月曜の夜、駅ナカの書店に立ち寄ったら、櫻井よしこ氏の新刊と(修学旅行中 の)麻生マンガ太郎氏の昨年の著書が仲むつまじ気に並んで平積みになっていて、その「なんとか光線」にやられて脱力しました。


気を取り直して視線をさらに右にスキャンしていったら当然のように「とてつもない日本」も・・・。


日本よ、勁き国となれ の表紙 自由と繁栄の弧 の表紙



集団的自衛権での駆けつけ警護正当化の開き直り論と佐藤正久議員の図に乗った発言のもと、この書店、お客さん(わたしだけでしょうか?)の疲労夏ばてを狙ったのでしょうか。

あるいは猛暑日続きで判断力の低下しているお客さんの隙を探しているのでしょうか。


まず、佐藤正久議員と集団的自衛権での有識者会議の仰天見解をおさらいします。

(アッテンボローの雑記帳さんからいただいた『元自衛官・佐藤正久参議院議員は即刻辞職せよ!! 』で教えていただいたものです)

TBS(動画あり) 「駆けつけ警護」認めるべきで一致  (キャッシュ

 集団的自衛権に関する政府の有識者会合 はPKO=国連平和維持活動を行う自衛隊に対して、憲法上できないとしてきた「駆けつけ警護」を認めるべきだ、という意見で一致しました。

 PKO活動の際の武器使用は、正当防衛や緊急避難などの場合に限られていますが、10日の会議では国連の集団安全保障の問題としてとらえるべきだとする意見で一致しました。

 その上で、正当防衛を超えるとして憲法違反とされるいわゆる「駆けつけ警護」は認めるべきだとする意見が相次ぎました。これは、味方である他国の軍隊が攻撃された場合、駆けつけて応戦するものです。

 こうした事例について、イラクに派遣された陸上自衛隊の指揮官だった佐藤正久氏は、当時現場では、事実上の「駆けつけ警護」を行う考えだったことをJNNの取材に対して明かしました

 「自衛隊とオランダ軍が近くの地域で活動していたら、何らかの対応をやらなかったら、自衛隊に対する批判というものは、ものすごく出ると思います」(元イラク先遣隊長 佐藤正久・参院議員)

 佐藤氏は、もしオランダ軍が攻撃を受ければ、「情報収集の名目で現場に駆けつけ、あえて巻き込まれる」という状況を作り出すことで、憲法に違反しない形で警護するつもりだったといいます。

 「巻き込まれない限りは正当防衛・緊急避難の状況は作れませんから。目の前で苦しんでいる仲間がいる。普通に考えて手をさしのべるべきだという時は(警護に)行ったと思うんですけどね。その代わり、日本の法律で裁かれるのであれば喜んで裁かれてやろうと」(元イラク先遣隊長 佐藤正久・参院議員)

 懇談会は11月までに集団的自衛権の行使を容認する提言をとりまとめると見られます。しかし、公明党が反対している上、参院選の惨敗で安倍総理の求心力が低下しており、報告書は棚上げせざるを得ないという見方が強まっています。(10日22:50)

その、「有識者」一覧 、そして有識者なる人々のこれまでのご発言をお読みください。


◆これまでの発言:

天木直人さんのブログ 2007/5/17

集団的自衛権をめぐる論議についてもう一言書いておく


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国防キッズ、タロイモAso 氏の提唱している「自由と繁栄の弧」の資料にじっくりあたったことはありませんでした。


Wikipedia 自由と繁栄の弧

自由と繁栄の弧(じゆうとはんえいのこ)とは、2006年11月に外務大臣の麻生太郎が価値の外交を基本として打ち出した新しい外交政策である。この政策は従来路線の上に立てたものであり、ユーラシア大陸の外周で生まれてきた新しい民主主義国へ支援、民主主義の根付かせ等を目的としている。

