「流行語大賞」が毎年発表されますが、そのときわたしがいつも気持ちが悪さを覚えるのが、流行「語」と謳いながら多くの場合、指しているのが「言葉」ではなく、メディアなどで高い頻度で伝えられた「事象」 であることです。


さらには、受賞対象が、事実これは流行したな、という市民レベルの実感を伴う出来事ですらなく、なんらかの意図により作られた「ファッド」であったりする、つまりやらせ風味が蔓延しているのが気分の悪い最大の理由であると思っています(個人的には)。


まず、原義(≒流行った言葉を伝える)ことから意図的に乖離(事象を表すようにする)させて、言葉への興味そのものを完全に骨抜きにした上で、言葉ではなくて事象ならば、自分は使っていないけど世間で流行っていたのだろう、と思い込ませる仕組みを準備しています。この物事の進め方、こうした流行作りのコンセプトを必要とする人たちの存在を思います。


→と考えていたのですが、似たような指摘はWikipedia「新語・流行語大賞 」にもありました。


あの「小泉劇場」は2005年 に流行語大賞として発表されています。

さらに、朝日新聞社の「知恵蔵 」が発表するWord of the Year では、2005年に「郵政民営化」を選定しています。


ここから本題ですが、フクダ内閣の支持率が57%だった、などと喧伝されるとき、内閣支持率 というものがまとっている、「流行語大賞と同じ種類の原義と実際の運用を乖離させたやらせ風味」を思います。


日本人的なご祝儀相場という心情や、根本的な政治への無関心が「支持率」を大きく変動させている、という面は単純に結果論としてあるにはあるとしても、積極的かつ強い反感を持っていない限り、「支持しますか」に「はい」と答えるべきという諦めに似た刷り込みがなされていることが、ご祝儀暴騰の最大の要因であると考えます。


要するに、支持率ではなく、

  「大いに非難するという意識はないんだけどな+支持」をあわせた率

にこの定義はすり替わっていることが、数字の乱高下の所以でないでしょうか。


であれば、内閣にどんな実績があったかは問わないでしょうし、積極的な強い反感をもたらす、


 ・首相の本質的な無能さや冷血ぶりを露呈するような言動

 ・閣僚の、隠しおおせないスキャンダル

 ・閣僚の変死や辞職

 ・国会での異常な数の強行採決


などが、まだフクダ内閣ではそれほどは発生していない (左記リンクは鳩山氏死刑発言) ことが、この数値に表れているのでしょう。


さらにその刷り込みは、支持率乱高下を繰り返し目の当たりにさせられることで再生産されてきたということも理解しておく必要があるように思います。


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昨日のエントリーでアップした、「原子力ルネサンス」に関連して、日本原燃 とアレバの協力拡大のことを、エントリーへのコメントで教えていただきました。


そこでいくつかの情報を覚え書きとして挙げておきます(いずれまとめます)。

東奥日報 07/9/26

原燃が仏アレバ社と協力拡大契約

 日本原燃は二十五日、フランスの原子力企業グループ「アレバ」社と核燃料サイクル分野での協力を延長・拡大する包括的提携契約を締結した、と発表した。再処理技術に関する技術的課題を解決するための共同チームも創設する。世界的な原子力再評価の動きを受け、今後、核燃料サイクル事業の商機が拡大するとの予測が背景にある。

 アレバ社のラ・アーグ再処理工場は、六ケ所再処理工場のモデル工場。日本原燃は六ケ所再処理工場を設計する際、アレバ社と長期契約を締結(一九八七年)していた。

 新たな契約は、

(1)両社の再処理工場の産業的な優位性の強化に共同で取り組む
(2)両社が協調し、国際原子力エネルギーパートナーシップ(GNEP)などの国際的な核燃料サイクル活動の推進にあたる

-が二本柱。

 両社は既に、米国エネルギー省が要請する統合核燃料取扱センター(CFTC)の概念設計を共同で進めている。同センターはGNEPの枠組みで建設される施設で、再処理と燃料製造を行う。

日本原燃のサイトから、この件についてのプレスリリース を見てみます。

平成19年3月29日  報道関係各位  日本原燃株式会社

米国GNEP構想への参画に向けたアレバ社等との連携について

 当社はこのたび、日本原子力研究開発機構、国内メーカー各社との協力体制をもとに、GNEP〔国際原子力エネルギー・パートナーシップ〕構想の「統合原子燃料取扱センター」への参画に向け 、アレバ社等と新たな連携を図ることといたしました。

 GNEP構想は米国DOEが昨年2月に公表したもので、これに対し、当社は同9月、日本原子力研究開発機構、国内メーカー各社とともに、公募に応じて関心表明〔EOI〕を行いました。その後、当社とアレバ社との良好な協力関係のもと、GNEPというプロジェクト推進の国際的意義を踏まえると、むしろ日仏米の企業が協力して取り組むべき、という新たな視点から、アレバ社をはじめ、国内関係機関などと協議を重ねた結果、当社として前記の方針を決定した次第です。
(略)

 当社がGNEP構想への参画を目指す最大の狙いは、国際的な社会貢献の観点から、自らの再処理工場の建設ならびに運転の経験・ノウハウなどを国際的なエネルギー供給確保に役立てることにあります。同時に、グローバルなプロジェクトに参画することは、貴重な知見が得られることを意味し、それは長期的な運転を継続していく再処理工場の安全安定運転・保守面などで必ず役に立つと考えています。
 さらには、最新鋭のプラント建設・運転に携わった日仏両国技術者の国際協力を礎とし、アレバ社との新しい協力関係を構築する中で、サイクルの平和利用におけるリーダーシップをこの青森の地から世界に向けて展開していきたいと考えています

