十月二十日。日曜日
皆さん
~~~ヾ(^∇^)おはよー♪

玉鬘十帖の外伝的九巻


ニューヒロイン玉鬘
シンデレラストーリー

光源氏の魅力、六条院の栄華
雅やかな行事を知る
<おさらい>
光源氏が若き日、溺れるように
愛した夕顔は前夫・頭中将との
間に女児・玉鬘を設けていました
夕顔の死ののち玉鬘は乳母夫婦に
養われて九州で育ち、二十一歳で
やっと帰京が実現するのでした





出仕直前の玉鬘
懸想文が殺到する


源氏物語<三十帖>
藤袴の巻
藤袴
とは当時は蘭の花
<藤袴>
藤袴は和字で漢名を蘭草・香草・香水蘭
という。本文では「らに(蘭)」とある



<光源氏三十七歳の秋>


夕霧玉鬘が自分の実姉
ではないとわかる

<源氏物語オープニング曲>


✤懸想…懸想文(恋文)
恋い慕う。思いを寄せる


内大臣(頭中将)の母・大宮が亡くなり
孫にあたる玉鬘夕霧は喪に服していた
そうしたなか、夕霧光源氏の名代として
帝から尚侍(ないしのかみ)に任命されたことを
玉鬘に告げに来た

玉鬘は参内が決まっても
ほかの后たちのことを思い
気が進まない

(秋好中宮内大臣の娘・弘徽殿の女御
も入内している)


一方で、仮に六条院に居続けた場合
源氏の恋情にどう対処したものか
悩むのでした

<ここポイント>
源氏の苦肉の策

玉鬘への恋慕はますばかり
かといって内大臣の婿になるのも
プライドが許さないし
紫の上の嫉妬をも招く
求婚者と結婚させるのも惜しい
そこで苦肉の策が
尚侍として入内させ、一先ず
状況に区切りをつけたわけです



玉鬘が内大臣の実娘であると
広く世間に知られるようになり
これまで異母姉とも知らず恋文を
寄せていた内大臣の長男・柏木
自身の懸想を恥じて居心地が悪い

逆に異母弟として接してきた夕霧
あらためて玉鬘に異性としての
関心を抱き大宮の服喪にことよせて
藤袴に託して懸想の歌を詠みかける

光源氏懸想に苦しみ、また尚侍出仕の
件でも悩みを深める玉鬘には
煩わしいばかりでした

藤袴





「この贈歌の前に夕霧は
らにの花のいと面白きを持給へりけるを
御簾のつまよりさし入れて、
『これも御覧ずべき故はありけり』とて
とみには許さでも給へれば」云々とある


あなたと同じ野におく露に
萎れている藤袴(同じ大宮の孫として
祖母の死を悲しむ私)に
ほんのわずかでも、優しい言葉を
かけてください

尋ねるにつけましても
それが遠い野辺の露というので
ございましたら
この藤袴の薄紫はお嘆きの
色でございましょうか
あなたと私とは大宮を同じ祖母とする
近しい間柄ですもの、
お嘆きになることはありません



妹背山の奥深い道を
よく知りもしないで、仲が絶えるという
「をだえの橋」に迷っておりました

(わたしたちが姉弟であるという深い
事情を尋ねもせずに文など差し上げ
恋の道に踏み迷ったことでした)

あなたがお迷いになって
いらっしゃるとは存じ上げず
わたしは妹背山の道をたどたどしく
歩いておりました

(あなたが実情をご存知なくて
恋の道に迷っていらっしゃるこては
私も存じあげず、姉弟の間柄なのに
妙なことと思いながら
お文を拝見しておりました)







<玉鬘姫のモテる訳>

外伝的な性格を持つ十巻「玉鬘十帖」
の第九巻。

玉鬘の人生は、父こそ高貴の人だが
中流貴族の家で育つ。
四歳で地方へ下り、二十一歳で帰京
苦しい生活も経験し、
神仏にすがりつくほどの絶望感も
味わう。これは六条院の女性たちの
中で際立って庶民的な経歴でした

つまり玉鬘の物語は
「普通の女の子が上流社会に入り
    御曹司たちに求愛される」という
現代の少女マンガやライトノベルに
とっても似た構造を持っているのです

宮家の姫・や 富豪の明石とは違い
玉鬘はとても親しみやすいヒロイン
その、玉鬘が六条院の水で磨かれ
光源氏の心まで悩ませたり
帝にも求愛されたりするレディに
なって行くのです。



次回  真木柱の巻
髭黒右大将の妻
北の方は物の怪に
とりつかれ乱心する

髭黒と玉鬘の結婚