出張から戻ってきました。
昨日と今朝の東京新聞のトップ記事は、都知事選世論調査、あとは移動中にラジオを聞いたくらいです・・・。
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数少ない情報から。
東京新聞 2007/3/19 朝刊 石原氏一歩リード 追う浅野氏 都知事選本紙世論調査
抜粋するとこんな感じです。いかにも現職が強い知事選とはいえ、この支持率の高さは解せません(個人的感想)
今回 | 4年前 | |
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評価する | 17.3% | ? |
どちらかというと評価する | 57.1% | ? |
合計 | 74.4% | 81.8% |
・・・繰り返します。
イシハラ、二期8年の評価としては、なんと支持71.1%だそうです。
どういったことでしょうか?
評価する理由、という設問がありました。
評価する理由は、「強いリーダーシップを発揮している」が37・1%で最も多く、続いて「環境政策に前向きに取り組んでいる」が18・4%、「国との対決姿勢を明確に打ち出している」が16・9%。石原氏が公約に掲げた二〇一六年夏季五輪の招致は2%にとどまった。
とりわけ、環境政策という部分に、こんなに高い評価があったとは意外でした。
リーダーシップはそろそろボロが出始めていますが、環境政策への取り組みとは、プロパガンダ が功を奏しているのでしょう。
環境関係のアピールがむやみに多く、ただ、東京が進んで環境問題に取り組むことは、車両台数も昼間人口も多いので効果的であるからむしろ努力義務です。
イシハラと環境でわたしが思い出すことを列記します。
・イシハラ氏が、世界一にこだわってオーバースペックのディーゼル規制を敷いて自慢すること
(世界一にこだわる無意味さはこちら
:市民のための環境学ガイド記事 )
・すっかり「争点」になった築地市場移転先の豊洲土壌問題、汚染物質の値もさることながら、地下水が染み出すといったレベルではなく、ヘドロ(TV報道画像より)での上に食品市場を建設しようとしていること
・その移転こに絡むオリンピックの利権疑惑(ゲンダイネット )のこと
・高尾山にトンネルを開通させるという国の道路計画(経緯解説は日刊ベリタ記事 )に五輪を理由におおっぴらに便乗 したこと
・公職選挙法違反の疑いのある「花粉症対策」?のこぶしを振り上げたイシハラポスター大量配布したこと
・東京に原発をとアピールしてみながら、「つくれるもんならやってみろとすごんだ」こと(原子力問題研究所の記事 )
どれをとっても、過去に、環境を熱心に学び、首長として全国知事会で環境のオーソリティになったわけでもなく、掛け声と実績は裏腹、自宅の周りを風致地区にしたいな、という程度の発想でここまでやられたらたまりません。
都庁のサイトにはこんな特集もあるのですね。
『温暖化に関する知事発言集(平成18年) 』
http://www2.kankyo.metro.tokyo.jp/sgw/chiji/chiji_hatsugen18.htm
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多摩川や隅田川などは、わたしが子どもの頃に比べて信じられないくらいにきれいになったけれど、それは彼がやったことではないし、イシハラが前向きに取り組んでいると主張する環境問題に、食い物にするという動機以外がとても見つけにくい、というのが実感です。
あのPM(排ガス黒煙)をペットボトルで振って見せた(わたしはあの時も呆れた)パフォーマンスは、しかし企業には一定の環境対応推進力になった面もあるのかもしれないけど、それでも、環境に対して彼がやってきたことはマイナス面が大変に多い。
もし、環境保全のために、イシハラという個人の野望に目をつぶり、あと4年もやってもらおうと判断することは、致命的な、ランニングホームランを許すようなエラーだと思います。
こう書いたら、浅野氏の福祉ってね、という流れになるのだろうけど、比較論でたたかおうというつもりはありませんし、ある事情もあり、浅野氏の実績は以前よりちょっとだけ存じ上げています(お気を悪くされた方、ごめんなさい。限りある体力と時間を使って、かみあわない議論ができない、ということです)。
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ここに、東京新聞の3/20の詳報をアップしておきます。
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今回もイシハラに投票するのは41.7%、4年前には81.5%だった、という点、イシハラから浅野氏へは21.2%動いていて、イシハラ支持から他の候補に流入したのは各1%程度だそうです。
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他紙はどうなのだろうと思ったら、朝日がなにやらお得意の(略)
(この記事については、本文はもういちいち強調しません)
