夜中にポルシェを見に行く | 我楽多車庫(ガレージガラクタ)

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昔国産車ディーラー勤め、現在は自営業主です。

僕はこれまでたくさんの車を見てきました。

 
自分がディーラーで働いていたこともありましたし、モーターショーや販売店などにも積極的に足を運びました。
 
さらに毎日運転しているから変わった車ともすれ違う。
 
そんな中でわざわざ夜中に見に行った車が2台だけあります。
 
一つはフェラーリ328。
ベルリネッタかタルガトップか覚えていませんが、昼間に見かけた中古車店のショールームに新車の328があることに気づき、夜中にこっそり見に行って店の前で眺めていたのです。
 
当時はバブル真っ只中。
 
新車で一千万円台の328が、即納車ということで4千万円のプライズタグがつけられていました。
 
その後バブルが弾け価格が2千万まで落ちたのは見ましたが、それ以降どうなったのかはわかりません。
 
当時は何故かフェラーリが投資の対象となり、高く仕入れても高く売れて業者間でも高く転売もできるとされていました。
 
しかしそれがバブル終焉の頃はババ抜きのジョーカーのような存在となり売り時を見誤った業者は高く買ってるから値段は下げられないし、かと言って高くは売れないという困った状況になったのでした。
 
さてもう一台はポルシェ930型のタルガ。
935風のエアロスポイラーを装着した中古車です。
 
自動車のセールスマンだった頃、自分のテリトリーを回り歩いていた時に見つけ、仕事終わりに見に行ったのでした。
 
タルガボディーの911をカスタムしているのは珍しく、それに乗る自分をイメージしましたが。
 
しかしながら455万円という価格は、当時別の中古車店でロータスエスプリターボSEが買える価格。
 
同じ金額なら前から欲しかったエスプリの方がいい。
 
そう考えその店を後にしました。
 
ところで、なんで328をわざわざ夜中に見に行ったかって?
 
4000万円の328なんて買えるわけないでしょう。
 
ところで夜中にポルシェを見に行ったと言えば、やはりジェームスディーンでしょう。
 
当時まだ駆け出しの役者で世間に顔も知られていないジェームスディーンが、夜中にポルシェのディーラーに行き、ショールームのガラス越しに車を見ていると、その姿を目撃した近所の人から怪しい奴がいると通報されてしまいます。
 
すぐに警察がやってきて、何をしているのか訊かれたジェームスディーンは、自分はムービーアクターで、いつか成功してこの車に乗るのが夢なんだと答えました。
 
もちろんそれは現実となりましたが、草レースに行く途中に事故で亡くなってしまいます。
 
その時運転していたのもポルシェだったことは広く知られています。
 
最近でもポールウォーカー氏が同乗した友人のポルシェで事故にあい他界されましたが、ポルシェという車は波の車よりはるかに安全で、丈夫です。
 
911は動く金庫と言われるほど強固で、30年近く前の僕の944でさえもドアを閉めるとバキン!と硬質な音がし、ほったらかしですがサビ一つありません。
 
クラッシュテストをすれば成績は優秀で、普通の事故ではその辺の車より乗員の怪我や死亡率は限りなく低いのです。
 
ただポルシェに乗る人はスピードを出すことが多いため、そんな状況で一度事故を起こすと乗員に重大なダメージを及ぼすことにつながってしまうわけです。
 
一昔前は動くことのない分厚いコンクリートの壁に時速50キロで正面から衝突すると生存できる車はかなり少ないと言われていました。
 
今でも極端に増えたわけでもないと思います。
 
どんな車でも制限速度を大幅に越えれば、事故の際には重大なダメージを及ぼすのは当然。
 
ポルシェやスポーツカーの死亡事故ばかり目立ってマスコミに取り上げられますが、車が悪いわけではないのです。
 
時速100キロしか出ない車が100キロで走るのは100パーセントの性能を発揮し続ける必要がありかなり無理が続きますが、300キロ出る車が100キロで走るなら1/3の能力しか使わずに済むため余裕があります。
同じ時速100キロでもまるで意味合いが違います。
 
さらに100キロしか出ない車は、最高でも100キロから止めるためのブレーキを装備していますが、300キロ出る車は300キロから安全に止められるブレーキが装備されているため100キロからの制止は余裕があります。
 
僕が以前からスポーツカーほど安全な車はないと言ってるのはこのように高い動力性能やボディー剛性のためなんですね。
 
値段が高い車は安全というのも同意義です。
 
また余計な話を書いてしまいましたね。