徹夜明けで帰宅し、着替えてすぐにまた出勤したところ、都知事選について友人から聞き捨てならない通報があり眠気も飛んでいきました。もうみなさんご存知ではと思いますが。

(『日本がアブナイ!』のmewさんのところでも詳しく紹介されていました


>すでにご存知かもしれないけど。
>http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070327-00000008-sph-soci&kz=soci


>藤原紀香、北島康介、ヤンキー先生、野口健・・・
>ヤンキー先生はイシハラの教育改革に期待!?
>野口健は小池百合子氏を支持しているのは知っていたけどさあ。。。
>言うべき言葉がないなあ・・・


紀香さんまでが!!

ということでさっそくリンクを開けてみました。

改行を詰めていて、また、強調は引用者によります。


慎太郎氏ビラに豪華著名人8人…ローカルマニュフェスト発表  3月27日8時1分配信 スポーツ報知

 東京都知事選で3選を目指す現職の石原慎太郎氏(74)が26日、女優・藤原紀香さん(35)や競泳・北島康介選手(24)、歌舞伎俳優・中村勘三郎さん(51)ら著名人8人が登場するローカルマニフェスト(首長選挙公約)ビラを発表した。各界のトップで活躍する8人が、各分野について石原氏への期待を語り、「少しは反省してよね! だけどやっぱり石原さん!」と支持を表明している。選挙戦序盤は、派手な言動を極力控えていた石原陣営だが、超豪華な「石原応援団」を味方に、一気に他候補を引き離したい考えだ。
 ついに“慎太郎流サプライズ”が飛び出した。前代未聞の豪華ビラに登場する「石原応援団」8人の言葉は、それぞれが石原氏の公約を代弁する仕掛けにもなっている。
 例えば、北島選手は「石原さん、東京でオリンピック絶対やって下さい」と、意見がまっぷたつに分かれている「五輪招致」を要望。紀香さんは「音楽・芸術・文化を大切にする石原さん期待してます」と、石原氏が主張する「世界に向けた文化の発信」の観点から、「石原さんしかいない」と訴えている。(←引用者タメイキ:紀香さん…)
 ほかにも、アルピニストの野口健氏(33)が「多摩地域、島しょ地域の未来づくり」を、“ヤンキー先生”義家弘介氏(35)は「教育の充実」という石原氏の主張をそれぞれ代弁している。
 8人の中でも、紀香さん、野口氏、義家氏らは、参院選への出馬がうわさされたこともあり、政界への関心が高い人物。選対関係者によると「なぜ石原氏がもう1期やりたいのかを、分かりやすく伝えたかった」との意図があるという。
 石原陣営は、告示日(22日)の約10日前から「石原応援団」の選定に入っていたが、ビラの公表は告示4日後となった。その裏には「17日間の選挙運動で、すべてが告示日にそろっている必要はない。逐次メッセージを出していくことも重要」(同)との選挙戦術が隠されている。
 「石原応援団」8人は、「石原氏と交流のある人物」(同)の中から選ばれた。北島選手は03年8月、石原氏を表敬訪問した際に「アテネ五輪で金メダルなら焼き肉3年分プレゼント」との“公約”を取り付けたが、五輪で金メダル獲得後「ポケットマネーからおごると選挙法違反になってしまう」(石原氏)とお預けとなった経緯もある。
 ただし、石原陣営は「紀香さんらが応援演説に駆けつけることはない」としている。
最終更新:3月27日8時1分


交流のある人物って言ったって・・・

それなりの著名人であれば、首都の首長とは小さな機会も含めれば交流を持った方のほうが高率でしょう。


アルピニストの野口氏は、見かけと相反して『正論』などで政策通をアピールされているそう(Wikiのリンク )ですが、左記にあるように、余人を持って代えがたい四男じゃなくて、次男さんに似ているからでしょうかね。


よほどの大金と「その筋」の後押しが無い限り取りえない反則技なので、こうした情報戦にはマイナスイメージしか持てないのだけれど、なにしろこのキャンペーンのきたないところは、決して「いわゆる勝ち組」とは言えない方々も含めてをそろえ、まるで弱者に優しい方も賛同する民意がここにあるかのような実質の偽装をしているところです。


ヤンキー義家氏は言うに及ばず、野口氏も「おちこぼれ」を自認し、紀香さんは最近はだめんず婚?で、それぞれお茶の間に著名です。

宮城まり子さんは福祉の世界でも著名で弱者にとても敏感であるべきはずの方です。

(パートナーであった吉行淳之介氏は、政治家イシハラにどのような思いを持っていたのだろう?)


