おはようございます。
Laduna Coco(ラドゥーナココ)です。
10年前に書いた物語を
編集を加えながら再投稿していきます。
はじめての方も
久しぶりの方も
ひとやすみのお供として
どうぞお付き合い下さい。
迷子の妖精のものがたり
これは、迷子の妖精
ミラちゃんのものがたりです。
ミラちゃんが、森のヘンテコな
生き物たちと出会っていきます。
ヘンテコな森なので
こまかいことや、むずかしいことは
かんがえないで、楽しんで下さい。
これまでのあらすじ
自分が迷子になったことを
知ったミラちゃんは
大声で泣き出します。
すると、どこからともなく
声がして・・・
物語の全話一覧はこちら
第3話 ヘンテコな生き物
「あなた、誰?」
ミラちゃんは
葉の上のひとしずくの水滴を
おそるおそる見つめて言いました。
すると
その水滴は、ヘンテコな声で
「私ハ、アナタノ涙カラ生マレタ
”ヒトシズク”」
ミラちゃんは
またまたびっくりしました!
自分の涙のひとしずくが
話しかけてきたのです!
「どうして?どうして?!」
驚くミラちゃんに
その”ひとしずく”は
「理由ナンテ、ナイヨ。
ソウヤッテ生マレタンダモン」
と、答えました。
ミラちゃんは、
こんらんしてしまいました。
悲しい上に、びっくりして、
このヘンテコな生き物の言うことも
意味がわかりません。
ミラちゃんの気持ちは
ぐちゃぐちゃになっていきました。
「お母さんはどこ!おうちに帰りたい!!」
ミラちゃんは、急に怒りだして
大きな声で叫びました。
そしてまた
大きな声で泣き始めました。
「ナカナイデ。ナカナイデ」
”ひとしずく”がそう声をかけますが
ミラちゃんは泣くのをやめません。
もっと大きな声で泣き叫びました!
「おかーさん!どこー!!!」
ミラちゃんは
ぐちゃぐちゃな気持ちから
逃げ出したくなりました。
「私、おうちに帰る!!!」
そう叫ぶと
ミラちゃんは立ち上がり
”ひとしずく”をおいて
森の奥へと駆けていきました。
つづく
”ひとしずく”の呼吸
”ひとしずく”は
神出鬼没な水滴です。
気がつけば生まれているけれど
気がつけば消えてしまいます。
だから”ひとしずく”は
とてもさっぱりした性格。
起きる出来事に対しての
”理由”や、”意味づけ”には
あまり関心を持ちません。
生まれるから、生まれるし
消えるから、消える。
それが
”ひとしずく”の呼吸なのです。
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