おはようございます。
Laduna Coco(ラドゥーナココ)です。
迷子の妖精のものがたり
これは、迷子の妖精
ミラちゃんのものがたりです。
ミラちゃんが、森のヘンテコな
生き物たちと出会っていきます。
ヘンテコな森なので
こまかいことや、むずかしいことは
かんがえないで、楽しんで下さい。
これまでのあらすじ
迷子の妖精ミラちゃんは
「沈黙バー」のどんぐり娘に
「お母さんの木」のことをたくさん
聴いてもらいました。
そして、あの頃の自分が、どれだけ大切に
護られて生きていたのかに、気づいたのです。
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第13話 みどりのカクテル
どんぐりみたいな女の子は
やはり無表情で、無言のまま
2杯目のカクテルを差し出してきました。
鮮やかな
みどり色のカクテルです。
ミラちゃんは一口飲んでみました。
生い茂った草木の香り。
味は・・・
なんだか、ヘンテコな味です。
スッとするような
甘苦いような
なんだか、色んな方向から
つっつかれるような・・・
でも、不思議と、楽しい
ヘンテコな味。
まるで、この森みたいな味だわ。
ミラちゃんはそう思いました。
ミラちゃんは
この森にやって来てからのお話を
女の子に聴いてもらいました。
最初はびっくりの連続。
ヘンテコな生き物たちとの出会い。
(「あなたもヘンテコよね」とは
言えませんでした…)
それは全部
今まで味わったことがないような
「冒険」の数々でした。
ミラちゃんは、ふと顔を上げて
こう言いました。
「私、この森にやって来て
泣いたり、びっくりしたり
怒ったり、逃げ出したりしたけど
私、たくさん、体験して
たくさん、見つけたの。
なんだか、この森にいると
私の中から、”新しい私”が
どんどん、生まれてくるみたい」
ミラちゃんは、ふいに出て来た
自分の言葉に、びっくりしました。
すると、どうしたことでしょう。
ミラちゃんの中で
何かが、とうめいになり
何かが、ひらいていきました。
それはまるで・・・
今までミラちゃんの心を覆っていた
濃い霧が晴れていき
そこに一輪の「とうめいな花」が現われ
その花の蕾が
音もなく、ひらいたかのようでした。
ひらいた花の中心には
”言葉になる前の「何か」”
がありました。
すると
なんということでしょう!
そこから
大きな、大きな
勇気が沸いてきたのです!
この気持ちは、一体何なのでしょう?
ミラちゃんに、何が起ったのでしょう?
どんぐりみたいな女の子は
その黒く、深い瞳で
ミラちゃんに起きつつある変化を
静かに、けれど、たしかに
見つめていました。
つづく
森のヘンテコな生き物たちの
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