千年桜雅】 の公演も千秋楽まであと一週間となりました。
役者さん方の動き、セリフ、もちろん歌にも一段と磨きがかかって目が離せません。
皆さんもお気づきの方は多いでしょうが、沼部時影が頭巾被り舞台ステップ下まで降りてきて刺客に密命を下すシーン。 直ぐ脇の席で見ていると沼部の羽織の家紋が良く見えます。
今までは何となく見ていたのですが、その羽織の家紋は「丸に違い鷹の羽」と言うもののようです。
武家社会では家の象徴の最たるものですから、作者が何の家紋を使用させていたかによって、ストーリーの見方もあろうということで調べましたら、この家紋は「忠臣蔵」で有名な”浅野内匠頭長矩”つまり”浅野家”の家紋なのですね。
「 ん、、❓ でも、浅野家はおとり潰しになって、内蔵助らが討ち入りをしたのだから、沼部家とは立場がぎゃくなんじゃないの❓ 」
そうですよねー。 でもそこんところは「 忠臣蔵を匂わせる。程度に 」とでもしておきたかったのかな。
ストーリーそのものは「忠臣蔵」とはいかないですからね。
話は変わりますが、詩吟やってますとこの時期には「義士祭」といって忠臣蔵にちなむ・泉岳寺・大石良雄・四十七士・などの詩を吟じる会を忘年会を兼ねてやってます。
ついでですから、大石良雄(内蔵助)と題された詩を紹介します。
大 石 良 雄
(橋本左内 作)
君恩は山より重く命は毛よりも軽し
主家を興復するは臣が素情
已に大仇を斬り臣が願い遂げたり
恨むらくは臣が輩をして忠名を得せしむることを
【解釈】仇を討ち、主家を興復することこそ武士としての本懐であり、仇討ちまでできた。人から忠臣とか義士とか云われ褒められることを、当然のことをやり遂げた本人はむしろ残念に思っているだろう。