「私はなぜ野党が反対するのかわからない」「国民の方々に必ずご支持いただけると思います」と言ったアベ。重要法案未明の強行的な成立。

国会の私物化をする人たちを見ていると鳥肌が立ちます。退場すべきはこの与党議員であり、それを支える力学を作る者たちだと思います!!
070630中日新聞


中日新聞 年金、社保庁法が成立 野党、未明まで抵抗
2007年6月30日 朝刊

(写真)参院本会議で年金時効撤廃特例法案と社保庁改革関連法案が可決し、一礼する柳沢厚労相=30日午前0時57分、国会で(河口貞史撮影)

 年金時効撤廃特例法案と社会保険庁改革関連法案は、三十日未明の参院本会議で、自民、公明両党の賛成多数で可決、成立した。この後、改正国家公務員法も可決、成立。民主党など野党三党は安倍内閣不信任決議案を提出したが、二十九日夜の衆院本会議で、与党の反対多数で否決された。一連の重要法案処理に伴い、延長国会は七月五日の会期末を待たず事実上閉幕。与野党は七月二十九日投開票の参院選に向け、一斉に走り出す。

 民主、社民、国民新の野党三党は二十九日、参院本会議に柳沢伯夫厚生労働相と安倍晋三首相の問責決議案を相次いで提出したが、与党の反対多数で否決された。

 三党はさらに、参院厚生労働委員会の鶴保庸介委員長の解任決議案も提出したが、否決された。扇千景議長は本会議を三十日も引き続き行えるよう、延会手続きを取った後、与党は年金特例法案と社保庁改革法案を可決した。

 改正国家公務員法については、同法を審議している参院内閣委員会の藤原正司委員長(民主)が会期末までに採決を行わないと、与党側が判断。本会議で委員長に「中間報告」を求めた上で、委員会採決を省いて本会議で可決。

 年金記録不備問題を受けた年金特例法案は、年金記録を訂正した場合、時効を撤廃して無制限にさかのぼって満額受給できるようにする。社保庁改革法案は社保庁を廃止し、公法人「日本年金機構」に年金部門を引き継ぐ。

 国家公務員法改正案は天下り規制強化に向け、再就職あっせんを一元的に行う「官民人材交流センター 」を内閣府に置く。


◆成立2法の骨子
【年金時効特例法】

▽記録ミスによる年金の支給漏れが判明した場合、過去の不足分を全額受け取れるよう、五年間の時効を撤廃

▽年金個人情報を管理するため政府に万全の措置を講じる責務を規定


【社保庁改革法】

▽年金部門を「日本年金機構に引き継ぐ(管理人注: 民営化マジックによる利益誘導の恐れ)

理事長は厚生労働相が任命

▽役職員は非公務員。刑法などの罰則を適用するみなし公務員

▽役職員、業務受託者とも守秘義務

▽保険料徴収など業務は幅広く民間委託

▽悪質滞納者に対する徴収を国税庁に委任

▽厚労相が選任した学識経験者の意見を聞き職員採用参院選前に



◆まとめ追記 中国新聞記事 より◆

 【法案】(30日)
 ▽成立
 日本年金機構法、国民年金法改正、
 年金時効撤廃特例法、国家公務員法改正(以上参院)


このタイミングで党に傷をつける「懲戒」を怖れて(実質の反対行動封殺)、やりたいこともできなかった野党議員の方も多いと思います。

一見静かに見えるその場に静かに潜伏させられた「怒り」が見えます。

心身ともにまったくお疲れのことだと思います。

参院選では確実に与党(自公および当選後にそちらに擦り寄る者たち)過半数割れを起こしていかなくてはなりません。


残りの期間に何をするのだという話題はさっそくあげられていますが、油断は大敵です。

東京新聞 参院選2007 延長したのに週内にも閉会!? 早く選挙準備を

2007年6月29

 延長国会は7月5日の会期末を待たず、与党が野党の抵抗を押し切って週内にすべての重要法案を処理し、事実上幕を閉じそうな雲行きだ。参院選の投票日を1週間ずらしてまで会期を延長したのに、日程を使い切らずに実質的に終わろうとしているのはなぜか-。 (高山晶一、関口克己)


