今回の一連の国民投票法の採決でも参議院の通過があまりにあっけなく落胆したものだけど、依然参院は良識の府としての歯止めの機能が潜在的にあるのは間違いありません。


たびたび書かせていただいているけど、またしつこく言います。

夏の参院選はお灸をすえる以上の意味があるのから、選挙に行きましょう


たしか昨日(5/14)の日経新聞の『核心』欄には、もはや一院制ではどうだという提言がありました(新聞は捨ててしまった…)が、今、このテーマが持ち出されるということは、もちろんわたし達が参院に歯がゆい思いと期待を持っていることの裏返しで、参院の存在がいよいよ邪魔になり始めた、あるいは危機感を持つ向きがあるということだと理解しています。


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各タイミングで、こちらもなすべきことを考えたいです。

2007年6月 国民投票法成立
 7月 参院選 (とっても重要:引用者)
秋の臨時国会 衆参両院に憲法審査会設置

この期間もとても重要です!(引用者)

2009年9月

自民党総裁選、アベ首相が再選?

衆院が任期満了

2010年5月 憲法審査会の改憲原案審議が解禁
 夏 参院選
2011年前半 国会が改憲案を発議?
 後半 国会投票実施?
2012年9月 アベ首相が自民党総裁選任期切れで退任?

(情報出典: 東京新聞2007/5/15朝刊トップより。この日は7面にわたり国民投票法の関連記事あり)

この間、一部に「騒いでいる人」がいて、付帯決議(あやしいったらない)に期待しきることはできないでしょう。


また、昨日の記事にもありましたが、


Wikipedia ドイツの政治  から引用

ドイツでは、戦前のナチ党が国民投票・住民投票といった形で合法的に独裁を行ったことへの反省から、直接民主主義的要素を排除し、間接民主主義による政治を徹底して行っているのが特徴である。

という、国民投票を徹底的に避けての危険を回避する国の事例もあります。


100年くらい経てなお、狂信者による暴政が頭をもたげないと分かるまではこうした体制を措くのも賢明な運用だなと思います。


そして、直接民主主義へのアレルギー(政治のことなんて)や抵抗感(センセイ方に任せたほうがよくわかる)もあるでしょう。


これは、日本人がことさらにナイーブだったり鈍重であるからではなく、直接民主制に慣れていないこと、一方で政治を忌み嫌いなさいというイデオロギー(汚いものとみなす洗脳から、政治に価値を見出さないことで人生でより正しい選択ができるという洗練された思想まで)に飼いならされていることが原因ではないかと思ったりします。


こうした状態から簡単に頭を切り替えることは難しいですが、逃げてしまったら相手のもくろみ通りです。

目を醒ますための期間はあちら側にも、こちら側にも同じだけの間しかありません。

のべ人数をどこまで伸ばせるかが課題です。

でも、政治に目を覚まさせようとする、優しい顔をした悪意のプロパガンダには気をつけなくてはならない。


そんなことを思い至らせる知らせがあります。


(イスラムの問題をわたしは深く語れるほどの立場にはなく、イスラエルの理不尽さにもハマスのテロリズム双方にも思うところがありますが)それでも、数日前の以下の記事には驚かされます。

