今回は新築計画物件の庇上部にある高さ5.2mのガラス清掃を長柄等で作業する際にいた

 だいた質問とその回答についてご紹介します。

 

1) 長柄等で清掃出来る範囲(高さ)

・長柄等(市販の伸縮ポール)は、長さ0.6m(0.3×2)10m(2.5×4)程度まであり、身長

170cmの場合、引き幅が10m以上あれば高さ11m程度まで届きますが、仕上がりに難があ

ります。仕上がりを考慮した実用のポール作業の高さは5m(2.0×3)程度が適当と思われ

ます。

 

2) 長柄等作業時の安全を確保できる庇幅(高さ5.2mの場合)

・高さ5.2mから2mの高さまでポール作業でガラスを清掃する場合は、身長170cmの場合

ポールの長さは4.2m必要で、引き幅は5m程度必要です。

また、作業場所が庇上部のため作業者の墜落、転落防止対策が必須条件となります。

 

        

高さ5.2mの作業に適したポールの長さは4.2m(身長170cm)、ポールの角度は75度

 

          

2m以下は地上作業として実施

地上から2mの高さまで引いた場合の必要幅は4.2m、ポールの角度は30度

 

3)庇上の作業時、法的に安全を確保するための安全設備

・高さ3mの庇上部での作業の為、関係法令の労働安全衛生規則第519条(作業床の設置等)

 が適用され、現実的に囲い等が設けられない場合は同安衛法第521条(安全帯等の取付

 設備等)項の安全帯等を安全に取り付けるための設備等を設ける必要があります。

 

 

                    労働安全衛生規則(抄)

(作業床の設置等)
第518条 事業者は、高さが 2 メートル以上の箇所(作業床の端、開口部等を除く。)で作業を行なう場合

において墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、足場を組み立てる等の方法により作業床

を設けなければならない。
2  事業者は、前項の規定により作業床を設けることが困難なときは、防網を張り、労働者に安全帯を使

用させる等墜落による労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。
第519条 事業者は、高さが二メートル以上の作業床の端、開口部等で墜落により労働者に危険を及ぼす

おそれのある箇所には、囲い、手すり、覆い等(以下この条において「囲い等」という。)を設けなければなら

ない。
2  事業者は、前項の規定により、囲い等を設けることが著しく困難なとき又は作業の必要上臨時に囲い

等を取りはずすときは、防網を張り、労働者 に安全帯を使用させる等墜落による労働者の危険を防止する

ための措置を講じなければならない。
(安全帯等の取付設備等)
第521条 事業者は、高さが 2 メートル以上の箇所で作業を行なう場合において、労働者に安全帯等を使

用させるときは、安全帯等を安全に取り付けるための設備等を設けなければならない。
2  事業者は、労働者に安全帯等を使用させるときは、安全帯等及びその取付け設備等の異常の有無に

ついて、随時点検しなければならない。
(悪天候時の作業禁止)
第522条 事業者は、高さが 2 メートル以上の箇所で作業を行なう 場合において、強風、大雨、大雪等の

悪天候のため、当該作業の実施について危険が予想されるときは、当該作業に労働者を従事させてはなら

ない。
(立入禁止)
第530条 事業者は、墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのある箇所に関係労働者以外の労働者を

立ち入らせてはならない。
(物体の落下による危険の防止)
第537条 事業者は、作業のため物体が落下することにより、労働者に危険事業者は、作業のため物体が

落下することにより、労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、防網の設備を設け、立入区域を設定する

等当を及ぼすおそれのあるときは、防網の設備を設け、立入区域を設定する等当該危険を防止するための

措置を講じなければならない。該危険を防止するための措置を講じなければならない。
(物体の飛来による危険の防止)
第538条 事業者は、作業のため物体が飛来することにより労働者に危険を事業者は、作業のため物体が

飛来することにより労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、飛来防止の設備を設け、労働者に保護具を

使用及ぼすおそれのあるときは、飛来防止の設備を設け、労働者に保護具を使用させる等当該危険を防止

するための措置を講じなければならない。させる等当該危険を防止するための措置を講じなければならない。
(保護帽の着用)
第539条 事業者は、船台の附近、高層建築場等の場所で、その上方におい事業者は、船台の附近、高層

建築場等の場所で、その上方において他の労働者が作業を行なつているところにおいて作業を行なうときは

物て他の労働者が作業を行なつているところにおいて作業を行なうときは、物体の飛来又は落下による労働

者の危険を防止するため、当該作業に従事する体の飛来又は落下による労働者の危険を防止するため、当

該作業に従事する労働者に保護帽を着用させなければならない。労働者に保護帽を着用させなければなら

ない。
2  前項の作業に従事する労働者は、同項の保護帽を着用しなければならない。前項の作業に従事する労

働者は、同項の保護帽を着用しなければならない。

 

 

4) 長柄等作業時の事故例と対策

・ガラス清掃における長柄等(伸縮ポール)作業は、簡便で比較的安価で作業が出来、一見

安全作業に見えますが、過去には死亡災害も発生しており、また、歩行者や自転車等の

第3者との事故、トラブルも多数発生しております。

 ポール作業における死亡・重篤災害のほとんどは、庇等の高所の作業場所からの転落、

または地上階から開口部等より地下階への転落です。ポールを引く距離は意外に広く必要

ですが、後ろ向きの作業となるため周辺の状況が把握し難く、また作業者の墜落・

転落防止対策が出来ていないことが労働災害発生の原因となっております。

・ポール作業における墜落、転落防止対策として安全帯の取付設備が必要で、作業者

 は保護帽を正しく着装、フルハーネスを着用し取付設備等と連結します。

 

 

手の届かないところのガラス清掃もご相談ください。

 

東京外装メンテナンス協同組合

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