大学3年生ごろの就職活動をしていた際の話です。
当然初めてのことなので色々ビックリしたことはありました。
そのうちのいくつかを話します。
会社訪問や入社試験の際に、普段着で来ていた学生がいたこと。
『え、それでいいのか?』
ってさすがに驚きました。
また別の会社訪問の際には、終わってから人事の方が<
「お昼はどうしますか?」
と訊いてきたのですが、その日一緒に説明を受けていた女子学生が、間髪付入れずに手を挙げて、
「私京樽!」
って元気よく言ったんですよ。
うわって思ってドン引きしたよ。
確かに目の前に店舗がありましたが、京樽さんは決して安いファミレスではないと思うし、その質問に店舗名をこたえるのが正解だったとは到底思えないのです。
それは『京樽で奢ってくれ』という意味になるのですから。
そういえばその女子学生も私服だったなぁ。
けれど京樽に入って
「会社に入ったら働きで返しますから」
と言っていくら丼を頼んで御馳走になったのは僕です。
また別の会社訪問では、時間を指定されて本社に行ったのだけれど、小さな会議室で雑談のような話しかしなくて。
指定された2回目は人事の若手社員さんだけではなく人事部の部長さんが待っていたけれど、結局面接と言うより簡単な話しかしなくて。
いつになったら入社試験を受けさせてくれるのかと思っていました。
それ人事の若手社員さんに質問したんだけれど、
「うん、順を追ってそのうちに・・・」
ってはぐらかされた。
で、3回目も試験とは聞かされずにいたのですが、着いて早々
「今日は役員と会っていただきます」
と人事の方に言われて、
「あ、はい!」
と返事をして部屋の前に案内された。
ノックをしてどうぞと言われたので部屋に入ると、
長机の向こうに社長・専務・常務・・・と役職が書かれたプレートを立てて役員がずらーっと座っていました。
で、にこやかな雰囲気で順番に質問されて、一通り質問が終わったら役員さんたちは顔を見合わせてうなづいている。
これからどうなるのだろうと思っていたら、社長さんが、
「うん、わかりました、合格です」
って。
「え?」
「あの、試験とかは?」
と訊いたところ、
「うん、わかったから必要ない」
って。
マジか。
3回雑談しただけで合格?
それにはびっくりしました。
上手く行ったことばかりではなく、逆に失敗したこともあります。
それは次の機会に。