時事ドットコムの記事にはキャラクターの写真もあり、見るとさらに衝撃を受けます。

時事ドットコム 2007/05/11-00:32

ミッキーマウス、抵抗呼び掛け?=ハマスが子供向けTV番組-パレスチナ
【エルサレム10日時事】

 ロイター通信などによると、パレスチナ自治政府を主導するイスラム原理主義組織ハマスのテレビ局が4月、ミッキーマウスに酷似したキャラクターがイスラエルへの抵抗を呼び掛ける子供向け番組を繰り返し放送した。
 番組は「あすの開拓者」というタイトルで、ハマスのテレビ局「アルアクサ・テレビ」が4月16日から同30日にかけて3回にわたって放送。顔や服装などがミッキーマウスにそっくりなファルフルという名のキャラクターが、スカーフをかぶった少女と共演している。
 ファルフルや少女はこの中で、「われわれはアルアクサ・モスク(エルサレムのイスラム礼拝所)を解放するぞ」「シオニスト(イスラエル)の占領に対して抵抗するぞ」などと呼び掛けた。
 イスラエル首相府はこの番組について、「子供が自爆攻撃犯になることをいとわない雰囲気をつくるものだ」と強く非難。自治政府のバルグーティ情報相(独立系)は「政治的なメッセージを直接子供に伝えるために番組を利用するのは間違っている」と指摘、ハマスに今後の放送停止を求めたことを明らかにした。


東京新聞 ミッキーが? 戦闘発言 子ども番組で『イスラエル破壊』 2007年5月10日 夕刊

【カイロ=萩文明】

 パレスチナのイスラム原理主義組織ハマスが運営するテレビ局の子ども向け番組に、ミッキーマウスそっくりのかわいらしいキャラクターが登場。ソフトな口調で「イスラエル破壊」を訴え、物議を醸している。

 パレスチナ自治政府のバルグーティ情報相は九日、ハマスに放送中止を求めた。テレビ局も内容を再検討するという。

 番組は「明日の開拓者」というタイトルで、三月から週一回放送。このキャラクターは「ファルフル」の愛称で、番組の案内役として登場し、少女との軽妙な会話を披露する。

 番組では、ハマスが綱領で掲げる「イスラエル破壊」を「神の計画の明白な目的」と主張。現イスラエル領も破壊対象とする考えを明示する。  またファルフルが少女に「(解放されるべき)パレスチナとはどこなの? (自治区)ガザやラマラなの?」と尋ねたのに対し、少女は「全パレスチナです」と回答。さらにファルフルは「栄光を復活させ(エルサレムにあるイスラム教礼拝所)アルアクサ・モスクやイラク、ほかのイスラム諸国を、殺人者たちの侵略から解放しましょう」と宣言している。

日本でも同じようにして、子ども番組でプロパガンダを流されたら…


あるいは、たとえば18歳になったばかりの人気歌手が、わたしも憲法を考え直したいから投票に行きます!とはつらつと訴えかけたら。

たとえば、良いお母さんイメージの女優が、女性誌で改憲派の意見広告に登場したら。

たとえば、積極的な社会貢献でも知らせるさわやかなスポーツ選手が一同に介して、そう、がんばれニッポンのTVCMのように、改憲こそが善であるイメージを精いっぱい喚起したら。

また、サブリミナルが多用された広告が流れても、メディアがNOを言えなかったら。(参考:週刊金曜日のコラム


やはり今から免疫をつけておく必要があります。


ネットの僻地でこう話していることをどうリアルに持ち込むか、それも口コミ効率を上げながら長く実施できる形は何か・・・。


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先日のエントリー、『格差の中での護憲派のおかれた立場、小さく生んで大きく育てる改憲手順 』で紹介した、半藤一利氏&田口ランディ氏の対論がアップされました。

  岐路に語り合う<1> 理想の日本像 捨てるな (2007年5月3日)

  岐路に語り合う<2> 『格差』も映し出す論争 (2007年5月3日)


格差を分断の策として利用する動きは必ずあり、さらに、市民の声としても「生活保護対象者やワーキングプアがおもんばかられるような憲法改定なら、されたほうがよい」という意見を何箇所かで見ました。


そうした、命から発せられた叫びにも「では改憲をどうぞ」とお膳立てしようとする者たちがいることは確実です。


生きることの保証は改憲などでもたらされるものでなく、生存権の正しい適用に拠るべきである ことも、もっと知っていただきたいけれど、どう声を発すればよいのでしょう?

憲法を変えたからといって格差が解消される効果はないのだ、という当然のことを、絶望の宣告とならないように伝えたい。


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アベ政権問題まとめ


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