 ・教育を守る(とはいえ再生会議メンバーですが)という義家氏が「それでもイシハラ」と言う。

 ・おちこぼれの僕でも、と世界の富士山美化にも関わる野口氏が「それでもイシハラ」と言う。

 ・アフガンの平和運動に関わる紀香さんが「それでもイシハラ」と言う。


単に著名人を登場させただけでなく、この「それでも」は、実はかなりの高等戦術だと考えます。


少なくとも、わたしの好きな候補者(スパイラルドラゴンさんがこう書かれているのを拝見しました。好きなのは「内心の自由」ですし、とても率直な表現が素敵なのでマネさせていただきます)であれば、決してこんな手口は使わないでしょう。

自身の内心と異なる著名人を抵抗なく利用できるのは、背景に情報戦をつかさどる組織の有無に関わらずモラルのあり方を示しています。


~~~

レニ・リーフェンシュタール のことは以前書いたような記憶も少しあるけれど、このことでまた思い出したので少しだけ。

レニ・リーフェンシュタール(Berta Helene ("Leni") Amalie Riefenstahl, 1902年8月22日 - 2003年9月8日)は、ドイツのベルリン生まれの舞踏家、女優、映画監督、写真家、世界最年長のスクーバダイバー。「レニ」は近年「レーニ」と表記される例も見られる。 戦前の映画作品、とりわけベルリンオリンピックの記録映画『オリンピア』と、1934年のナチ党大会の記録映画『意志の勝利』が国威を発揚させるプロパガンダ映画として機能したという理由からナチのプロパガンダ映画製作者として忌み嫌われ、戦後、長らく黙殺された。 1970年代以降、アフリカ、ヌバ族の人びとを撮影した写真集と、水中撮影写真集の作品で、戦前の映画作品も含めて再評価の動きも強まったが、依然ナチ信者の烙印は消えず、その生涯を終えた。

【後略】


わたしは、だいぶ前にレニの回顧展を見に行ったことがあるのですが、崇高なまでに美しい『オリンピア』のダイジェスト映像に寒気が(喩えでなく)したことを今でも覚えています。


レニの撮影したTriumph of the Will (『意図の勝利』)のamazonのレビューから:



この映画は1934年に行われたナチス党大会の記録映画である。日本では『意志の勝利』というタイトルで知られている。監督のレニ・リーフェンシュタールは恐るべき完璧さでナチスの世界観を描き出している。整然と行進する突撃隊、熱狂する群集、そしてヒトラーの演説。ワーグナーの音楽をバックに、画面には集団がつくりだすダイナミックで圧倒的な映像の叙事詩が描かれている。 この映画にナレーションは一切ない。しかし見る者に強烈なメッセージを投げかけている。それは個人主義を否定し、誰もが同じように考え同じように行動し、ただ一人の指導者に従うべきである、ということではないだろうか。 また、当時の撮影技術を駆使しているところも興味深い。空撮や移動しながらの撮影は当時としては斬新!であった。リーフェンシュタールの類まれな才能が、この政治的なプロパガンダ映画を芸術作品の域にまで高めてしまったのである。事実として『意志の勝利』は、1935年のパリ国際芸術博においてグランプリを獲得している。 しかしながらこの『意志の勝利』がナチスを賛美するプロパガンダ映画であることに疑いはない。このような映画がドイツ国民を扇動する手段として利用され、やがては戦争の狂気に突き進んでいってしまった歴史を忘れてはならない。 いずれにせよ、この『意志の勝利』が20世紀最大の問題作であることは確かだ。


イシハラの脳裏に、アベの脳裏に、俺はヒトラーじゃないからね、と弁明しながらも、このような国家統制というの美しさへの渇望があることが恐ろしい。


卓越した才能の芸術家(四男は、以下略)が政治の力学に引き込まれたとき、為政者の百万の言葉をもっててもなしえない強い牽引力を発揮し、いとも容易に悲劇的な結末に人々を扇動しかねないこと。

真にすぐれた芸術の圧倒的な影響力は、小林よしのり程度には扇動されない気構えは十二分に持つ理性的な人が意図で抗おうとする前に、心をつかみを陶酔させてしまうかもしれないこと。


今回の8名が、そこまでの圧倒的な芸術性を持っているわけではないけれど(苦笑・・・しているシチュエーションじゃないけど)、今回のイシハラ・ローカル・マニフェスト(思いつきでILMと略してみよう)が、取った手段は「芸能人使っちゃって」という以上の意図を持ったものだけに、一人でも多くの人にこの魂胆を伝える必要があります。


繰り返し、もしも4/8、彼らを上げ潮に乗らせたら、4/13には衆院で改憲準備法案が通ってしまいます!!


---

トラックバックピープル「安倍晋三」 に参加しています。

トラックバックピープル「2007年参議院選挙 野党共闘 」 に参加しています。

News for the People in Japanリンク集 に登録していただいています。