2007年6月、幻冬舎より、同名の書籍が出版された。

ここで「弧」=arcなのですが、この人のお名前があるせいかなぜか、弓へんが子へんに見え「自由と繁栄の孤(孤立)」と読み取れたり、弓ヘンがケモノへんに見え「自由と平和のキツネ」と読み違いをしそうになるのが不思議です。

(というのは特段嫌がらせではなく、本当に初めて見たとき、「孤」と読んでしまいました)

ここで、ホテルオークラでのタロイモAso氏のスピーチを引用します。こちらが英語版 です。

自衛隊の位置づけや集団的自衛権の行使に関係する部分を抜粋しています。


外務省:「自由と繁栄の弧」をつくる 拡がる日本外交の地平 外務大臣

さて皆さん、本日は「価値の外交」という言葉と、「自由と繁栄の弧」という言葉。どちらも新機軸、新造語でありますが、この2つをどうか、覚えてお帰りになってください。

 我が国外交の基本が、日米同盟の強化それから中国、韓国、ロシアなど近隣諸国との関係強化にある。――このことは、いまさら繰り返して申し上げるまでもありません。今回申し上げますのはその先、日本外交に、もう一本さらに新機軸を加えようということであります。

 第一に、民主主義、自由、人権、法の支配、そして市場経済。そういう「普遍的価値」を、外交を進めるうえで大いに重視してまいりますというのが「価値の外交」であります。

 第二に、ユーラシア大陸の外周に成長してまいりました新興の民主主義国。これらを帯のようにつなぎまして(管理人: 共栄圏という言葉を思い出したのはわたしだけではないはず)、「自由と繁栄の弧」を作りたい、作らねばならぬと思っております。

●資格宣言と、決意表明
(略)

 この頃ではイラクを始めいろんな場所で、自衛隊の諸君が必死に汗をかいてくれました。そのおかげで、制服を着た日本人のイメージも、劇的に変わったと思います。「恐い」という印象は消え、今それは、「笑顔の人」です。「同じ目線に立ち、一緒に苦労してくれる人々」であります。

 と、このような背景や、実績があるわけで、民主主義にしろ平和や自由、人権にしろ、世間一般に通じる「普遍的価値」について、我が日本は、もはや口ごもりません。以上が、「価値の外交」に関する資格宣言、ならびに決意表明であります。

●公約・民主主義各国の、伴走者になる
(略)

 以下は、そういう国、日本の外務大臣が、公約として申し上げることです。

 我が日本は今後、北東アジアから、中央アジア・コーカサス、トルコ、それから中・東欧にバルト諸国までぐるっと延びる「自由と繁栄の弧」において、まさしく終わりのないマラソンを走り始めた民主主義各国の、伴走ランナーを務めてまいります。

 この広大な、帯状に弧を描くエリアで、自由と民主主義、市場経済と法の支配、そして人権を尊重する国々が、岩礁が島になり、やがて山脈をなすように、ひとつまたひとつ、伸びていくことでありましょう。

 その歩みを助け、世界秩序が穏やかな、平和なものになるのを目指すわけであります。

 我が日本は、世界システムの安定に死活的な利害を託す、大国の一員であります。自らの生存と安定、それに繁栄という、国益の三大目的を追求しようといたしますと、日本くらい大きな国になりますと、世界のどこで何が起きようが無縁ではいられません。

 でありますからこそ、米国はいうまでもなく、豪州、インド、それにEUあるいはNATO諸国という、思いと利益を共有する友邦諸国とますます堅固に結ばれつつ、「自由と繁栄の弧」の形成・拡大に努めてまいらねばならぬと、固く信じるわけであります。

●CDCやGUAMへ
(略)

 「灰とダイヤモンド」などの作品で有名な映画監督・アンジェイ・ワイダさんなどは、京セラの稲盛和夫さんが差し上げた京都賞の賞金を元手に、古都・クラクフに「日本美術技術センター・マンガ館」を作っております。マンガと申しますのは「北斎漫画」のことでして、若きワイダ監督が見て心打たれたという、さる収集家の作品を収めた施設です。(管理人: 無関係なところをついうっかり引用してしまいました)