asahi.com 石原氏が支持拡大 幅広い層に浸透 都知事選・情勢調査 2007年03月19日23時05分
朝日新聞社は17、18の両日、東京都内の有権者を対象に都知事選に関する第2回情勢調査を行い、取材で得た情報をあわせて告示前の情勢を探った。現職の石原慎太郎氏(74)の支持が前回調査(10、11日)から拡大し、前宮城県知事の浅野史郎氏(59)にやや差をつけている。石原氏は幅広い層に浸透し、特に女性の支持が伸びた。ただ、3割以上の人が誰に投票したいか答えておらず、選挙戦によって大きく様相が変わる可能性もある。
22日告示の都知事選には、両氏に加え元足立区長で共産推薦の吉田万三氏(59)、建築家の黒川紀章氏(72)ら10人前後が立候補する見通しだ。
投票先を明らかにした人は65%で、前回の61%からやや増えた。その回答をもとに分析すると、石原氏は無党派層で浅野氏をリードし、民主支持層の一部からも支持を得ている。前回、浅野氏支持が多かった「都政が大きく変わってほしい」と答えた層でも浅野氏と拮抗(きっこう)する。
浅野氏は無党派層での支持が伸びておらず、選挙に「大いに関心がある」層の支持が低下。2016年の東京五輪招致を「再検討すべきだ」と答えた層でも石原氏への支持に及ばない。
吉田氏は共産支持層以外には浸透しておらず、黒川氏は支持に広がりが見られない。
石原氏の都知事としての支持率は48%、不支持は32%で、前回調査(支持42%、不支持37%)から支持が回復した。
◇ 〈調査方法〉 東京都内の有権者を対象に「朝日RDD」で1000人目標の電話調査をした。対象者の選び方は無作為3段抽出法。有効回答は887人で、回答率は59%。
朝日RDDって、人口構成を再現しているのでしたっけ?
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さらに元に話題はゆらぎますが、環境を謳っている東京オリンピック構想について。
また東京新聞(・・・すみません(笑)日経も読んでいますが)に、都知事選に関連でのオリンピック招致に関する記事が掲載されていました。
東京新聞 2007/3/20 TOKYO発 都知事選 本紙世論調査五輪反対3人に1人
支持政党別の賛成率も掲載されています。
招致に関して、都議会は2006年3月、賛成103、反対18で可決したが、しかし、今回の質問に答えた有権者の支持政党別では、
支持政党 | 賛成 | 反対 | コメント |
---|---|---|---|
自民党 | 29.7% | 21.7% | 5人に1人が反対 |
公明党 | 51.1% | 10.6% | ・・・ |
民主党 | 17.5% | 49.7% | |
共産党 | 11.43% | 62.9% |
実質、都政に対しては支持政党の方策に過剰にこだわらない是々非々での判定が下されているということですね。
各(有力)候補の意見を抜粋します。
「再考」優先順位上か疑問 浅野史郎氏
五輪は面白いと私も思う。ただ、同じアジアの2008年の北京五輪との違いは何なのか。五輪ありきで都民は置き去りにされていないか。五輪開催に毎年1000億円の基金をためて施設建設の準備をすることなどを、都民は知っているか。
コストがかかるし、犠牲になるものもある。都政の中で優先順位が上かは疑問。選挙は立ち止まってこれを考える良い機会だ。
「推進」東京の可能性示す 石原慎太郎氏
日本人全体でもう一回大きな夢を見ようと主唱した。皆で肩をたたいて喜ぶ機会があれば、日本人のアイデンティティーはもっと強まる。
五輪の感動という人生の財産を子どもたちにも残したい。
五輪に付随して国がやるべき仕事はたくさんあり、環状道路など基盤整備の引き金にもなる。まったく新しい五輪を開き、東京や日本野可能性を世界に示したい。
「中止」福祉、教育に財政を 黒川紀章氏
発想が古い。世界の関心は東京より中国に向いている。
世界が共鳴できる五輪でなければ、やらないほうがいい。
五輪による湾岸開発に群がるのは金儲け主義。五輪を中止すれば、仮に江戸八百八町に1つずつ、5千万円の寄席を造っても、約400万円のとの財源が浮く。
それを福祉や学校教育など都民がもっとほしがっているものに使う。
「白紙」基金、暮らし応援に 吉田万三氏
競技施設整備などに1兆円以上、道路など基盤整備に7兆円以上という多額の税金を使う今の招致計画は白紙に戻し、都民参加型にして再検討すべきだ。
地震に弱いとされる臨海部地域への競技場集中は、防災上含めて危険。白紙に戻し、五輪の基金はやめて暮らしの応援にあて、都民が気軽に使えるスポーツ施設を充実するなど、予算の使い道の転換を図る。
反対ながらも黒川氏は、「ほしがっているもの」を与える、という父性的な立場であるところは、さすがお友達的です。
記事にはありませんでしたが、2016年に決定されなかったらそれまでの開発をどうするんですか?という記者の質問に、
「そりゃあ何らかの責任を取らなくちゃならないでしょう(笑)」と答えました、イシハラ氏。
その頃の彼は、80代という高齢になっており、もはや知事の座にはないでしょう。
その中、どんな責任を取るというのだろう?
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