 与党は当初、社会保険庁改革関連法案と年金時効撤廃特例法案を二十九日に、国家公務員法改正案を七月四日に成立させる日程を組んでいた。
 しかし、公務員法改正案も、委員会での採決を省略して本会議に上程する「荒業」を使い、二十九日に成立させる方針に転換した。野党が抵抗しても三法案は三十日未明には成立する見通しだ。来週は衆院決算委員会などが入る可能性があるが、休会ムードと言っていい。
 これには、一日でも早く国会を離れて参院選の選挙活動に没頭したい議員心理がある。改選組にとっては「早く重要法案をすべて処理した方がいい」(自民党参院幹部)わけだ。
 逆に、閉会前日に採決がずれ込むと、野党が「もう少し頑張れば廃案に追い込める」と抵抗を強める可能性があり、危険を避ける狙いもありそうだ。
 与党の「数の横暴」ぶりをアピールする野党の戦略を気にせざるを得ない事情もある。特に公務員法改正案は「天下り推進法案」と酷評されており、採決に伴う混乱が避けられないなら、社保庁法案などとまとめて一回で済ませた方が得策、と判断したとしても不思議ではない。
 これに対し野党は、与党の国会運営に激しく反発しているが、週内に区切りをつけたい空気もないわけではない。
 というのは、早く選挙に没頭したいのは、野党の改選議員にしても同じだからだ。
 野党は、年金記録不備問題を参院選の焦点に据える戦略で、「年金問題を理由に、国会の一番終わりに内閣不信任決議案を出して参院選につなげたい」(民主党国対幹部)という強い思惑もある。不信任案否決後に公務員法改正案の審議を続けるより、一気に年金で盛り上がって終わった方がアピール度が高い、と計算しているわけだ。

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宮沢さんについて 田原氏、あなたが語るな!と叫びたくなります。


勘ぐってみれば、田原氏はまだぼけちゃいない、護憲思想も理解しているまっとうなジャーナリスト(書いていてくらくらします)センセイであります、センセイのお言葉に耳を傾けなさい、というメッセージを発信する目的がありそうに思えます。


日刊スポーツ 2007/6/29 宮沢喜一元首相死去、田原総一朗氏語る
 元首相の宮沢喜一(みやざわ・きいち)氏が28日午後1時16分、老衰のため東京都渋谷区神宮前の自宅で死去した。87歳だった。葬儀は7月1日正午から東京都港区南青山2の33の20、青山葬儀所で。喪主は妻庸子(ようこ)さん。自民党一党支配に象徴される「55年体制」最後の宰相。退陣後も蔵相に就任するなど「平成の高橋是清」とも呼ばれ、戦後の保守政治の主流を歩んだ。93年5月のテレビ番組の対談で、当時の宮沢首相の「失脚」につながった発言を引き出したジャーナリスト田原総一朗氏(73)に聞いた

 93年5月、宮沢氏は田原氏が司会を務めた番組「総理と語る」で、政治改革について「どうしても今国会でやらねばならない。私はやるんです。私は(うそを)ついたことはない」と繰り返した。しかし、政治改革法案の取りまとめに失敗し、野党提出の内閣不信任決議案が自民党内の造反で可決された。衆院解散に打って出たが過半数を確保できずに退陣。「55年体制」下の自民党単独政権時代の最後の首相となった。


 田原氏「宮沢さんは覚悟を決めて『改革をやる』と言い切って流れを作ろうとしたけど、賛成、反対で割れた経世会が分裂して内ゲバを起こした。宮沢さんは経世会とは違って権謀術数にたけていなかったから、内ゲバに巻き込まれてた。結果的にあの発言がきっかけで失脚。今でも『悪いことした』と思っています」。

 51年のサンフランシスコ講和会議に出席した吉田茂首相(当時)に随行したエリート官僚。戦後の保守政治をリードし、「国際派」として海外の要人とも交流が深かった。

 田原氏「ひと言で言うなら紳士。古典落語や、中国の古典なんかも読んでいて、いろんなことに詳しかった。英語はおそらく自民党で最も自由にしゃべれた人でしょう。官房長官時代、『田原さん、ニューヨーク・タイムズにこんなことが書いてある、ちょっと読んで』なんて新聞を見せてくれたんだけど、宮沢さんの読むスピードはものすごくて…。スピードが全然違って、こっちは大変。まいったことがありましたね」。

 首相退陣後も蔵相、財務相に再登板し「平成の高橋是清」と呼ばれたが、経済再生は果たせなかった。03年10月、世代交代を迫る小泉前首相の要請を受け入れて政界を引退した。最近までハト派の論客として積極的な発言を続けていた。

 田原氏「最近の自民党はだんだん『狭く』なってきた。憲法改正が出てくると護憲が言いにくくなるような、ある方向に行くと反対しにくくなる党になっている。宮沢さんには『広さ』があった。宮沢さんは、自由で民主的な自民党の本流にいた。日本が大きく変化していくこの時期に必要な人物。もっと生きて、いろいろと言ってほしかった。惜しい。極めて惜しいと思っています」

[2007年6月29日8時57分 紙面から]

「あなた、心にもないことをおっしゃるねえ」、と空の上から宮沢元総理も呆れていらっしゃることでしょう。

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