以上

原燃の、GNEP参画に対するより詳細説明 (PDF)から抜粋:

〔参考〕
◆GNEP〔国際原子力エネルギー・パートナーシップ〕構想
ブッシュ大統領によるエネルギー政策の一環として、昨年2月に米国エネルギー省が打ち出し
たものであり、原子燃料をリサイクルし、エネルギー資源の有効利用と廃棄物の発生・排出の最小化を図るとともに、原子力技術・資機材を平和利用に徹して活用するための新技術を実証・開発することにより、二酸化炭素を排出しない原子力発電を世界的に利用拡大して地球環境の保全を目指す、グローバルな計画である。
米国エネルギー省は昨年8月に、こうした意義のあるGNEP 構想をさらに加速するという観点
から、2 トラック方式により、次の2施設に関し、既存技術などを活用した実践的な提案を広く
内外の産業界から募集した。


① 再処理と燃料製造を行う「統合原子燃料取扱センター」
〔CFTC=Consolidated Fuel Treatment Center〕*

② 高速炉の開発を目的とする「先進燃焼炉」
〔ABR=Advanced Burner Reactor〕*
* GNEP 構想の「戦略計画」(2007 年1月)では、下記の用語を使用。(内容に変更なし)
CFTC ⇒ NFRC(Nuclear Fuel Recycling Center)
ABR ⇒ ARR(Advanced Recycling Reactor)

正義の味方気取りなんともポジティブな問題意識で、突っ込みどころが多すぎます。


アレバについて、さらに覚え書きです(後日まとめます)。

JETRO 注目ビジネストピックス

フランス原子力大手アレバへの抗議行動広がる (ニジェール) 2007年9月14日


ニジェールでウラン鉱山を操業するフランス原子力大手アレバに対する反発が高まり、首都ニアメをはじめ各地で市民団体や非政府組織メンバーなど数千人が同社の撤退と関連企業の国有化を要求してデモ集会を行った。これら団体は、アレバが北部地方の反政府ゲリラを支援していると非難している。政府は先ごろ、アレバ・ニジェール社長らを国外追放処分にした。

参考:

◆『六ヶ所村ラプソディー 』のオフィシャルサイト


原子力産業新聞ヘッドラインニュース (まぐまぐ)

以下は最新号(07/9/2)の見出しです:

◇国内ニュース
・メーカー主体で世界標準めざす 官民合同で出力180万kW級、BWRと
PWR開発 総開発費は6百億円 規格基準も同時整備の方針
GNEP 閣僚級会合を開催 参加国が16か国に拡大
・原子力部会 地震影響など議論 報道内容に疑義多数
・電事連 高レベル処分対策を強化
原産協会 在日大使館と初の連絡会 中越沖地震の影響に答える
・保安規定変更が終了 各社とも水平展開図る
・昨年末のPu保管量を公表 原燃再処理も初計上
・中越沖地震発生から2か月 柏崎刈羽の復旧作業本格化 1号機に続き、7号
機も炉内点検へ
・中越沖地震の震源断層調査 科振費研究、安全委で報告 「かいれい」も活躍
・原発停止のピンチ乗り越え 東電が今夏節電への感謝を
・原子力機構、中越沖地震踏まえ 「もんじゅ」にも化学消防車
・原技協、米NEIに柏崎刈羽原発状況を ボウマン会長「勉強になった
・日中で量子ビーム分野協力強化 両国の強み活かし
・原子力学会、小倉で大会 玄海プルや地震もテーマに

◇海外ニュース
フランス アレバを中心にエネルギー部門を強化へ 三社統合も視野に
・チェルノブイリ 4号機のデコミが進展 ウクライナ 新シェルター計画等で契約
・米FPL 州公益事業委に 四基の出力増強を申請
・米USEC社のパイクトン濃縮施設 新遠心分離技術の実証試験を開始
米国 兵器級プルをMOXに加工
・シェルは原子力を利用せず オイルサンド
・ベトナム 米国と原子力平和利用協定
・ベトナム 国際展示会に日本も出展

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ウェスチングハウス(が日本語の正式名称です)に関して覚え書きです:

インターナショナルビジネスタイムズ

東芝グループの米ウェスチングハウス、仏原子力エンジニアリング会社を買収
2007年09月26日 09:42更新

 東芝は25日、傘下の米原子力大手ウェスチングハウス社が、フランスの原子力エンジニアリング会社「Astare(アステア)社」の買収に関する契約を締結したと発表した。10月中旬に買収手続きを完了する予定。

 フランスは、数多くの原子力発電プラントを有しており、現在、58基のPWR(加圧水型原子炉)が稼動している。そのほとんどが、1970年代および1980年代に運転を開始したもので、今後、更なる保全サービス事業の拡大が見込まれいる。

 ウェスチングハウス社は、現地の原子力エンジニアリング会社を買収することにより、フランスでのエンジニアリング拠点を確保し、既存のPWRに対する保全サービス事業の拡大、強化を図る。

上記へのプレスリリース および、買収額は「数十億円」 、だそうです。


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UNPLUG KASHIWAZAKI-KARIWA

引き続き、柏崎刈羽原発停止への署名↑をお願いいたします。


お願い-クマノミとサンゴを守るために!!!-

リーフチェッカー’さめ’の日記 』さん↑へのリンク

辺野古アセスへの意見書は今日が締め切りです!


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