二十三帖  初音 (はつね)
はじめての春を迎えた
六条院
光源氏は女君たちと
新年の挨拶を交わす

<源氏物語>
玉鬘十帖・外伝の弐巻
(意味があるようで無い)
平安源氏の正月

日曜日の朝
❀.(*´▽`*)❀.オハヨウです
九月一日


【ポイント】
今の時代でもどこかに
似たような母娘があるとすれば
それは、あまりにも非情な話
産みの親と育ての親の話はよく有る
この初音の巻においては
母、明石の御方と明石の姫君は
同じ屋根の下で生活しながら
引き裂かれたように暮らしている
そして、紫の上と明石の御方の
陰と陽のような光源氏の扱い
震えるような紫の上の心情やいかに

二条東院の花散里と末摘花の心中を
ぜひ、想像してみてください

六条院の新年、明石の姫君に母から
手紙と種々の贈り物が届き
侍女(乳母)が源氏に見せている場面
(光源氏36歳)


源氏物語オープニング曲


✿初音の由来
元日に、明石の君が姫君へ贈った歌。
「年月をまつにひかれて経る人に
けふ鶯の初音きかせよ」
による「初音」は鶯やほととぎすなどの
その年最初の鳴き声のこと。

[登場人物]
光源氏
紫の上(正妻・26歳)
明石の君(妻・27~32歳)
花散里(妻)
玉    蔓(ヒロイン21~22歳)
末摘花(二条東院居住の妻)
空     蝉(二条東院居住の妻)
夕     霧(息子・15歳)
明石の姫(娘・8歳)



          春の御殿の紫の上の周辺での贈答歌
✿薄い氷も解けた
池の鏡のような面には
世にまたとない二人の影が
並んで映っています
✿一点の曇りのない池に
幾久しくここに
住んで行くわたしたちの
影がはっきりと映っています


新造の六条院の新年
紫の上の春の町は格別に美しく
極楽浄土のようでした

光源氏明石の姫君を訪れると
母親から子を思う手紙と贈り物が
届いていました

光源氏は幼い姫君に返事を書くよう
勧めるのでした、つぎに
夏の町の花散里末摘花を訪れ
冬の町の明石の君のもとに泊まります


【ここもポイント】
六条院の女主人である
紫の上にとって、この元旦の
夜の屈辱はことのほか大きい事です
早朝に帰ってきた光源氏には
無言を貫いたのでした

一方、二条東院の空蝉末摘花
寂しい思いをしていましたが
新年のあれこれが収まったころ
光源氏は二人のもとを訪れます

同じ邸に住みながら
娘に会えない母の切実な心が詠まれた
歌も添えて・・・


明石の御方と姫君和歌を贈答

✿長い年月を子どもの成長を
待ち続けていましたわたしに
今日はその初音を聞かせてくださいな

✿別れて何年も経ちましたが
わたしは産みの母君を
忘れるはずはありません





元旦の暮れ方、明石の君を訪ねる

女君たちへの年始まわりをする
光源氏は、日が暮れるころ
冬の町・明石の君のもとを訪ねる

明石の君の部屋は香が匂い立ち
気品に満ちた風情を漂わせていた
(全体を御簾越しに描く珍しい趣向)

二条院の末摘花
を訪問して詠んだ歌
✿昔の邸の春の梢を
訪ねて来てみたら
世にも珍しい紅梅の花が
咲いていたなあ



久しぶりに訪れた源氏
に対して呟いた歌

✿なんと珍しく嬉しいことです
花が咲くあの春の御殿にすむ鶯が
こうしてわざわざ谷の古巣を
訪ねていらっしゃるとはねえ

この年光源氏明石の御方
のもとで夜を明かすのです
切ないね紫の上さま

次回・胡蝶の巻
恐ろしや
六条院に巣食う
六条御息所の怨霊
これにてしつれい

壱や