大阪新歌舞伎座で観た「声優口演2023」は、羽佐間道夫さんの90歳を迎える特別な口演でした。彼と野沢雅子さんの初演は6人ほどの小さなものから、今ではホールが超満員となるまでに成長しました。羽佐間さんは「長生きの秘訣は若い人と関わること」と述べ、オープニングで色々お話しされました。フリートークタイムを設けて欲しいくらいでした。

坂本頼光さんや山寺宏一さんがタイムキーパーのように進行し、羽佐間さんは90歳でなお現役であることの凄さを見せつけました。羽佐間さんは50秒だけの映画を作るのに5年かかったと言われる作品に生アテレコ。なんせ作品はディズニー以上より前の作品。100ウンじゅう年前の映画。それだけで凄い!ベテランと若手が無声映画の中で生演技や演奏を披露し、特にチャップリン作品の生演技は声が加わることで新たな楽しみが広がりました。

素だと分からないサザエさんの穴子役の若本規夫さん。演技になるとあの人志松本のすべらない話のナレーションの独特な抑揚になる。そのギャップにやられました。福山潤さん、林原めぐみさん、安達忍さんそれぞれすごい。また、山寺宏一さんの独演は戸田恵子さんにtoo much!(やりすぎ!)と言われた事があるそうです。それでも全カットに挑戦し、その多彩なキャラクターに笑いが巻き起こりました。

大阪の観客の反応は東京と異なり、羽佐間さんが来年野沢雅子さんと大阪での演技を望んでおり、再び大阪でのイベントを期待しています。野沢雅子さんの生演技も含め、今後の活動がますます楽しみです。

それではまた。