十一月十日日曜日
皆さんヾ(ゝ∀・。)ノ゛オハョ♪
立冬も過ぎ本格的な冬も
そろそろ
お元気ですか




<源氏物語> 三十三帖
藤裏葉(ふじうらは)の巻

第一部
〜完〜
夕霧雲居雁
念願叶い結婚する


明石の姫君が入内
光源氏は准太上天皇へ

内大臣邸の藤花の宴へ向かう夕霧の一行
その宴席で内大臣はついに夕霧と雲居雁の
結婚を許します

<源氏物語オープニング曲>

光源氏は冷泉帝の格別の配慮により
天皇に準ずる位、准太上天皇の位に
上り詰めた。光源氏が実父だと知った
冷泉帝は、譲位を諌止(かんし)されたため
それに代わる格別の遇し方をと
考えたのでありました

これを機に冷泉帝の六条院行幸があり
さらに朱雀院も加わって六条院には
帝(冷泉)・上皇(朱雀)・准太上天皇(源氏)
が一堂に会するという異例の盛儀となった

時は紅葉も盛りの神無月
光源氏が名実共に栄華の頂きに
上り詰めた瞬間でした


幾度かの秋を過ごし
時雨とともに年老いた里人も
このように美しい紅葉の折に
あったことがございません

世の常の紅葉と思って御覧に
なるのですか。
昔のみ世にならった今日の宴の
紅葉の錦を




光源氏の家来惟光(これみつ)の娘
藤典侍(とうないしのすけ)夕霧の愛人である
五節の舞姫になった後
典侍として出仕しており
人望も厚く帝や源氏、東宮の信頼も高い



何という名だったのだろう
今日の挿頭(かざし)は
その花を目の前に見ながら
思い出せないくらいに日数が経って
しまいましたね
(あなたと逢ったのはいつだったろう
思い出せないくらい長い間
お逢いしていませんね)

頭に挿頭してもなお思い出せない
草の名は桂を折られたお人(あなた)
がご存知じでしょう
(お逢いできなくなった理由は
あなたがご存知じでしょう)


光源氏無類の栄耀栄華





四月の初め、内大臣(頭中将)は
自邸で藤の宴を催し
息子の柏木を使者に夕霧の来訪を
促す文を送った

重職の身分に相応しい身なりに
整えた夕霧が訪れると
内大臣はその様子を讃え
娘の雲居雁との結婚を許す意をこめて
古歌を口ずさんだ


藤の花の紫に恨み言は申しましょう
藤の花が松の梢を越えるのを
忌々しく思いますけれども
(あなたのお申し込を今か今かと
お待ち申していた日も過ぎて今日に及んだのは
辛く存じますが、その恨み言は娘のほうに
持っていくことにいたしましょう)

幾度も涙にくれる春を過ごしてきて、
花の咲く折り(お許しの出る日)に
会うのでしょう


なよやかな女性の袖にも似る藤の花は
見る人、見る人によって色もいっそう
美しくなるでしょう
(雲居雁もあなたの妻になることによって
ますます美しくなることでしょう)


その夜、柏木に導かれた夕霧
雲居雁の部屋に向かい
二人は結ばれるのであった


「藤裏葉」は、物語第一部の終わりに
ふさわしく、夕霧の結婚成就と
明石の姫君の入内を語る

光源氏にとっては、子供たちのすべての
懸案が落着した思いです

姫君の東宮入内の日
義母の紫の上と実母の明石の君
それぞれ複雑な思いを抱きあう点が
注目される

寂しくてしかたない紫の上
改めて実子がいない孤独感
明石の君に対しても、その物腰や
美質に、光源氏が重んじるのも
当然だと思い嫉妬するのでした


ここでの紫の上の心配り
明石の姫君の後見人を明石の君
娘と、母の再会が実現する
生みの親明石の君育ての親紫の上
互いに尊敬するのでした


あのとき、私たちの浮名を
世間に流した河口、あなたのお口は
どういうおつもりでお漏らしに
なったのでしょうか
関の荒垣のこと(私たちの仲)を

世間に漏れてしまった
くきだの関のこと(二人の仲のこと)を
川底の浅い河口のように
思慮の浅い私のせいとのみ
なさらないでください
(あなたの父君のせいなのに)





源氏物語五十四帖
第一部完結
そして・・・・
次回以降
女三の宮登場
紫の上病に倒れる

若菜上・若菜下

そして柏木の死と
物語は第二部紫の上の死
光源氏の終焉
クライマックスを迎える




<源氏物語エンディング曲>




六条院で、お支度中の明石の姫君
の入内が四月二十日過ぎと決まり
紫の上上賀茂神社の祭神のご降臨を
迎えるお祭りに参詣しました。

紫式部は当時上賀茂神社末社「片岡社」
(縁結びの神)
に参詣し歌を詠んでいる


京都  上賀茂神社末社   片岡社



次回  若菜上から
      次次回 若菜下
紫上病魔に伏す