最愛だった筈の藤壺の死のあと
光源氏の心は癒しがたく
かつて求愛していた桃園式部卿宮の娘
朝顔に熱心に言い寄るのでした
待っていた間に長年つらい世を
過ごしてきたんだ
✿一通りのお見舞いの挨拶を
するだけでも誓ったことに背くと
神が戒めるでしょう
二十帖 朝 顔(あさがお)
光源氏の求愛を拒み続ける
✤朝顔の姫君✤
<朝顔の巻のあらすじ>
拒まれても朝顔に思いを馳せる
光源氏
光源氏三十二歳朝顔の巻は
加茂の斎院であった
朝顔の姫君に対する執心を中心に、
それに対する紫の上の嫉妬
過去の女性たちに対する
源氏の人物評その夜見た
藤壺の夢のことなどが語られる
父の桃園式部卿宮が亡くなり
喪に服すことになった朝顔の君は
斎院の職を辞して
桃園の宮廷に移り住みました
姫君への未練を断ちがたい源氏は
叔母の女五の宮(故・桐壺院の妹)の
見舞いを口実に桃園邸に通い
想いを訴えるが以前にまして
慎み深くなった姫君は応じる事はなく
悩ましくも悔しくも思う源氏は
朝顔の花に託して歌を贈る
✤ヒソヒソ話
桃園宮での思わぬ再会があるんや。
あの好色な老女・源 内侍(げんのないしのすけ)
すでに相当な高齢であるのに
若作りで派手な歌を詠んだらしいよ。
それも光源氏へ、ソレがこれだ↓↓↓
忘れられないことです。
親と親とか仰った一言がありますもの・・・
✤来世にて生まれ変わった後まで
待ってご覧なさい
この世で子が親を忘れる例があるかどうか・・・
✤桃園式部卿宮(ももそのしきぶきょうのみや)
故・桐壺院の弟。呼称は桃園に住む
式部卿宮の意。桃園は、平安京大内裏の
北東に接していた広大な園。
✤変な話。藤壺の亡霊。
朝顔の姫君への執着心により
二条院に、夜離れを続けてたんやけど
うち沈む、紫の上をめっちゃ慰めてたんやて
あろう事に光源氏は、ふとした夜に
紫の上の前で、藤壺への感情をもらしたんや
しかも、色んな女性関係も話しよる
(雪女の下りに似てる)
そんな日の夜。
藤壺の亡霊が光源氏の
枕元に出てきて、恨み言を言うたんやて
「なんでペラペラ話すのですか源氏さま
私の立場は丸つぶれではありませんか」
とか?かも(笑)
ビビった光源氏は藤壺の救われない魂を
癒すために寺々に誦経を依頼するんやわ。
光源氏の求愛を拒み続ける
朝顔の姫君
✤秋が終わって
霧がかかる垣根にからみつき
あるかなきかの様子で
色あせている朝顔
それこそ今の私なのです
その後も若返ったように
恋文ばかりかいていました
自然に二人の仲は世間の噂になり
紫の上の耳にも入るのでした
月いよいよ澄みて
静かにおもしろし
光源氏
この言葉に対して詠んだ
紫の上の歌
遣水は流れかねていますが
空に澄む月の光は西に向かって
流れていきます
この歌は
淡々として
源氏の女性遍歴を
さらりと受け流している
源氏の度重なる浮気心には
付き合いきれないわ
と、まあ、こんな感じ。
紫の上の愁いに満ちた表情に
死んだ藤壺の面影を見出し
朝顔への執心を少し紫の上に
移したかのように見つめ
鴛鴦(おし)の鳴き声に誘われ
詠んだ歌が⬇︎
鴛鴦(おし)えんーおう
オシドリの古語
オシドリの雌雄がいつも一緒に
いるところから、夫婦の仲の
睦まじいことの例えがある
カモ科の鳥
この雪の夜に
さらにあわれを添える鴛鴦の声です
朝顔の君への執心により
二条院に夜離れを続けていた源氏は
打ち沈む紫の上を終日慰めて
過ごすのでした
そんな愁いに満ちた紫の上
の表情に藤壺の面影を見出し
心が痛む思いなのでしょう
✤夜離れ
夜に男が女のもとへ
通ってこなくなり、夫婦生活が
途絶えること。
これまでも帚木(ははきぎ)葵、賢木(さかき)の巻
などで脇役のように登場していた
かつて光源氏から朝顔の花につけて
歌を贈られたことが呼称の由来
桐壺院の崩御により朱雀帝の斎院
になっていた
✿斎宮
伊勢神宮に奉仕した未婚の皇族女子
(内親王または女王)天皇の代替わりに
交替する。源氏物語では秋好が経験者
✿斎院
賀茂神社に奉仕した未婚の内親王
または女王。源氏物語では朝顔が経験者
源氏の須磨流離は、斎院であり未婚で
なければならない朝顔に文を送ったことのも
罪の一つに数えられた。
✤亡くなった方を
恋い慕う心にまかせて
お尋ねしても
その姿も見えない
三途の川のほとりで
迷うことであろうか
源氏物語も二十帖まで来ました
最初は恐れ多い源氏物語を
ブログに出来るか不安のスタート
でしたが多方面の作者や文献から
理解しやすく自分なりに構成企画
なんとか古典古文の難解な源氏物語を
ブログ風に出来たと思います
二十歳の時から紫式部に興味を持ち
居住地の理を利して、紫式部の墓に
遭遇して以来、恋をしていた自分に
一つの目標を与えてくださり感謝です
これから先、少女(乙女)から
玉鬘十帖に至り。いよいよ源氏の
終焉を思わす四十一帖を迎え
宇治十帖へと最終章に至ります
ありがとうございます
壱や
源氏物語エンディング曲