僕のRS250はとっても派手です。

 よく、オリジナルですか?と聞かれますが、もうロッシもmotoGPがまだWGPと言われていた頃から走っていますから、ホンダで走っていた事や、その前はアプリリアで走っていた事を知らない人も増えて来たんでしょうね。

 現在は、冬季テストや、地元ムジェロGPでスペシャルカラーのヘルメットを被るのが恒例ですが、もっと前は、バイク自体もツナギもヘルメットも、スペシャルカラーにして走っていたのです。(現在はスポンサーなどの絡みで実現難しいんでしょうね。)

 話は戻って、僕のRS250のカラーは、アプリリアワークスで走っていた1999年のムジェロGP(ロッシの地元イタリアで開催)のスペシャルカラーのレプリカです。

 テーマは、PEACE&LOVE

ロッシいわく、70年台の愛と平和の雰囲気をリスペクトしたもの、だそうですが、1999年といえば、コソボ紛争で、NATOがユーゴへの空爆を行なった年です。

 遠い国ではなく、身近なヨーロッパで繰り広げられた内戦に、おそらく、ロッシは心を痛めていたんじゃないかと僕は勝手に想像しています。

 例えば、僕の崇拝していたシュワンツは、湾岸戦争時には、迷彩カラーのヘルメットで自国の兵士へのリスペクトを示しました。その気持ちはとてもわかるんですけど、ロッシは、逆に、愛と平和が訪れることを望んだのです。一歩間違えれば、非難されかねない行為だったと思いますが、ロッシはそれを決断し、さらに、結果が悪かったら、より非難は強くなっていたと思うのですが、このムジェロGPでぶっちぎりで完全勝利をしたロッシは、サーキットを熱狂の渦にすることに成功し、ゴール後、コースに雪崩れ込んだ観客によって、転倒してしまうというオチまでつけました。

 この時、ロッシは250クラスで、メインイベントの500の下位のクラスで走っていたのですが、盛り上がりはメインクラスを上回るもので、結果として彼の平和のメッセージは広く世界に届けられたのでした。

スクリーン下に赤い文字で愛と平和のメッセージ

まだらの模様は70年代の反戦活動のヒッピー文化へのリスペクト

ヘルメットの後部には、ロッシのキャラクターが銃を構えていますが、その銃口からは銃弾ではなく花が出ています。

 

 どうでしょう?いつも、なんでこのカラー?と言われたら、派手だからとか、日本ではこのカラー見かけなかったから、とか、恥ずかしくてはぐらかしていましたが、そんなロッシの姿勢に僕は当時、共感していつかアプリリアに乗ったら、このカラーにしようと心の中でずっと思っていたのです。

 もちろん、カラーリングも気に入っていますが、それ以上に秘められたメッセージを僕は一番気に入っているのです。