detail.php?product_id=270
(注:通販サイトは18禁になります)
素材でいうと
●医療用シリコーン
●TPE(熱可塑性エラストマー)
●ナチュラルラテックス
の3種類が出てきています。
そもそもそれらが何で出来てるのか、改めて調べることにしました。
【医療用シリコーン】
シリコーン?シリコン?どっちが正しいの?スペルの都合でどっちでもいいの?
https://www.kyowakg.com/quality/what/
ここの説明が非常にシンプルでした。
シリコン は元素!
シリコーン はシリコンを精製した化合物!
ってことらしいです。でも
通じますからどちらでも構いません。
って説明が緩いなあ(⌒-⌒; )
まず元素としてのシリコン。
元素記号では「Si」、日本語では「ケイ素」です。
地球の表層を構成する成分の酸素に次いで多い元素がケイ素。
一般的な石の「石英」とか、あとはガラスの主成分も
「二酸化ケイ素・シリカ(SiO2)」です。
(二酸化ケイ素とシリカっておんなじものだったんだ……)
(って、シリカとシリコンって同語源だったんだ……)
(↑わたし化学の授業中何やってたんだろう……)
そのケイ素から作られるのが、合成樹脂の「シリコーン」になります。
そこから形状によって「レジン」「オイル」「ゴム・液状ゴム」「シラン」に仕分けされます。
アクセサリー作りに作られるレジンも「シリコーンレジン」です。
月経カップはゴム状の弾力性が必要なんで、その中の
「ゴムコンパウンド」になります。
(ex. シラン:https://www.silicone.jp/products/type/silane/index.shtml)
シリコンは元が鉱物なのね。
【TPE(熱可塑性エラストマー)】
アルファベットで省略されるとそもそも何なんだって感じです。
TPEはThermoplastic Elastomers(サーモプラスチック・エラストマー)の略で、ざっくりいうとプラスチックの一種ですね。
エラストマーは元々、ゴム状の弾力性のあるもの全般を指しますが、最近はTPEのことをエラストマーというらしいです。
プラスチックですから基本的には石油や石炭で出来ています。
http://www.wakoseisakusyo.co.jp/landing_c/index.html
特徴としては
- リサイクル可能
- 生産サイクルが短い
- 軽量化が可能
- 常温でゴム状弾性
などがあります。
https://www.union-gosei.co.jp/tpe/index.html
月経カップメーカーの「メルーナ」はTPEを選ぶ理由として、「断裂しにくく壊れにくい」としています。
https://www.melunajapan.com/2019-01-22/
触り比べてみるとシリコーンはしっとりぺっとりしてて、TPEの方が少しざらっとしているかもしれません、
(やば、「TPE 触り心地」で検索するとラブドールが出てきた。これも18禁やん。ま、人肌に近い感触だということは証明できたようなものですな)
【ラテックス】
一般的な(天然)ゴムのことです。
植物の「ゴムノキ」の樹液を抽出して固めたものになります。
1490年代にコロンブスがヨーロッパに伝えたということは、それ以前のネイティブアメリカンにとって普通のものだったと思われます。
http://gomu-navi.jp/history/index.html
上記の月経カップ「キーパー」はナチュラルラテックスと記載しています。
ナチュラルラテックスは量的には車のタイヤ、ホースなどのゴム製品、ゴムバンド、コンドームなどに使われています。
http://gomu-navi.jp/spec/02-01-NR.html
そこで出てくるのがゴムアレルギー。
アナフィラキシーショックを起こす可能性もあります。
(時々アレルギーを理由にコンドームをつけない男の話題が出てくるよな。ポリウレタンのやつもあるからそれ使え!)
月経カップの話題に戻りますと、長時間膣内に入れるとなるとアレルギーのある人はラテックスは無理でしょう。
植物素材だけで、というこだわりでラテックスを使うというのは難しいかも知れません。
今回も「素材」というものを勉強しました。
一番勉強になったのが、シリコーンとシリコンの違い。
脱臭剤の「シリカゲル」が「シリカ(ケイ素)」を「ゲル化」したものだというのを今さらながら知りました。
そこいらの石とシリコーンがどちらもケイ素から作られるのは、鉛筆の芯とダイヤモンドがどちらも炭素だということよりも驚きました。