(略)

●なぜ外交にビジョンが必要か

 そろそろ締め括らせていただきます。

 「東は東、西は西」、だと。イギリスの詩人、キプリングの詩をもじりまして、東西はなかなか出会わないんだと言われることがございます。

 が、私は去る5月、ベルギー・ブリュッセルのNATO本部へまいりまして、実を申しますとかなり踏み込んだ内容のスピーチ をしてまいりました。

 我が国自衛隊とNATOとに、世界の紛争予防、平和構築といった分野で、これからきっと協力の余地が拡大するだろう、と。それを見越して、今から付き合いを親密にしておきましょうという提案を、させていただいております。

 東は西へ、西は東へ、それぞれ翼を伸ばし、インド洋やらアフガニスタンやらで、日本とNATOが隣り合って働き、汗をかく姿がもはや珍しくなくなりました。

 本日は価値を重視する日本の外交が、ユーラシア大陸の外縁に沿って「自由と繁栄の弧」を築いていこうとするその意欲を、申し上げました。

 自由と民主主義、人権と法の支配の尊重を大切にする思い(←管理人: やっぱり集団的自衛権の行使をしたくてたまらない。けれど驚くべきはその根拠は「自由と民主主義、人権と法の支配を大切にする思い」ここにあるのだそうですよ!)にかけて、人後に落ちぬわれわれであります。その日本が、21世紀の前半を捧げるにふさわしい課題に、思いを共にする国々と一緒に取り組めることを、私は喜びたいと存じます。米国はもとより、豪州、おそらくますますもってインド、そしてEUや、NATOの加盟各国等であります。

 いかがでしょう、麻生太郎がまた大風呂敷を、と思われたとしたら、2つ申し上げて締め括りとさせていただきます。皆さん、大風呂敷とおっしゃいますが、ビジョンとはたいがいいつも、大風呂敷であります。そして日本外交には、ビジョンが必要であります。(管理人: タロイモAso氏に言われなくったって)

 なぜとなれば、これが第二の点ですが、日本外交のビジョンは、われわれ日本の善男善女にとってのビジョンであります。日本人ひとりひとり、誇りと尊厳をかけるに足るビジョンであるのであります。

 外交とは、国民に、地に足が着き、身の丈に合った、穏やかな自尊心を植えつける仕事でもあります。(←管理人: ええと、外交が植えつけるんですか、「国民の自尊心」を?)外務大臣として、日本人を元気にし、自信をもたせる外交を心がけ、そのための言葉を幾万言なりとも語ってまいりたい。そう申し上げて、おしまいにさせていただきます。

上記にある「踏み込んだ内容のスピーチ」、たしかに踏み込んであるいは日本の原理原則を踏み外していますね。

麻生外務大臣演説
新たな安全保障環境における日本とNATO(仮訳)
平成18年5月4日 (於:ベルギー王国ブリュッセルでの北大西洋理事会(NAC))

1. 新たな世紀、まやかしの曙光
(略)

 現在、アジアの人々は、伝統的な安全保障環境におかれつつも、テロリズム、海賊、人身売買、麻薬密輸、大量破壊兵器の拡散に対する共同戦線を張りつつあります。

 誰も手をこまねいてはいられないのです。新しい脅威が我々に到達する前に、我々皆が行動しなければなりません

 この共通認識の下、日本はNATOの重要性を再発見しました。NATOも日本の重要性を再発見したことと期待します。

 皆様、

 我々は、NATOの主たる役割が、集団防衛であることは承知しています。日本の自衛隊は、憲法に基づく制約のため、いかなる形であれ集団防衛の取決めへの参加は出来ません。

