みなさぁーん
ヾ(ゝ∀・。)ノ゛おはよう
いつもありがとう
ずっと無事に



《源氏物語》宇治十帖
か、げ、ろ、

浮舟の入水を知り
動転する匂宮

女一宮美貌
魅力される


哀れは宮君

光源氏主人公の第一部は
きれい事の要素が多分にあり
女性たちが貴公子のになる
話が多く語られた

しかし宇治十帖はより冷酷である
その一例が今巻の「蜻蛉」
登場する宮君

この春亡くなった式部卿宮(蜻蛉の宮)
姫君で、女一宮に出仕することになり
宮の君と呼ばれる事になるのである

         いわば没落の憂き目に・・・
かつて父君が東宮妃にとも願い
との縁談話もあった姫君

浮舟を京に迎えるはずだった日の夕暮れ
橘の香りとほととぎすの鳴き声に
薫の悲しみは一層ふかまるのでした





*忍びねや
陰暦四月ごろ。

(ほととぎすが忍び音に
鳴いていますことです
あなたもあの時鳥と同じように
忍び泣きに泣いて
いらっしゃるのでしょう
嘆いてみても甲斐のない
死出の田長(時鳥)に
心を通わせでおいでなのでしたら)

(橘の花の香るあたりでは
時鳥も気をつけて
鳴くべきですね。)


*匂宮中君がそれぞれの思いで
浮舟を偲び感慨にふけっている
ところへの文が届いた。
歌の前には
気色ある文かな(意味ありげな文だなあ)
という匂宮の心中語がある。



薫、女房たちと戯れる

秋になり、六条院に里下がりしていた
秋好中宮が宮中に帰参することになる
それに際して管弦の遊びが催され
匂宮も参上した

ちょうどそのとき、東の渡殿で
明石中宮の女房らが集まっていたので
が戯れに話しかける

女房らが返答に窮していると
弁御許(べんのおもと)という物慣れた年配の
女房がに応じ、二人は女郎花
ことよせて歌を詠み交わす


弁御許(べんのおもと)は
に対して女になびくか挑発する

やはり、一夜お泊まりなって
お試しなさいまし
女郎花の盛りの色に
お心が移るか移らないかを

お宿を貸して下さるならば
一夜ぐらいは泊めて頂きましょう
たいていの花には
心を移さない私ですけれども

たいていの花(女性)には
心を移さない(惚れはしない)とは
まさに真面目(仏道)なのか
自惚れなのか?それにしても
弁御許は積極的な女性やなあ(笑)



《蜻蛉の名の由来》
蜻蛉はトンボの一種といわれる
寿命が短いことからはかない
ものの例えとして用いられる
姿を消した浮舟を偲んで詠んだ歌から
巻名がついた。
蜻蛉は二人の恋の行方ともとれる








浮舟の衣服や調度類を葬送の車に載せる場面
室内で泣く女性は中将の君であろうか

遺骸なき葬送

浮舟が失踪した宇治では
みな大騒ぎで浮舟を捜索した

事情を知る右近が
浮舟の書き置きを読み
浮舟が入水したことを確信し
浮舟の母中将の君事の次第を語る
中将の君は動転するが
周囲に事が露見しないよう
亡骸のかわりに
浮舟が使っていた衣服や調度類を
葬送の車に運び入れ
遺骸無き葬送を執り行うのであった


匂宮が慰め所としている姉の
女一宮のもとには多くの優れた
女房たちが仕えていた。
その中に、匂宮が年来執心している
小宰相君(こさいしょうのきみ)という
女房がいるが、天下の女がすべて
なびくといわれる匂宮の懸想(けそう)
一蹴していた。

そんな小宰相君のその心意気が
の心に共振さたのであろうか
いつしか二人は人目を忍ぶ仲と
なっていた。
その時に交わした歌だ。


お悲しみをお察し申し上げる
気持ちはどなたにも劣りませんが
人数ちも入らぬ私ゆえ
(わざとお悔やみ申し上げませんが)
悲しみに絶えいるばかりの
思いで過ごしております

世間は冷たいものだと
十分見てきた厭わしいこの身でも
人に知れるほどの嘆きを
していないつもりなのですが


上奥の赤い着物を着て座す
女一の宮
美しさに魅せられる


蓮の花の盛りのころ
明石中宮六条院で亡き光源氏
紫の上の追善供養のための
法華八講(ほけはこう)を催した

五日目の法会が終わった夕暮れ
は用事で釣殿のほうに行くと
中から衣擦れの音がするのを聞く

仲の良い女房がいるのかと
部屋の中を窺うと明石中宮の娘
女一の宮が女房たちと氷を
弄んでいる様子が見え、はその
美しさに魅せられるのであった

✤法華八講
法華経八巻を八座に分け
朝座、夕座の二度づつ、四、五日
かけて講説する法会の事。




女君のはかなさに惑う

浮舟失踪に大きくかかわる
浮舟侍女である右近侍従の君
それまでの経緯を知るだけに
浮舟の自殺の責任が自分たちに
あることに気づき世間体を取り繕う

匂宮の対象的な反応

匂宮は、浮舟が失踪した直後、
落胆から二、三日寝込むが
四十九日が過ぎると他の女に言い寄る

はというと仏が浮舟の死という試練を
自分に与えているのではと考え
勤行にはげむ


浮舟失踪後の二人の人物像
死んだと思われた浮舟
次回、僧都に救い出される