 しかしながら、制約はあるものの、日本が、世界に更なる平和と安全をもたらすために積極的に責任を担うようになってきていることも事実です。私は、日本とNATOとがともに多くを達成できると確信しています。
(略)

2. アラビア海にて、パキスタンにて

(略)

 ここ数年、日本とNATOとはその接点を強化してきました。

 皆様の招待により、2004年5月に当時の駐アフガニスタン日本大使がNACを訪問し、日本のDDR活動について話をしました。

 翌月、日本の海上自衛隊の潜水艦作戦の専門家がNATOの同僚にサンクトペテルブルクに招待され、NATOの潜水艦救難作業部会の会合に参加致しました。

 2005年4月のデ・ホープ・スケッフェル事務総長の訪日に続き、自衛隊の先崎一統幕議長 がブリュッセルを訪問しました。

 私の同僚の訪問が続きました。昨年12月に塩崎恭久外務副大臣が、本年1月に谷内正太郎外務事務次官がNATOを訪れました。

 先月には、第6回日・NATO高級事務レベル協議が行われました。そして、今日私が日本の外務大臣としてはじめてNACを訪問しています。

3. 我々は意識を共有する仲間、さらに協力して行動を
 日本とNATOとは多くの共通点で結ばれており、これら相互訪問はずっと前に行われていてもおかしくなかったものです。我々は民主主義、人権、法の支配という価値観を有しており(←管理人: 何回見てもこのつもりなんだ・・・と驚かされますね)、元々、意識を共有する仲間です。

 皆様、

 日本とNATOとの出会いは驚きではありません。日本とNATOとは長年、国際社会の平和と安定に向けて積極的に貢献するという共通の意図を有していました。

 日本は、NATO内でパートナーシップの見直しについて議論が行われていることを承知しています。

 我々は、NATOが同盟国や日本のような他の関係国が関心を有している政治・安全保障上の問題について議論するフォーラムとしての役割を増大させつつあることも承知しています。

 我々相互の意識を高めましょう。これまでよりももっと頻繁にお互いが隣りあって活動する機会が増えるでしょう

 より頻繁に、より定期的に、将来のありうべきオペレーショナルな協力を視野に(管理人: オペレーショナルな、つまりは作戦=戦時行為遂行での協力を視野に)話し合いを始めましょう。

 我々の政策を協調させるために、実務的な関係を構築しましょう。

 日本はNACとの定期的な接点を構築することに関心がある旨を確信とともに述べたいと思います。(←管理人: 「思うのはそういう思考回路なのだとしても、言うな」と述べたいと思います)

 議論を続けていく中で、日本はその憲法の枠内でNATOと協力していくための最も適切な方法を検討していきます。(管理人: 解釈改憲のお約束)

 したがってまず防衛交流のようにお互いに出来ることから始めて、次第により大きな、より多くのことを目指していきましょう(管理人: そしてキリがなくなります)

 我々の努力は小さな前進かもしれませんが、日本とNATOとの過去の非常に大きな隔たりを考えれば、大いに意義のあるものです。

 今後、日本とNATOとが相互理解を継続的に深めていけば、最後には、政策協調のみならず、オペレーショナルな面においてもどのような協力が可能かを見つけるであろうと私は確信しています。

 皆様、共に第一歩を踏み出し、前に進みましょう。

これだけ大きく風呂敷を広げた以上、個人的にも引っ込みがつかないはずだ、ということは気の利いた小中学生に十分に理解できることだと思います。


2ndアベ内閣で幹事長に内定と報じられており、いっそうの頻度で引っ込みのつかない軽口約束を繰り出すことも予測されます。

今日もまた、アベと不可解な仲間たちの官邸たてこもりにNOを伝えます。

真の意味での人心一新と、加えて佐藤議員の辞職を求めます。


「我々は民主主義、人権、法の支配という価値観を有しておりと外交の場で堂々とおっしゃり、それを遵守するのであれば。

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